ルーチンバカの軌跡

初めまして、またはいつもお世話になっております。
京都大道芸倶楽部Juggling Donutsの山下と申します。
大体のところでは「やましー」で通しているので、それで呼んでいただけたらと思います。

アドベントカレンダーに何しようって話していて、後輩に「今までのルーチンの振り返りが見たい」みたいなリクエストを受けて、じゃあ振り返ってみるか、と書き始めたら大変な長さになりました。無理せず読んでください。

前置き
僕は、世代としては98世代です。大学始めなら2019年度現在3年目の世代ですね。
僕は大学に入ってジャグリングを始めましたが、コンタクトジャグリングについては、2回生の初めに道具を変えた関係上、実質的には今ちょうど歴2年にギリ到達しないくらいです。その中の、1年目はドーナツの大舞台、JDL2019のためにある年でした。2年目は、自分の良さを(よりよく)知り、実現しようとする年でした。
その点で、JDL2019と第3回魂コン!は、大きな転機となるイベントとなりました。僕のコンタクトルーチンの軌跡は、時期として「JDL2019より前」と「JDL2019~魂コン!まで」と「魂コン!以降」に大別されます。
それぞれの時期に僕が何を考えていたか、あるいは何を練習していたか、思い出して書いていきます。日記というか記録のようなものです。ほかのアドベントカレンダー読み物部門(?)の方々のように、読み物として価値があるものにはなかなかならないと思いますが、僕のことかコンタクトジャグリングのことかを多少なりわかってくれれば幸いです。
そんな大層なものじゃないので、適当に読んでください。

1、 JDL2019まで
ジャグリングドーナツに入会してから、ドーナツの5月の大舞台のJDLに出るまでの話です。

⓪TEATIMEの客寄せルーチン
曲:「ハロウィンに聞きたい曲」とかいうフリーBGMの冒頭
尺:1:10
BPM:160
1回生大道芸、TEATIMEの最初にお客さんを集めるためのパートのミニルーチンです。
コンタクトジャグリングとしては本当に初歩的なアイソレーションしかしないルーチンでした。グリップ、ごまかしパームサークル、フィンガーアイソ、ライジングエニグマ、フシギ(?)、簡単なパントマイム、おしまい。でも、曲にあった感じが評価されたようで、デビルの小澤さんやクラブの鈴拓さんに何やら褒められ、このルーチンを機に初めて交流できました。クリスタルが「初心者として」面白かった時期です。
ルーチン導入のセリフ「目覚めの儀式だ!わが魔力に応えよ、マジック☆クリスタル!」はいつ思い出しても死にたくなります。動画はもう二度と見たくない。

時系列的に一応書きましたが、⓪はおまけです。
1回生の時に作ったクリスタルのルーチンはこれだけで、メインではディアボロをやっていたりしました。
ということで早くも2回生になりまして、JDLまであと1年、というところで、同期の白井(むっちゃん)がディアで出るとなった時に、系統分けして出演するのは厳しいかな~というのと、自分のディアが内巻きジェノと縦の両方で壁を感じていたのとで、ちょっと自分の身の振りが問題になりました。そこで、サブでやっていたクリスタルに今からでも転向して、それでJDLに出ることにしよう、といういきさつから、僕のクリスタル人生が本格的に幕を開けます。
それまでは本当に⓪のルーチンを作るため&趣味でしかクリスタルをやっていなかったので、歴はこの時点で2か月程度として加算します。アイソレーションとバタフライの基礎しかできない状態でしたし妥当でしょう(むしろもっと短い?)。

① お披露目会(部内発表会)ルーチン
歴:4か月
曲:相対性理論「YOU&IDOL」
尺:2:40
BPM:125
○概要・動機
曲は、何か直前に友達とカラオケに行って「これは!」と思った曲でした。何かテンポが心地いいですよね。

