補足部|【1】音響処理についての茶飲み話諸々|【補3】楽器用アンプ

さて、折角なのでその他のアンプとして「楽器用アンプ」についても簡単に触れてみます。

ここで「楽器用アンプ」とひとくくりに書いたのは、例えば「ギターアンプ」とか「キーボードアンプ」とか、楽器の種類の名前とセットになって呼ばれているもの全般の事です。それぞれの製品ごとに特色がありますが、呼び名の楽器名ごとに、共通の傾向があります。ここでは楽器用アンプとして扱いますがこれを「コンボアンプ」と呼ぶと、ちょっと通っぽいです。でも、特に覚えなくて良いと思いますけれども。

電気楽器や電子楽器の奏者は、こういったアンプ製品を楽器の一環として個人で所有していたりしますが、その他にもライブハウスや練習スタジオに備わっていて、借りて使うことが出来ます。

楽器用アンプはそれぞれの楽器ごとに適した性質の音を扱うことに特化しているのが普通で、たとえば一般には、ギターアンプにベースギターを入力して演奏しても、期待するようなベースらしい音は再生されません。ベースギターはベースアンプと組み合わせた場合に、期待される様なベースギターらしい振る舞いをします。

この楽器アンプの特徴は、アンプという呼び名で通ってはいますが、アンプ機能以外に沢山の機能が備わっているところです。
製品によっても異なりますが、その楽器に合った「アンプ機能」「イコライザー機能」「エフェクター機能」「スピーカー機能」などがひとまとめになっていて、一本の電源ケーブルを挿して、一本の楽器入力をすれば、それだけで使えるようになっています。その楽器らしいふるまいのための音の調整機能とその楽器らしい音の再生との両方を不可分に担っているので、楽器アンプは楽器の一部と言える役割を果たします。
残念ながら「ドラムアンプ」というのは一般的には無いですね(電子ドラムのために一部では製品化されています)。打楽器や人の声などマイクロフォンで収音された電気信号は、通常は、前述のPAシステムに接続して、そのスピーカーから、整えられて大きくなった音が再生されます(ちなみに、楽器アンプの再生音量では足りないような場合にも、楽器アンプの音をあらためてマイクロフォンで収音するなどして、やはりこれをPAシステムに接続します)。

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