カリンバやブームワッカーでの簡単な伴奏を考える(初)

※出来るだけ音楽用語を解説しながら進めたいのですが、「調」「和音」「ドレミファソ…」といったいくつかの用語については解説を省いています。ごく正確な理解が必要という事は無いですから、日常語レベルでの雰囲気の理解で読み進めてください。もし正確なところに興味を持たれたら、他の資料をあたってみてください。要は、in C (ハ長調)における8つの頻出コードネームそれぞれについて、コードネームに対応した2音がわかれば、なんとなく色んな曲が伴奏できて楽しい、という話です。

※稿末に、4音だけで伴奏に必要な3つか4つのコードを弾くやり方も紹介しています。

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この項に取り組むのは、単純な作りの楽器での合奏を、広く実現したいという目的です。そこで、楽器にはカリンバとブームワッカーを想定する事にしました。実際は、要件を満たせば、鍵盤ハーモニカでも、ハンドベルでも、割と何でも同じです。

この目的のために、その調の全音階(ピアノの白鍵だけの音の並び)――と言っても自由には調律出来ない楽器の選択を前提とするので、まずはほぼハ長調の全音階だけを想定します――だけで、かつ、出来るだけ少ない音の数の楽器で対応出来る様にしたいと考えます。

また、それぞれのコードを表現するための音の組み合わせは複数あるものですが(例えば伴奏としてドミソの3音からなる和音がコードネームで指定される場面には、実際の演奏音としては、ドだけでも、ドソでも、ソミドでも恐らく大丈夫です)、その中でも本稿はは限られた組み合わせだけを挙げておいて、それ以外は他での知見から理解が進んだら曲の場面に合わせて拡張して頂くという風にして、ここでは伴奏に指定されたコードごとに決まったひとつか、場合によってはふたつくらいの組み合わせだけを提示しておきたいと考えています。検討出来る伴奏音の組み合わせが多い事は結果として得られる効果も広がるので良いのですが、一方で、取捨選択のために惑う事柄が増えるので、とっかかりのための本稿としては、ひとまずはそういった事を少なくしておきたいという意図があります。

また、伴奏指定に用いるコードネームは、スリーコード(:後述します)とそれに加えて少しの頻出コードネームだけに限定したい、といった方針で取り組みたいと考えています。

こういった方針を採用するにあたって、「…ド #ド レ #レ ミ ファ #ファ ソ #ソ ラ bシ シ ド #ド レ #レ ミ ファ #ファ ソ #ソ ラ bシ シ…」と続く楽器の音の並びのうち、今回想定する楽器には、最低限「シドレミファソラ」の8音が鳴る事を期待する事にしました。(必要を感じたらまたこの他に「ドレミファソラシ」の楽器ためのものにも取り組むかもしれませんが、演奏で一度に鳴らす音の高さがあまり離れすぎない様にという観点から、まずは「シドドレミファソラ」を採用します。これは最大でも8音しか必要ないという事ですが、伴奏する曲によってはそれ以下の音だけで一曲まるまる伴奏することが出来るという事を目的としています。)

これに基づいて、以下の様に呼び名を整理します。

┌───────────┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│音の呼び名      │シ│ド│レ│ミ│ファ│ソ│ラ│
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│本稿での便宜上の表記 │7│1│2│3│4│5│6│
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│音の呼び名の英語表記 │B│C│D│E│F│G│A│
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│ハ長調での主音    │ │●│ │ │ │ │ │
└───────────┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘


さて、本稿での伴奏に使うコードネームとして、一般に頻出ではないかと予想する、以下を候補にします。

コードネームというのはここでは、「伴奏する時に、その場面で鳴らして良い音について、必要最小限の指定や制限をするための音楽の記号」という風にでも理解されていたら、全く十分だと思います。

コードネームは以下の8種類で、中でも良く用いるのは、恐らく、さらにこの半分程度です。

(シー)、F (エフ)、G7(ジーセブンス)、G (ジー)、Am (エーマイナー)、Dm (ディーマイナー)、Em (イーマイナー)、Bb (ビーフラット)

