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古本歩紀 10

北海道は一足お先に冬が来た様です。
朝の珈琲がありがたい。
土曜の昼下がり高校受験を控えた次男坊と
俳句遊びをしてました。自作を一つ。
路地裏の 猫にあくびを うつされて。
お粗末。

フルホンアルキ10
季刊『ふでばこ』27號
ふでばこ編集部 著
発行元 株式会社 白鳳堂
2013年 定価1,800円

 熊野筆のメーカー白鳳堂さんが出している季刊雑誌。特集は砂糖。シュガーロードを辿る砂糖の歴史や南蛮菓子の紹介、そして産地と生産現場。古今の砂糖にまつわるアレコレが内容濃く編集されてます。南蛮渡来の砂糖が日本で独特の発達をした過程やポルトガルの菓子切手など、甘くて深い砂糖物語がふんだんに用意されてます。ふでばこ編集部さん凄い!この様な雑誌を出しておられる白鳳堂さんの企業姿勢は素晴らしいと思うし、芳醇な文化の香りがします。

 かつては企業のPR雑誌やタウン誌が結構な数出てました。現役なのは資生堂の『花椿』や『銀座百点』、蕎麦屋さんで見かける『新そば』などでしょうか。廃刊した明治屋の『嗜好』サントリーの『洋酒天国』などの小冊子の数々。菓子舗の鶴屋八幡がスポンサーの『あまカラ』は執筆陣が豪勢で、小島政二郎氏を筆頭に執筆陣が綺羅星の如く並んでました。明治製菓の『スヰート』は大正15年発行でPR雑誌の嚆矢と言えます。歌舞伎評論家で作家の戸板康二氏が編集に居たそうで、彼のエッセイにも時々出てきます。この雑誌は古本屋でも見かけることが無くて、実物を読んだ事がありません。タダイマ探索ヲ継続中…。企業文化誌などとも呼ばれたPR雑誌も最近はあまり見かけなくなりました。寂しい限りです。

イラストがかわいい音威子府羊羹。よもぎが練り込まれています。午後はのんびり読書とします。
では。

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