■コラム05|CubeMicと他の収音方法の併用

現実的には、良い収音結果をCubeMicだけを用いて実現しようとする必要はありません。CubeMicだけの方が良い結果になる事もあるでしょうし、他の方法と併用する事でもまた、良い結果を得られるかも知れません。
例えば、ピアノやドラムセットが至近距離からと遠距離からのマイクロフォン収音を併せて用いる場合の様に、また、アコースティックギターがピエゾピックアップとコンタクトマイクとを併せて用いる場合の様に、そうやって収音にCubeMicとマイクロフォンとを併用するというのは、検討の価値のある選択肢です。
近中距離からのマイクロフォン収音信号からは膜以外からの発音や環境と響き合う様な雰囲気の音声を活用し、また楽器直接取り付けたCubeMic信号からは、膜を直接叩く音のガッツあるエッセンスや指奏での細やかな演奏音を収音して、これらを併せて活用するというのも、とても良い手法ではないでしょうか。ほぼ生音で演奏する場合に、補足的にCubeMicから得られた音を付加するというのも良いやり方でしょう。
フレームドラムの収音方法については保留した場合でも、実際の演奏環境では多くの場合に、シェイカーやカウベル、シンバルといった他の打楽器のためのマイクロフォンはきっと必要になるでしょう。ですから、フレームドラムの収音でCubeMicだけを使う時もCubeMicとマイクロフォンとを併用して収音する時も、道具立てとしてはあまり変わらないかもしれません。両方を柔軟に活用するのが良い結果への近道でしょう。
シンプルな道具立てなら「何をマイクロフォンの近くで演奏して、何をマイクロフォンから離れて演奏するか」というだけの事で、両者を使い分ける事が出来ます。要はこれらは、奏者の演奏の目的意識と計画にかかっている話なのだと思います。目的を見定めて、収音方法も柔軟にお試しになる事をお勧めします。

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