カッコ内は読み方です。これらは、意味に基づいた規則的な命名がされているものなのですが、ここでは意味を無視して、単に名称を丸覚えして頂くのが良いように思います。和音の名前として個別の音の名前――例えばC(ド)とかG(ソ)とか――がついています。これはそれぞれの和音がその名前の音を基準に組み立てられている印なのですが、そういう事も、ここではひとまずは気にされなくて結構です。演奏に慣れてきて詳細にも興味が出た後々になってから、他の資料をあたってみてください。

ところで、コードネームはCを I と表す事もあるので、その事もここで紹介します(初見では少し複雑――というか何だか無関係な話に感じられる事もあるかもしれないので、そういう時にはこの I 、II、IIIといった数字表記部分の解説に関しては、まるまる理解を飛ばして大丈夫です)。

C と I (:数字のイチです)というこれら両者の呼び方を比べると、C の方が I よりも具体的で限定的です。まず丸覚えするなら、C、F、G7…といったアルファベット表記の方です。
一方で、I、II、III…という数字表記の方を用いると、コード同士の機能上の関係がつかみやすくなり、分析的に接しやすくなります。
たとえば、ハ長調の I の和音というと、ハ長調の1番目の和音というような感じの意味になります。他の調(ヘ長調とかト長調とか)にもそれそれ I の和音があって、調が決まると、具体的なアルファベット表記でのコードネームと、実際の構成音とが定まります。
ただし、本稿ではハ長調の楽器でハ長調の伴奏をするような限定した場面しか想定しませんから、この先の解説はごくサワリだけで、続きはあまりありません。本稿においては、Cの和音と I の和音とは同じもの、Dの和音とIIの和音は同じもの、IIIの和音とEの和音は同じものという様な、ここまでのご理解で問題ないです。

(I、II、III...は実際の運用上で、イチ、ニイ、サンと読む場合とワン、ツー、スリーと読む場合とが混じりやすいので、ここでは読み仮名を省略します。ひとまずは好ましく感じられる方で読んでおいてください。イチあるいはワンの和音はその調の主音――ここではハ長調なのでド――を基準に数え始めて、ドに対しての機能を表すものです。上の表での1、2、3…とこの I 、II、III…とは、全く対応しています。ただし、便宜上、また習慣上、和音を表す時の数字表記と、音の名前を表す本稿での数字表記とでは、 I と 1との表記を使い分ける結果になっています。)

I、II、IIIという和音の数字表記に関連して、少しだけ解説をします。
和音の響きには曲を進める事に関する機能があります。そういった機能は、その調の主音(ハ長調ならドの音が主音とされているのですが)からの順番を元に整理して理解されています。そこで、和音が曲を進める機能について着目する場合には、ドが I 、レが II、ミが III……といった風な数字表記が積極的に用いられます。特に、単純なスリーコードでの伴奏を、他の、より複雑な和音に置き換えて伴奏の雰囲気を丁寧にするというような場合の解説に関連した場面では、特によく用いられます。

ハ長調における、アルファベットのコードネームと数字の和音表記との対応は、次の通りです。

C (I)、F (IV)、G7(V7)、G(V)、Am (VIm)、Dm (IIm)、Em (IIIm)、Bb (VIIb)

すでに「スリーコード」という名称だけ挙がっていました。ここでやっとその説明に触れます。

上記のコードネームのうち、
I の和音(トニックと呼ばれる役割の和音)の C(シー)
IVの和音(サブドミナントと呼ばれる役割の和音)の F(エフ)
V7の和音(ドミナントと呼ばれる役割の和音)の G7(ジーセブンス)
で、曲中に移調がない間は、この3つの組み合わせだけでも伴奏が可能と言われていて、これらを「スリーコード」と呼んでいます。
まずはこの3つの和音を演奏出来るようになりましょう。

どの調で演奏する場合においても、 I の和音、IVの和音、V7の和音にはそれぞれ対応する具体的な和音があり(今回の様にハ長調の場合には、C、F、G7がそうだという事になります)、I の和音、IVの和音、V7の和音の機能上の呼び名がそれぞれ「トニック」「サブドミナント」「ドミナント」とされているという事です。

