コロナ変異株に"置き換わる"??

2021年5月、国内のコロナ・ウイルスがインド型の変異株へ「置き換わっている」とさまざまな政治家、メデイア、専門家が述べている。

当然だが、今そこにいるウイルスが「置き換わる」などということはない。「置き換わっているように見える」だけなのだ。「置き換わる」には政治的な責任逃れの意図を感じずにはいられない

まるで、「感染力が強いから『置き換わった』のであって、私(政治家、国会議員)には責任はありません、生物学上の問題です」と主張しているかのようだ。

しかし、当たり前だが、インド株は基本的にインドなり海外から入り込んだのであって、この蔓延は日本の検疫、それをコントロールする行政と立法の責任である。もし渡航者からの感染を100%封じていたなら、変異株への置き換わり、なんてほぼ起こらない。輸入品から感染することがあるなら話は別だが。

検疫のコントロールは一体どうなっているのだろう?

そもそも、コロナ感染がダイヤモンド・プリンセス号で起こったとき、日本は人流をきちんと止めていれば、もしかしたら国内の感染は防げていたかも知れない。今ごろそれを言っても恨み節になるだけなのはわかっている(※)。

しかし問題は、あれから1年以上経った今でも、検疫が不完全なせいで、インド型変異株がいいように入り込んでいることだ。検疫vs人権が、法律上難しい扱いになるといっても、その法律を変えるのが立法府の責任なのであって、これについて最終的に言い訳はできない。

すなわち、変異株流入・蔓延は政府の責任である

これをマスコミはもっともっと、きちんと報道しなければならない。マスコミが「変異株に置き換わってます、皆さん気をつけましょう」だと⋯⋯。もう、頭かかえるしかない。

(※)あの時、安倍元首相が、中国人観光客のインバウンドを止めなかった責任は大きい。さらに、2020年7月開催予定のオリンピックを見越して、感染者が多数にのぼる(ように見える)のを恐れ、すべき検査を押さえ込んだ。検査が蔓延防止に効果がないとの見解を、狭い視野しか持たない、論理バカの医学者・科学者たちが捕捉した。検査については今に至るまで、その方針を引きずって、政府は責任逃れしている。さらに安倍元首相は、この国家の重大時に、自分個人の醜聞から逃れるために病気早退。菅官房長官を後釜に据えた。一体菅氏に、国家的危機を救う重大決断を矢継ぎ早に行えるだけの手腕があると、本当に考えただろうか。

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