この春から自炊を初めてまだ上手くいかない人へ、の続き
この話題2回目。
前回がサイズの話だったので、今回もそれを引き継ぎます。塩の量の話にしますね。
塩の量はだいたいいつも同じくらい、って思って良いと思います。基準値があって、そこから他の要因を鑑みて調整するという視点でやります。でないと、味を見ながらやってるとキリが無くなっちゃって、結局調度良いところで止まらないんじゃないかなあ、最初は。
具体的に言うと、僕の食事量の場合は、ふたつまみ半という風に思っています。ひとつまみは、親指と人差し指と中指のさきでふわっとつまむくらいの量です。
で、たとえば具入りのスパゲティーをつくるとします。今回はどんとこれだけの食事です。午後から出かける休みの日のブランチとかね。
読み飛ばして結構ですが、一応エクスキューズも書いておきます。
【塩について】
うちの塩はあらしお株式会社というところの「あらしお」です。簡単に言うと近所のスーパーで一番手頃な天日海塩で、ちょっとだけしっとりしたやつです。塩化ナトリウムの割合が多い食卓塩はサラサラだし安いしで便利なように思われるかもしれませんが、家の料理ではそういうひとつの機能に的を絞ったものよりは、ついでの効果にもちょっと期待できるものの方が勝手が良くて、その中で手頃なものを選びます。そうでないと、やたらと調味料が必要になってしまいますからね。それで、その目的に調度良く感じているのが、うちでは近所のスーパーのお天日海塩ということです。
具体的な「ついで」にはここでは全部挙げたりしませんが、食卓塩よりもこっちのほうが味見で調整しやすく間違って入れ過ぎないという効果があるように思いますよ。少しづつ加えていって「もうやめよう」と味で判断するような時に、不慣れでもわかりやすいと思います。ここで入れ過ぎないというのは漠然と健康のためという事ではなくて、もちろん、おいしい食卓のためです。でもご実家がまとめて送ってくださった塩があるとか、ご実家と同じ塩が使えるとかなら、それを使うのが良いです。家庭の味です。
【出来上がりの量について】
僕の場合ということですが、少し大きめの縁のある平皿を主につかっています。パスタとかカレーライスとかはこれで済ますことが多いな、という直径20cm強 (ごめんね測ってないです) のお皿です。麺碗で汁物にする時にもだいたい同等の考え。うどんとか。もっと小さいお皿のための料理なら、それに併せて想定量の全体の塩の量を「ふたつまみ半」から減らして考えます。
【つかうスパゲティーの量について】
しっかりめの量だなという今回で乾麺 130g程度でした。普段は握った感じの適当な量で出してるのですけれども大体同じです。もっと食べたい時にはこれ以上麺を増やすよりも他のオカズを増やした方が良いんじゃないかなあって思いますけれども、まあそれは別の話ですね。
詳細説明終わり。さて、実際に追ってみます。
塩を入れたお湯で乾麺を茹でるのですけれども、ちょいと今日はこの塩を濃いめにしてしっかりした麺の味付けにしようかなという気分になったりします。そしたらまず麺についてくる塩気が増すという事ですから、ソースの方ではさっきの「ふたつまみ半」と想定してある塩の量からちょっと減らす(※1)ことにする訳です。この様に「ふたつまみ半」はソースと麺に使う全部のしおっからさの量というイメージで、適宜、その料理の状況に併せて、この「ふたつまみ半」をその時の適正値を考えなおす訳です。ただ、麺についてこない分の茹で湯に入れた塩の事は無視しますよ。
で、今日はオリーブオイルをニンニクと唐辛子でよく風味付けしたソースにするのですけれども、特別唐辛子の辛味が効いた感じにしたいなとします。そうしたら、その分も塩の想定量から減らし(※2)ます。辛味は塩気じゃないのですが、塩気が足りないのを補うので。ここまでの(※1)と(※2)で「ふたつまみ半」から減らして「ふたつまみ」くらいにしようかなあというところです。
でも具にはにんじんとシーチキンを使おうと思っているのですが、ちょうど手元にあった人参の大きさの都合で、ちょっと具が多くなっちゃったなという事もあります。そうしたらその分は塩を足そう(※3)かな、ということになります。ここ(※3)でまた「ふたつまみちょっと」の想定になります。
で、総量が「ふたつまみちょっと」という方針で進めて行くのですが、これは一度に全部は、ソースをつくる鍋に入れません。決め打ちである程度の量を入れておいて、仕上げに味を見ながら残りを足して調整するという二段階にします。
ここがコツといえばコツなのですが、味を見ていて「もうちょっとかな?」と思っても、合計が最初に決めた「ふたつまみちょっと」を超えないようにします。味を見ながら塩を足していると、その料理に慣れないうちは、つい入れすぎたりしがちなものです。足りなかったらお皿でも足せますし、それで不満にならない程度にはもうしっかり味がついています。でも大体は、そこでやめておいて問題ない味なのです。あとで食べてみると。
「決め打ちである程度の量を入れる」のと「仕上げに足す」のの分け方についてですけれども、慣れてたら「半つまみ」くらいを仕上げに残して、あとは先に「決め打ち」します。その料理に慣れてなかったら「ひとつまみ」は残して良いと思います。多めに残します。残した仕上げの量は、指先に「少々」の塩をほんの数回にわけて味見をしながら程よいところまで加えます。しかしこの調整はほんの数回で終わらせます。数回超えたら、足すのを諦める、ということです。短く何度も味見すると味がわからなくなっちゃうのが普通なので。
さて、そんなとこなんですけれども。わざわざ書くと妙に長くなるのですが、目の前で説明するとちょうどふたつまみ半くらいで済みそうな内容でした。
他のよく作りがちな料理の例もいくつか書いてみるつもりでしたが、スパゲティーの例だけで随分長くなってしまいました。でもまあ、同じです。まず「ふたつまみ半」から状況に応じて増減した全体量を決めておいて、それをひとつまみくらい残して料理中に入れ、そのひとつまみくらいは、出来上がりの仕上げに少しづつ加える、という事です。これはもう、ひとりの自炊の小さな鍋の料理においては、ほぼ共通であると思って良い気がしています。
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