スリーコードさえ演奏出来たら一曲通して演奏出来るので楽しいです。ただ、一般の曲はさらに細やかな変化を表現するためにもっと沢山の和音が演奏されるように指定されて成り立っている事が多いので、童謡調や民謡調や他のシンプルな作りの曲では、このスリーコードで十分である場合も多い様なのですが、そうでない多くの曲では、これら3つのコードだけでの伴奏では「なんだか伴奏に雰囲気がもの足りない」とか「曲中での変化がスムーズでないからメロディーが歌いづらい」とかいった感想になる場合もあるかも知れません。
そこで、本稿では、もう少しだけ多くのコードネームも導入して、スリーコードだけに比べると、より雰囲気を表現出来たり、よりなめらかな変化も演出出来たりといった事を目論んでみたいと考え、前掲の8つのコードネームを扱う事にしました。

スリーコードに関連して、「 I の和音」「IVの和音」「Vの和音」それぞれの機能分析的な事柄にも少し触れます。

I の和音はその調の軸になる和音で、この和音から始まって、この和音で終わるという場合が多いです。伴奏する和音が不明なメロディーにコードネームをあてがいたいという時には、曲のメロディーのちょうど始まりか曲のメロディーの終わりに I の和音がぴったり調和するかどうかを、まず最初に確認するのが良いと思います。
I の和音とそれに沿ったメロディーとの組み合わせによって、曲の基準となるような落ち着いた雰囲気などが表現されやすいです。

IVの和音は、I の和音と行き来する事で曲の雰囲気をなだらかに進める機能を果たします。もし I の和音が鳴る場所が見つかっていたら、そこから曲の流れに合わせてIVの和音に移行しないかどうか気にしていると、伴奏の変化を捉えやすいのではないかと思います。逆に、IVの和音から曲が始まって、I の和音に移行するというような事もしばしばあります。しかし「そのどちらかの事が多い」とあらかじめ想定されていると、伴奏和音の選択で迷いづらくなるかもしれないです。

Vの和音の響きは、Vの和音の次に I の和音が鳴る事を強く要求する性格があります。演奏される和音が V から I 、あるいはV から短めの他を経て I へと進む事で、曲のその部分の雰囲気にすっきりと一区切りがついた感じになりやすいです。

また、I 、IV、Vの和音の役割を、それぞれ他の、代わりになる和音がその役割を果たしている場合があります。これらの導入が、スリーコード伴奏からの脱出です。

I の和音のはっきりとした役割の代わりとして類似の、しかしより微妙な効果を果たす和音があります。ここではAmがそうで、Cと似たような役割を果たす事があります。また、スリーコード伴奏では長くCの和音が続くところをCとAmとを行き来する伴奏とする事で、伴奏がひととき単調になりすぎる事を避ける効果が得られる場合があります。

同様に、IVの和音の代わりとしてここでは、Fの他に、DmEmも類似の役割を果たします。これらの代わりの和音との行き来は、IVの和音そのものであるFとの行き来よりも、より微妙で好ましい効果を生む事があります。これらが I の和音 や I の代わりになる和音と行き来したり、IVの和音やIVの代わりの和音同士の中で順に行き来して響く事で、曲をなめらかに進行させたり、機微のある雰囲気を表現したりします。
(ところで、BbもこのIVの和音の仲間として一応挙げますが、演奏する音数が少ないという本稿の特殊条件下では、Bbそのもの響きが演奏できずに、必ずしもIVの和音とは言えないような、より微妙で他のコードと区別がつきづらい響きになるかも知れません。それはそれで便利に使える事想像しますが、他の楽器で演奏するためにはBbよりも他のコードネーム指定の方がより適当という事にもなりかねませんので、他の、より沢山の音を鳴らす条件での演奏の時には検討しなおしてみて下さい。)

Vの和音としてはひとまずG7だけでも十分かもしれないのですが、曲の一部の明るい場面ではGの方がより適当で、なめらかに移行したい場面ではG7の方がより適当という事もあるかも知れません。その時には、意識して使い分けてみるのも良いかも知れません。しかし普段は、本稿の「一度に演奏する音が少ない」という特殊条件下でG7ともGともとれる響きで演奏するので、とくにその差を気にしなくても済むのではないかと思います。


