160504 スタンド付きの練習台でドラムキット演奏に活きるエクササイズをする話 (など)

別稿『160425 16ビートを練習しているのだけれど、という話に関連して』からの派生でもうひとつ書きます。

今回はこのあたりから。

https://twitter.com/tricken/status/725990818520043520


これに対して「十分使えますよ」とひとことで答えるには、そこに前提になる事柄が多いように感じられて、また、レジュメ的なものを用意する事になりました。

結局、話題は「練習台でドラムキット演奏に慣れ親しむのに、椅子とキックペダルはどうすべきか」という事から、「練習台でドラムキット演奏に慣れ親しむのに、椅子とキックペダル無しでもやれる事はあると思ます」という話になったと思います。

(この話題と直接関係ないのですが、もし普段から楽で良い姿勢という事を気にされている方なら、ドラムイスを買って、それをデスクワークに使うのも良いですよ。ダレずに姿勢を維持しやすいとか、あるいは、自分の体を点検しやすいような気がします。ただ、デスクワークとドラム演奏とでは、最適高さは異なります。)

そういう訳で、今回も公開します。

(なお、@tricken 氏は、ファンク/ロックへのリスナーとしての興味から、リスナーとしてドラム演奏への理解を進めたいという方でして、「ここまで演奏出来るようになりたい」という事柄の射程はひとまず遠くなく、おそらくそれよりも、感じを体感して言語化したいという事柄に大きな価値を置かれています。その事で、こういう話が好きな僕に絡まれているという事があります(笑)。)


         ★   ★   ★   ★   ★


1)前述の通り、今回の出発点は『普通のデスクワークの椅子を調整したりしてドラムキットの練習に使えるか』というところですが、僕はこれをこの話における問いの設定としては用いませんでした。
ここから再設定された問いは『練習台でドラムキット演奏に慣れ親しむのに、椅子とキックペダルはどうすべきか』という、少し範囲の広いものです。その設定の上でのみ、(あるいはその過程で)『普通のデスクワークの椅子』の話にも答える事が出来そうだったからです。

なぜなら、以下の2ページ目で触れていますが、ドラムキット演奏においてフットワーク周りというのは、簡単に大きく答える事ができない、特に複雑な話題なのです。単純に答えて誤解を残したくないという一方で、そこについて考えるという事は、射程の長い問題意識への導入としてとても良いという感じもあります。

2

3

簡単に抜き出すと、練習台を使った練習に椅子とペダルがあるなら、前提に実際の楽器(アコースティックにしろエレクトロニックにしろ)との体験が要ると僕は思うよ、というというところです。

で、そういった基本的な理解の上で、演奏や練習の時にその場しのぎに事務椅子なりバケツなりに座るのは、それはそれで良いと思いますよ、というのが次のページでの記述です。


4



         ★   ★   ★   ★   ★


そんな訳で、実際の楽器の機微を前提にせずに、しかし実際の演奏に繋がる「感じ」を体感するためのエクササイズを、以下に、僕なりに考えてみました。椅子とかフットワークとかはあくまで手段として位置づけて、こっちの内容から得られる「感じ」を目的に近いところに位置づける事が出来るなら、取り組みが目的意識や問題設定と呼応してしっかりワークするだろう、という考え(期待)があります。

(実際には「考えて」もいなくて、今回の話の流れに乗って、思つくままに書いて挙げただけですけれども……。)

そういう訳で、まず5ページ目と6ページ目では、立奏のままで足も動かして、その事で、ロック/ポップ的なドラム演奏の型に繋がる「感じ」を見つけて頂きやすいかも知れないという、練習台の前での体の動かし方例を挙げました。

先回りして書くと、ほとんどこれ結果として、「ダンス」なんです。タイミングだけの「律動体操」ではない、ビートのあるダンスと地続きです。そんな感じで、基本的には体のこわばりを廃しつつ、いろんな速さやいろんな気分で、楽しくお気楽にどうぞ。


5

6


で、次に、そのための練習例も挙げてみました。

ビートの流れの中で手足を動かすのに慣れたら、これらの中のフレーズをより多様にしたり、拍子を3ビート、4ビートのものに拡張したり、1拍を八分音符や一六分音符の複合拍子としてより実際によく耳にするようなロック/ポップスの演奏の型に近づけてみるという事もしてみても良いかも知れませんし、4ページ目9例目の入れ替えフレーズを拡張してみるのも本格的な練習の域の話題だなー、なんて思います。でもま、ひとまずこれで十分すぎるくらい沢山である気もします。

なお、例にあるカウント(左足)やハイハットシンバル(右手)の「拍のオモテ」と「拍のウラ」は「イーブン」だけでなく、様々スイングした感じでお試しになるのも、とっても良いと思いますので、余裕が出来ましたら、是非それもどうぞ。
(「イーブン」というのは、カウントを「いちにいいちにい……」と数えるやり方の事で、スイング(あるいは「シャッフル」や「バウンス」)というのは、「いーちにーいいーちにーい……」と数えるやり方の事です。)


1

2

3

4 例9の譜面の横に「左手」とあるのは誤記で、正解は「左足」です。拍をカウントする左足の事です。


はい、そんな感じで。

以上です。


(ツッコミやコメントやご疑問は、歓迎します。)

※06MAY16 数カ所の言い回しを書き直しました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?