■コラム34|手を掛けた方が面倒がなくなる(事もある)

こういった「機材が増える」とか「操作が増える」といった説明をはじめて目にされると「とにかく面倒そうな事で嫌だな」とお感じになる方もおいでかも知れません。もしかすると「そのまま何も加えないのが一番良いんだよ」なんて極端に走った意見を信じたくなるかも知れません。

しかし、これは実は逆かも知れないという事も、最後に付記しておきたいと思います。「一番良い」のは「良い音」で「良い演奏」ですものね。

もし折角CubeMicと多少のエフェクターを導入しても、「会場に合わせた微調整が出来ないシステム」や「ちょっとした操作に手間を取られる中途半端なシステム」が理由で、「やってはみたけれど用意した準備を演奏で活かしづらくて、現場ではあまり良い手応えが得られない」という事ではとても残念です。「条件さえ合えば良い音がする」というだけでは、そのシステムは生演奏向きとは言えないですものね。活躍出来る条件を広げるためにこそCubeMicが活かされたいところなのですから、機材を整えて現場での微調整を簡単にするというのは大事な事です。機材や設定を吟味して、演奏にまつわる不満やストレスをより減らすシステムかどうか、という事を第一に考えるのが良いと思います。

「条件さえ合えば良い音がする」というのは、CubeMicを導入する前は、そもそも毎回がそういうものだったかも知れません。しかし「何も加えないのが一番良い」というのは本当でしたか? 計画通りというのが全て良い事だと言う訳ではありませんし偶然は楽しむべきものですが、目指すものがある時こそ、やってみた時の良い手応えが生じるというものですよね。そして、目指すものを良く見定めるという事は、そのために必要な機材を良く検討するという事でもあります。こういった検討に事前に手を掛ける事で、演奏の場での自由さや気楽さはきっと増す事でしょう。足すことや手間を掛ける事は荷を背負う事とは限りません。それは、目標がある場合には、障害物ではなく、目標への乗りものにさえなってくれるものではないかなと思います。

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