さて、では、実際にコードネームの和音を演奏するための情報に話を移しましょう。

カリンバの場合には、以下の様な音の並びを想定して、図示します。演奏は一人で行います。真ん中の7が一番低い音で、シ。両側の5と6はソとラで、より短い音板です。これを左右から楽器を持つ手の親指で弾いて鳴らします。
多くの場面では、5、3、1は左手で、また、2、4、6は右手で演奏します。
7については、好みでどちらかの手と決めておいても構いませんし、また、その時片側の他の音と連続して鳴らす場合には反対側の手で演奏する、というような方法もあります。逆に、片側の他の音と連続して鳴らすなら、その同じ親指で7も続けて演奏するという事も出来ます。

┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│5│3│1│7│2│4│6│
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
 ソ ミ ド シ レ ファ ラ

ブームワッカーは、ひとりで演奏する事も、複数人で演奏する事も出来ます。
ひとりで演奏する場合には、片手ごとに2本以上のブームワッカーを持つなどしていくつもの和音を演奏するようにします。ただこれは随分慣れた人向けの方法という事になると思いますので、ここでは詳しく解説しません。色々工夫されるとっかかりとしては、上記のカリンバの音の並びを参考にされて両手に振り分けると良いかも知れません。工夫されてみて下さい。また、並べたブームワッカーを撥奏する事も出来ます。
複数人で演奏する場合には、コードネームごとにひとりが担当するという場合や、また、ひとりが単音(から余裕に合わせて複数音)を音階ごとに固定担当し、コードネームの要求に合わせて、その時ごとにそれぞれの担当者が和音の要素の音を演奏するという方法とがありそうです。ハンドベルがそうであるように、後者の方が、チーム演奏の楽しみを感じやすく、また、重複した音階の楽器を用意する必要を避けられるので良いかも知れません。


ここまでの話で挙がった伴奏用のコードネームは、3音か4音で構成されています。本稿では、そのうち2音までを使ってひとつの和音を表現する事にします。コードを構成音の情報などは適宜付記しますので、選択する2音の組み合わせをそのコード構成音から別の組み合わせに替えてみるとか、また、3音以上を鳴らしてみるとかといった事をすると、表現力の選択肢が増える事と思います。本稿の内容に飽き足らなくなられたら、ぜひ試して見て下さい。

2音の演奏仕方には、何通りも考えられます。曲調やテンポや曲のリズムやビートによって適宜替えてみて下さい。
仮に、1と3の音を4拍か3拍演奏するとした時の例を挙げてみます。

例1(交互に弾く)
┌───────────┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│拍          │い│ち│に│い│さ│ん│し│い│
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│発音         │1│3│1│3│1│3│1│3│
│           │ │ │ │ │ │ │ │ │
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│カリンバの演奏手   │左│左│左│左│左│左│左│左│
└───────────┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

例2(→は伸ばす音)
┌───────────┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│拍          │い│ち│に│い│さ│ん│し│い│
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│発音         │3│→│→│1│3│→│→│1│
│           │ │ │ │ │ │ │ │ │
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│カリンバの演奏手   │左│ │ │左│左│ │ │左│
└───────────┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

例3(×は音板を押さえて音の伸びを止める:カリンバのみ)
┌───────────┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│拍          │い│ち│に│い│さ│ん│し│い│
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│発音         │3│×│ │1│3│×│ │1│
│           │ │ │ │ │ │ │ │ │
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│カリンバの演奏手   │左│左│ │左│左│左│ │左│
└───────────┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

例4(同時に弾く)
┌───────────┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│拍          │い│ち│に│い│さ│ん│し│い│
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│発音         │1│→│→│→│1│→│→│→│
│           │3│→│→│→│3│→│→│→│
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│カリンバの演奏手   │左│ │ │左│左│ │ │左│
└───────────┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

例5(通奏音のように)
┌───────────┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│拍          │い│ち│に│い│さ│ん│し│い│
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│発音         │3│3│3│1│3│3│3│1│
│           │ │ │ │ │ │ │ │ │
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│カリンバの演奏手   │左│ │ │左│左│ │ │左│
└───────────┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘

