補足部|【1】音響処理についての茶飲み話諸々|【補2】プリアンプ周辺の話題

まず「アンプ」というのは、入力された信号の形や性格をそのままに大きく増幅してから通す装置全般の事を言います。楽器関連のシステムには小さいところから大きなところまでいくつかアンプと呼ばれる役割の製品が登場するのですが、扱う信号が微細だとか大きいとか、単純な機能だとか複合的な機能だとかで、それぞれ何々アンプと呼び分けられています。どれもアンプで間違いないのですが、目的や備わっている機能セットごとに別の名前で呼ばれていますから、もし内容までわからない時には、別の呼び名のアンプ同士を交換して使わないのが無難ですよ。楽器の分野では何にでも使える製品よりも、場面ごとに特化する事で調整や結果を得るのが簡単という性質の製品が重宝される傾向にあります。

さて、そんな中でまずは「プリアンプ」をご紹介します。これは、前処理専用アンプです。例えれば、音の下ごしらえと言えます。ギター類からの電気信号やマイクロフォンからの電気信号は、演奏でやりとりされる電気信号の中でも微弱な方のグループにあたります。CubeMicもこのグループです。そういったグループからの電気信号を最初に受け取る事に特化しているアンプがプリアンプです。これから機材を用意しようという人がこれ単機能の製品を購入するという事はあまりないかなと思うのですが、ギター類やマイク類を接続する様々な機器にはプリアンプ機能が備わっているものが多くありますから、まずご紹介します。「マイクアンプ」というような呼称になっている事もあるかもしれませんし「GAIN」というラベル表示になっている機器もあるかもしれませんが、大体同じ役割の機器、あるいは機能です。

何事も、事が進んでから折り合いを付けようと頑張るよりも、そもそもの素性を雑に扱わない事が、結局はかかる手間も少なくて、また良い結果を得られやすい様です。音声信号についてもその様で、「収音したはずの楽器の音が性格良いままで丁寧に扱われるだろうか」とか「余計なノイズ信号が混じっていないだろうか」とか、そういった事はプリアンプ機能がしっかりしているなら安心出来るという事になります。もし機材不足でその他の機器に直接入力したものの「あれえこの楽器はこんなに頼りない音でしか収音出来ないのかなあ」という事になった場合は、もしかしたらプリアンプによる丁寧な前処理が足りないという事かもしれません。

ちなみに、足下に置くギターエフェクター製品の多くは、エレキギターから出力された信号を前処理無しで受け取るように設計されているものがほとんどですが、それでもアコースティックギターをマイクロフォンやピエゾピックアップで収音し、こういったエフェクター製品に入力したいという時には、やはりプリアンプに該当する製品が必要になることがあります。これは同じく出力信号が小さめなグループのCubeMicでも同じ事が言えそうですから気に留めておいておかれると良いかも知れません。

こういった製品に電送ケーブルをつなぐための端子は共通の形状ですから、信号が適切な時にも不適切な時にもプラグだけは接続出来ます。ですから接続した見た目だけでは、それらの機器同士は問題なく使用出来る組み合わせなのかという事の判断が付きかねますよね。
将来不足を感じるかも知れない時のために、プリアンプという言葉を、ぜひ記憶なさっておいて下さい。

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