150514 化石

A
響きは昔 静かに森を抜けてきた
響きは昔 何とも交わらなかった
響きはいつか 遠くで失われるだろう
響きはきっと もう死んでいる
元の場所にはもう何も無い

B
これは化石なの 響きの化石
土の中から取り出して、そっと形を確かめて
化石も私に耳を澄ます だから
私達は交わらないまま
安らかに溶ける事が出来る
私達はまだ生きて
置き去った死の事を語り合う

C
もう居ない私
昔もう鳴り止んだ
私の響きを聞けないままで
森を捨てて来た 皆

C
もう居ない私
きっともう鳴り止んだ
知らない間に失われていても
安らかで居られる 皆

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試作。

島田沙菜美氏の『溶けた音は安らかに』と題された絵画作品を拝見した時に書いたメモから、後日、歌詞にしました。

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