例6(オルゴールのように少しの間を開けて2音を鳴らす)
┌───────────┬──┬─┬─┬─┬──┬─┬─┬─┐
│拍          │い │ち│に│い│さ │ん│し│い│
├───────────┼──┼─┼─┼─┼──┼─┼─┼─┤
│発音         │13│→│→│→│13│→│→│→│
│           │  │ │ │ │  │ │ │ │
├───────────┼──┼─┼─┼─┼──┼─┼─┼─┤
│カリンバの演奏手   │左左│ │ │ │左左│ │ │ │
└───────────┴──┴─┴─┴─┴──┴─┴─┴─┘

例7(ワルツ風1)
┌───────────┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐
│拍          │いち│にい│さん│いち│にい│さん│
├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│発音         │1 │3 │3 │1 │3 │3 │
│           │  │  │  │  │  │  │
├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│カリンバの演奏手   │左 │左 │左 │左 │左 │左 │
└───────────┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘

例8(ワルツ風2)
┌───────────┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐
│拍          │いち│にい│さん│いち│にい│さん│
├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│発音         │3 │→ │1 │3 │→ │→ │
│           │  │  │  │  │  │  │
├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│カリンバの演奏手   │左 │  │左 │左 │  │  │
└───────────┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘

例9(3拍目裏で推進力)
┌───────────┬──┬──┬──┬──┬──┬──┐
│拍          │いち│にい│さん│いち│にい│さん│
├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│発音         │1 │3 │→1│1 │3 │→1│
│           │  │  │  │  │  │  │
├───────────┼──┼──┼──┼──┼──┼──┤
│カリンバの演奏手   │左 │左 │ 左│左 │左 │ 左│
└───────────┴──┴──┴──┴──┴──┴──┘

例10(OKINAWA)
┌───────────┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│拍          │い│ち│に│い│さ│ん│し│い│
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│発音         │3│5│4│2│1│→│7│5│
│           │ │ │ │ │ │ │ │ │
├───────────┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┤
│カリンバの演奏手   │左│左│右│右│左│ │右│左│
└───────────┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘


以上のように、単純なものだけでも沢山あり、まだまだバリエーションは広がりそうです。(例10はオマケですが。)
また、ブームワッカーでは慣れると同音や和音内でのトリル(ごく細かい交互の連打)による連続音の表現なども可能性があり、1和音2音というのも、そう捨てたものではなという感じがしませんか?
とはいえ、通常は 例1(交互に弾く)と 例4(同時に弾く)といったバリエーションだけでも十分楽しめるものだと思います。


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さてとうとう、8つのコードネームの演奏仕方をご紹介する段になりました。
8つを以下に再掲します。

C (I)、F (IV)、G7(V7)、G(V)、Am (VIm)、Dm (IIm)、Em (IIIm)、Bb (VIIb)

個別には以下の通りです。
(本稿初稿版の内容です。しばらく試して候補や優先順を入れ替えるかも知れません。)

【 コードネーム】  | 構成音 | 和音の数字表記


【 C 】  | ドミソ | I の和音
●第1候補
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│5│ │1│ │ │ │ │
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
●第2候補
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│ │3│1│ │ │ │ │
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
普段は1と5の第一候補だけで良いと思います。ちょっと他の和音へのつながりを良くしたいなとか、そういう工夫を試したい時に、時々1と3の第2候補を検討してみるのも良いかも知れません、という感じで書き添えました。


【 F 】  | ファラド | IV の和音
●第1候補

┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│ │ │ │ │ │4│6│
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
●第2候補
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│ │ │1│ │ │4│ │
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
たとえば1の音で他の和音と特に連続性を持たせた響きにしたいとかの場合には第2候補をどうぞ。演奏しやすさの利もあり、大体は第1候補で良さそうです。


【 G 】  | ソシレ | V の和音 ※ G7 (V7の和音) 兼用
●第1候補
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│5│ │ │7│ │ │ │
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
●第2候補
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│ │ │ │7│2│ │ │
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
大体は第一候補で良いのではないかと思いますが、V→ I の解決感の雰囲気やなにかの具合で、気が向けば第2候補もどうぞ。


