28 Mar 2019 ひょうたんを使ったスピーカー
しばらく前から具合を試しているスピーカがあって、それの調整がなんとなく落ち着いてきたので、ひとまず投稿します。
これは、SNSなどで「純セレブ教」「純セレブスピーカー」というふうにアイデアや手法などを投稿されている皆さんがいらして、そのご活動に影響を受けて実行したものです。
とはいえ、僕はそのお仲間に直接知己がある方がいたりするわけではありません。ただそれを偶然目にして知って、それらに触発されて作ったというだけです(今回のひょうたんのものがその1台目ではないですが、これの前のはnoteの記事としてはいまのところ投稿してないです)。
「純セレブスピーカー」のやり方としては、段ボールやあるいは紙を整形した容器(少し変わったところではだるまを利用したものが特に好評のようです)を使われていることが多いなか、今回のは、ひょうたんという、少し丈夫で響きの良い容器であるところや、スピーカーユニットに重りがつけてあるところなど、純セレブスピーカーとしてのよくある方法に準じていない部分があります。
ただ、容器が転用であるとか、その中に紙が詰めてあって響きの直接がされているところ、スピーカーユニットを容器としっかり留めていないところなどは「純セレブ」的です。
(リサイクルのスピーカー作りに端を発して始まった「純セレブ」という呼称などの、「純セレブとはそれぞれの手法のことではなく前提の大きな調和的な考え方のことです」みたいな解説もネットで読めますから、ご興味お持ちの方はそちらをどうぞ(たとえばこちらなど)。)
今回スピーカーに用いたひょうたんは、飾り用に表面が塗って整えてある、以前に古道具店で出会って「いつか楽器かスピーカーにしよう」と思って買ってとっておいたものです。今回それの口を大きく切り直して、スピーカーユニットをはめています。
浅知恵が組み合わせてあるだけなので見る人がご覧になれば元ネタだらけですが、一応以下に、やってあることやその感想などを書きます。
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・スピーカーユニットはちょっと奢って、10cm(4インチ)金属コーンのものにしました。
・揃いのひょうたんがないということもありますが、もともと音楽にも楽器にも使えるスピーカーが欲しかったので、モノラルです。今は主にタブレットやPCからのソースを安価なデジタルアンプ(25Wのもの)に通してから鳴らしており、再生の段階で出力をモノラルにしています。
・スピーカーユニットは、今はひょうたんとはくっつけていません。これはまだ中の紙を時々いじっているということもあるのですが、「純セレブスピーカー的には留めないで済むなら留めなくて良いんだろうな」という気持ちと、「楽器用に持ち運べるということを期待するなら何か良い留めかたを導入する必要があるな」という気持ちとの両方とがあります。スピーカーユニットとひょうたんの隙間にははじめ、シリコンの丸紐をぐるっと一周挟んでいたのですが、ここまで段々とスピーカーユニットが鳴るようになってきたり、鳴らすソースによって(主に中音域ですが)共鳴で強調される部分が気になってくるたびに中の紙を調節しているので、使っていた簡単な両面テープではシリコンの紐はすぐに外れてしまうようになり、中へのアクセスが落ち着くまで使うのをやめました(どんな具合か写真にだけでも残しておけばよかったのですが、撮り漏らしてしまいました)。
・ひょうたん素材×ひょうたん型は、どうも中音域の共鳴の癖が強く(それを利用して楽器にするくらいなので当然なのだとは思うのですが…(笑))はじめのうちはスピーカーユニットもまだあまり鳴りがよくなかったことも重なったようで、紙を沢山使うと、音の存在感だけはとても良いものの中低域が全然出なくて、しかし中に詰めた紙を減らすとギターの低音や弦のベースだけが(それでもあまり嫌な音ではないのですが)他よりもずっと大きくなって、「うわあ期待が大きすぎて失敗かな?」という感じだったのですが、ユニットの動きが良くなってきた1週間〜10日くらいからホッとする感じになってきました(使いはじめだけは出かける時にピンクノイズを再生しておくなど試しましたが、面倒さから、すぐにそれはやめてしまいました)。
・中に詰めている紙はA3のコピー用紙(上質紙)とカレンダーの紙が主で、張りのある紙質です。わりと強く捻ったものばかりが残された感じになりました(途中では中低音域を抑えるには良いのではないかと考えて柔らかい紙や緩くくしゃくしゃにした紙なども試したのですが、段々使わなくなって今に至っています)。
・設置については、今は頭より少し上にスピーカーユニットが来る位置(下の膨らみが頭くらいの位置)になるあたりの紐の長さで天井から吊るすようにしています。壁からは少し離しています。今後は、吊るすのと地面に置くのと両方ができるように、ゴム脚をつけることも考えたいです。