本気でコンタクトに取り組み始めて2か月で作ったルーチンです。
JDLを見据えた時、一人だけ道具変更してビハインドを背負ったところから、無理を通しただけの技量を見せなければ、と何かものすごい気負っていた時期です。その結果エライ長いルーチンになりました。近大のザキ君が歴2か月で3:00くらいのルーチン作っててスゲェって思ってましたが、何か僕も似たようなもんでした。でも彼のほうが断然上手い。やっぱスゲェ。
○コンセプト・詳細
アームロールと基本のストール、それとマルチを習って2か月でルーチン制作。無茶したものです。取りあえずみんなやってるしチェストロールは必須だと勝手に思っていて、当面の目標にしていたのですが、カケラもできませんでした。チェストとネック(ていうかロール全般)の才能なし男なので。
むしろどうもマルチのほうが性に合っていたようで、ロールをしっかりする前に2個マルチをルーチンに入れ込んでいました。アイソレーションはイソギンチャクやフィンガーの工夫など、いろいろバリエーションを増やせていましたが、動画を見返すと(初期の動画見返すの無茶苦茶メンタル削られますね)まだまだ異常に指の動きが速いです。音に合わせる努力が先行して「メリハリのある動き」と「速くてスゴイ動き」を混ぜて両方間違えちゃった感じ?です。
基本的にはアイソレーションが好きだったので、アイソレーションを活かせるような構成にしました。また、ロールよりはできるようになってきていたストールも随所にはめ込みました。手首ストールに手を出すにはまだ早かった。動くアイソレーションは使いやすくて多用しました。
まだ系統分けなんてできていなくて、突然アイソレーションしたりクレイドルにもっていったり、かと思えばいきなり投げてストールしたり、フシギなルーチンになっていました。技密度も高くて見にくいです。ただ、音にあわせた動きをしたいという意識は当時から強く、結局僕はそういうルーチンがしたいしそれしかできないんだな、と改めて感じました。

○影響を受けたもの、余談
この時の僕は、「たった1つの道具で演技をするからには技以外の動きが重要である」という、何か知らんけどリッパな考えを持っていて、歌詞に合わせて首を傾げたり指を口に当てたり(キモい)といった所作を無理やり詰め込んでいました。技が十分成立するなり所作を丁寧に渋滞しないように見せるなり、この思想を実現するのはシンプルなフレーズとは裏腹に相当上級な技術ですので、今にして思えば笑い種です…。まぁただ、この手のいわゆる「所作」は間違いなく阿部さん(アポ~さん)の影響ですね。インベーダインベーダー、とてもいいルーチンです。

最近ようやくマシになってきましたが、自分の動きを動画に撮るのにモノスゴく抵抗があって、この時はそういうことをしなかったせいで動きが速すぎました。今でもそうなんですが、ルーチン作り始めのころって自分で思っている4割増しくらいのスピードで動いてるので、コンタクトジャグリングは動画撮ってスピード意識するのは重要です。
この時ルーチン曲は2回くらい変わった覚えがあります。そのうち1曲は鏡音リンの「メランコリック」でした。可愛すぎる。いや、やくしまるえつこもかなり可愛いけど。しかもドーナツの後輩クラバーである糟谷のmoyoステージのルーチン曲と被っていて、彼が曲を変えなければ大下位互換を披露するところでした。危なかった。複雑な思い出の曲NO.1です。
マラバリスタのクリスタルのお姉さん()に可愛い演出観たいとか言われたからメランコリックでも作るか。

② 名古屋ジャグリングサマー☆カップ ルーチン
歴:6か月とちょい
曲:MUCC「ニルヴァーナ」
尺:3:50
BPM:179
○概要、動機
9月上旬にあった大会のために作ったルーチンです。曲は6年ほど前のアニメ「いぬぼくSS」のオープニングです。アニメも原作も設定とキャラのクセが強いわりに大変良作なのでみんな見て。

(うわぁ…これ公開すんの心キツいな、下手下手のヘタですよ…絶対撮り直そう…)