【 G7 】  | ソシレファ | V7 の和音
●第3候補
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│ │ │ │ │2│4│ │
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
2音しか演奏しないという事を活かして、普段はGの第一候補とている5と7とを選択すれば良いと思います。ただしこの2音にはGと比べてG7独特の4の音が入っていませんから、そこの違いを強調したい時にはこの第3候補をどうぞ。隣同士なので、発音もしやすいです。


【 Am 】  | ラドミ | VIm の和音
●第1候補
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│ │3│ │ │ │ │6│
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
●第2候補
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│ │3│1│ │ │ │ │
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
第2候補ではCとの差を表しづらいかも。表したくない時には第2候補もどうぞ。


【 Dm 】  | レファラ | IIm の和音
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│ │ │ │ │2│ │6│
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘


【 Em 】  | ミソシ | IIIm の和音
●第1候補
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│5│3│ │ │ │ │ │
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
●第2候補
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│5│ │ │7│ │ │ │
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘
第一候補はCと区別がつきづらいものの、鳴らしやすい良さがあります。もしCの選択が1音と5音なら、Emは大抵、第一候補でも大丈夫ではないでしょうか。


【 Bb 】  | bシレファ | VIIb の和音
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│ │ │ │ │2│4│ │
└─┴─┴─┴━┴─┴─┴─┘


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初稿はとりあえずここまで。

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もしスリーコードだけで良かったら、もっと少ない音数で一曲伴奏できます。
バケツベースとか、両手でひとりブームワッカーとかに。

例1) 弦楽器なら開放弦が1の音のこれが良いのかも。1の音始まりで1オクターブ以内の楽器とかもこれかも。
┌─┬─┬─┬─┐
│1│2│3│4│ の4音を用意します。
└─┴─┴─┴─┘
 左 左 右 右 …………ブームワッカー両手持ちの場合の例。
             目の前の机や床や自分を叩いても、
             ブームワッカー同士を叩き合わせても良い。

【 I 】 ドミソ
┌─┬─┬─┬─┐
│1│ │3│ │
└─┴─┴─┴─┘
 左   右

【 II 】 ファラド
┌─┬─┬─┬─┐
│1│ │ │4│
└─┴─┴─┴─┘
 左     右

【 V7 】 ソシレファ
┌─┬─┬─┬─┐
│ │2│ │4│
└─┴─┴─┴─┘
   左   右

====================

例2) 同様の事は、たとえば次の4音でも出来ます。

┌─┬─┬─┬─┐
│1│4│5│6│ の4音を用意します。
└─┴─┴─┴─┘
 左 左 右 右

【 I 】 ドミソ
┌─┬─┬─┬─┐
│1│ │5│ │
└─┴─┴─┴─┘
 左   右

【 II 】 ファラド
┌─┬─┬─┬─┐
│ │4│ │6│
└─┴─┴─┴─┘
   左   右

V7 】 ソシレファ
┌─┬─┬─┬─┐
│ │4│5│ │
└─┴─┴─┴─┘
   左 右

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例3) 下の7の音が用意出来るならこういう組み合わせも出来ます。IIImが出るのでおすすめです。管長が短い音域のブームワッカーでは発音音量が小さいので、1の音と5の音とで I の和音を作るよりは、1の音と3の音とで I の和音を作る方が(5よりは3の方がに管がが長いので)響きが良いです。管長が長い音域のブームワッカーでは特に気になりません。

┌─┬─┬─┬─┐
│7│1│3│4│ の4音を用意します。
└─┴─┴─┴─┘
 左 左 右 右 ……ブームワッカー両手持ちの場合の例
  目の前の机や床を叩いても、ブームワッカー同士を叩き合わせても良い。

【 I 】 ドミソ
┌─┬─┬─┬─┐
│ │1│3│ │ 
└─┴─┴─┴─┘
   左 右

【 II 】 ファラド
┌─┬─┬─┬─┐
│ │1│ │4│ 
└─┴─┴─┴─┘
   左   右

【 V7 】 ソシレファ
┌─┬─┬─┬─┐
│7│ │ │4│ 
└─┴─┴─┴─┘
 左     右

【 IIIm 】 ミソシ
┌─┬─┬─┬─┐
│7│ │3│ │ 
└─┴─┴─┴─┘
 左   右

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とか。

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