・スピーカーユニットのすぐ上にカットしたひょうたんの先(輪切りなってしまったのを再度接着してあるものですが)をつけてもそれはそれで定位の感じが良いので、常設にするかしないか、もしするとしたらその時にはもう少し機能的に整形するか、そういうことも課題になっています。それとは別に、スピーカーユニットのすぐ上に園芸用のプラスチックネットを切ったものを付けています。
・スピーカーユニットにはつば付きのナット部品(机の脚などに使うような金属パーツです)を接着して、そこからネジ部品を伸ばして、さらにその先の袋に鉄釘を詰めたものをぶら下げています。量ってはいないのですが、500gの鉄釘を買って余らせたので、400g前後かと思います。なるだけ重くしたかったのですが、ひょうたんの首部分を通すには今の容量で精一杯です。今度、釣り具用などに売られている鉛の粒の重りが手に入ったらそちらを試そうと考えています。
・ターミナルは、完全に仮留めのままになっています。今度、隙間を埋めるパテを買うなどして、見かけを良くしたいです。
・ひょうたんは、高さが約40cm、上の胴回りが約52cm、下の胴回りが約72cmです。 スピーカー全体としての今の重量は(これは計量が本当におおまかですが)1.3kgくらいみたいです。
・うちにある楽器用のアンプ付きスピーカーと比べて、このスピーカーでの中音低域の音は間延びするようなことがなくて、また大太鼓やフロアタムの皮の動きみたいなものの気配が感じられて、その点ではとても気に入っています。しかし一方で「低音のサイズ感みたいなものが小さいなー」という風にも思っています。もし底にでもコインくらいの小さな穴でもあればもう少し低音楽器のサイズ感みたいなものが出るだろうか? というふうに思いつつ、しかし開けてしまうと元には戻せないので、その点で逡巡しています。
・ひょうたんの素材は鳴った時にやはりひょうたんの音がするみたいで、ある種の人の声や、バイオリンなどの弦楽器に備わった胴の鳴りみたいな感じの音源には「どうもひょうたんの音が伴っているかな?」というような印象も、少しですが、持っています。いまこのスピーカーを鳴らしているのがすごく物が多い和室なのでルームリバーブみたいなのはあまりないのですが、ひょうたんからちょっと音に色がつくようなところが少しだけあります。この辺りも中に詰めた紙の調整でさらに解消できたら良いのですが、そこはまだ課題です。ただ、「これはこれで良いかな?」という感じもする程度のものです。
・軽量さと丈夫さ、そして見かけを好ましく感じてひょうたんを使ったのですが、同じようなことをするなら、首のないひょうたんか、夕顔などの方が音の調整がしやすいかもしれません。また、スピーカーは楽器とは違うので素材自体の味があまりポジティブには感じられない方が良いと思うのですが、ひょうたんを試すことで逆説的に、ダンボールや和紙球、だるまなどで良い結果が報告されていることに、なるほどという感じを持ちました。ひょうたんを直接スピーカーにせずに、それを型にでもして、ちぎり紙を整形した素材でひょうたんの形を作ったらどんな音の感じだろう…? みたいなこともちょっと考えたのですが、そうやる場合には今回のような重さを掛けるスピーカーユニットのやり方が使えないかもしれず、「それならいっそ床まで軸を繋いでしまうというのはどうかな?」みたいな想像はしています(まったく全然、想像だけなのですが…)。
・さいごに、全体的な音の印象についてですが、この前に組んだスピーカーもこのスピーカーも、音源の中でハイハットの存在感や手触りみたいなものが滅法良く、それに引きずられて関心が続いているようなところがあります(あとタムなんかも音程以外の質感みたいなものの動きがふと感じられることがあって、それでよくハッとさせられたりしています)。「この高音域の謎の良さを生かしたまま、今のようにスピード感がある低音がもう少しビッグになってくれたらそれは最高じゃん?」みたいな感じですが、何にしてもこの高音域の良さみたいなものが音源の中の距離感とか存在感とかを実現してくれているような感じがあり、それで今のところ、アコースティックなアンサンブルもエレクトリックなアンサンブルも良い感じです。もしこの高音域の手触り感と引き換えにになってしまうなら低音の量感みたいなものを無理に求めようという気にはならないといえるほど気に入っています。ただ、会話とかごく小さい規模のアンサンブルの音源では中音域の癖のようなものがまだ時々気になったりするので、そこはもうちょっと解消できたら良いなと考えています。
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以上、思いつくままに書き連ねました。まだ調整が続いていますが、完成を急ぐ必要もないので、のんびりと続けたいと思っています。
今回の文章は、フィードバックを兼ねてfacebookにある「純セレブ」のグループに投稿したので、同内容をnoteにも書いた感じです。そこから、note用に独立したものになるように、内容は少し書き加えています。
この項、だいたいそんな感じです。
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