【須坂市職員インタビューvol.2】街の声をかたちにするため、縁の下の力持ちでありたい(寺沢 隆宏さん)
「やまじゅうがやっと目に見える形に出来上がって、ほっとしたような、嬉しいような。でもまだまだ、これからがスタートです。」
そう話すのは、須坂市役所 社会共創部文化スポーツ課 課長補佐の寺沢 隆宏(てらさわ たかひろ)さん。
2022年3月まで産業振興部商業観光課に在籍していた寺沢さんは、やまじゅうの計画がはじまる前からこのエリアに携わり、熱い想いを持ってまちづくりを進めてきたひとり。「どのようにしてやまじゅうが生まれたのか」「実現させるまでの想い」などをお聞きしました。
現場の声と行動力、センスが交わるまちづくり
商業観光課に配属されてから、まずどんなことから始めたのでしょう。
「私は以前、民間の長野経済研究所に出向していたのですが、そこで街の声に触れ、多くの視点を入れる大切さを実感しました。商業観光課でまちづくりや産業振興をしていくためには、現場の声が欠かせないと思い、まず始めたのは、自分が街に出て、人と話をすることです」
いろいろな声があったと想像します。印象に残っているものはありますか。
「どれかひとつということではありませんが、重なるうちに、”これはあの人に聴いたように、こうしてみたらいいのかもしれない”という想いがいくつも生まれました。同時に、市役所だけではなく、行動力やセンスを持った人材が必要だと感じたのを覚えています。
そこで、他の課で行っていた地域おこし協力隊制度を活用し、市所有の物件を使ってコミュニティスペースを設けることにしたんです。やまじゅうの”飲食・製造スペース”の前身ですね。同じころ、店舗・交流スペースがある建物の大家さんから、建物を市に寄付したいという申し出があり、ピースが揃いはじめました」
有効な支援には、さまざまなノウハウが必要
ピースが集まり構想が動きはじめるには、何かきっかけがあったのでしょうか。
「象徴的なきっかけというよりは、集まってきた声の裏側に、まちを再び元気にしたいという想いがあることに気づいたのが、はじまりだったように思います。より効果のある支援、施設を多くの人と考えたとき、浮かんできたのがやまじゅうの構想でした」
チャレンジショップを指定管理に出したのはどうしてでしょう。
「仕組みを調べていたときに、各地に出来始めていたチャレンジショップの事例を見つけて、今の須坂市に必要なのはこれかもしれない、と感じました。ただ、スペースを貸すだけでは、形だけのチャレンジはできたとしても、良いのか悪いのかフィードバックがありませんし、改善のために相談できる人もいません。ノウハウを持っている方々に伴走してもらう体制があった方がいい!と考え、民間へ管理を委任するという選択に繋がりました。」
整備する上で特に気をつけていたこと、意識していたことはありますか。
「私自身は内装の設計も場の運営もできませんが、声を集め、考え、再び声を聴き、着実に進めるという下支えが役割を担っていたと思います。意識していたのは、仕様書をつくる段階から”どうしたら動きのある、持続的な場所になるのか”、専門家や県の機関、実際の担い手となりうる民間企業と対話を重ねて、意見を聴くこと。そうして出来上がったのが、やまじゅうです」
いち市民として、一緒に想いを実らせたい
現在は古い町並みを活かし、維持するための部署に属する寺沢さん。やまじゅう担当からは離れましたが、自分の耳で街の声を聴き、活性化に取り組む姿勢は変わりません。
「今の部署でも空き家や空き店舗を発掘したり、オーナーさんと話したりしているので、このあたりで開業したい!となったときは、物件探しなどお役に立てることがあるかなと思います」
最後に、これからやまじゅうに関わる方々へメッセージをお願いします!
「やまじゅうを通して、多くの方の想いが実ることを期待していますし、市役所の人間としてだけでなく、いち市民として、一緒に取り組んでいきたいと思います。街の情報、なんでも気軽に聞いてください!」