夏休みに入って、「クリスタルっぽくない曲でルーチンしたい」という謎のコンセプトが僕の中に生まれていました。まだ無意識下にだったと思いますが、当時僕は「個性」を確立したくて必死だったのだと思います。アイソレーションが得意と言っても、EDMやダンスを駆使したものは、悪い言い方をするとありきたりで、今から身につけた程度のダンスをJDLでわざわざやるに値するとはあまり思えず、かつロールも苦手だという意識にさいなまれる中で、「じゃあ俺はどんなルーチンをすればいい…!?」という悩みが、うすうすと自分の中にでき始めていました。この感覚はNFで解消されたかに思えたのち、いざJDLルーチンを作ったところでさらに大きくなって顕在化するのですが、それはまた別のお話ということで。
この時同期のリングの酒徳(ぴーたろう)が一緒に出ると聞き、どこまで食らいつけるか見せてやろう、という気持ちもありました。結果は惨敗です。いや当たり前だけど。歴倍ちがいますからね。
○コンセプト・詳細
アイソレーションを基調とし、サビや盛り上がる間奏でバタフライや簡単なロール、というJPOPらしい系統分けを初めて意識した(実際にどこまで完成していたかは疑問)ルーチンでした。曲は、音が抑え目ながらサビを中心に非常に元気がいいので、体の動きを大きくしようと試みましたが、なかなか体がついていきませんでした。また、この時10日前のドーナツ合宿で発表できないくらいルーチンができるのが遅く、練度があまりにも間に合わなかったのも問題でした。初心者のくせに謙虚な姿勢が足りませんでしたね。
この時点で実質歴は6か月半、マルチを入れても曲の尺3:50は非常に長かったです。工夫すれば何とかなる段階までは来ていた(と思う)んですが、例えば同じ技を締め方を変えて入れてみたり、少し形を変えたりする余裕はまだありませんでした。バタフライのスピードを変えるくらいしかできなかったです。
自分の演技の良さとか、そんなの知る由もない時期でした。できること・気に入った動きをやってるだけです。「味がある」という評価が耳に残っていますが、味ってなんだ。褒めてるのかそれは。個性と味ってどう違うんでしょうね。今でこそなんとなく雰囲気をイメージできますが…。
あと、全然決まらない技をルーチンに入れ込む悪癖が存分に出ていました。若干できるようになっただるま落としが好きな技だったので入れていたのですが、全然安定しませんでした。成功難度と安定難度の概念にまだ親しみが薄かったのでしょう。これはライブルーチンで苦しみぬいてようやく解消されます(というかちゃんとできる技だけでも3分4分持つようになります)が、本番を楽観視するのはいけませんね。リスク管理したい。
○影響を受けたもの、余談
かとりょさんに少しずつ質問して色々吸収してはみましたが、なんというか、「浪人して初めて勉強し始めた人」の気分でした。何から聞いてどう生かせばいいのか何にもわからないみたいな。
冒頭の通り、「クリスタルらしからぬ曲」でやろうという意識が非常に強く、静かな曲を避けて曲を探していた気がします。いぬぼくを思い出したきっかけは多分妹が再放送を観ていたからです。中1にいぬぼくはメニアックだよ…。
BPM180はかなりのスピードですが、ニルヴァーナはあまり拍を明確に取っている曲ではなく、アイソレーションをしている間などは半分のテンポで動いていたため当時は苦にはなりませんでした。でも、試しにきちんと練度を上げた状態でルーチンやりなおしたらどうなるのか最近検証しようとしましたが、めっちゃ苦になりました。つまり当時の感覚が悪いということですね。④ライブルーチンよりはマシだけど。
あと、いぬぼくの曲だって気づいてくれたのは貫井さんだけでした。これを機に、ドーナツに意外なほどアニメオタクがいることに徐々に気づいていきます。「世代」のアニメの話をすると食いつく人が結構いますよ。うちの代のデビラーとか。

③ NF2018ルーチン
歴:9か月弱
曲:GalileoGalilei「青い栞」
尺:5:10
BPM:132
○概要・動機
いよいよドーナツの公式に出す初めてのルーチンです。②サマーカップルーチンの直後に作りだしたのでこれまた最初の発表会(リハ的なもの)に間に合わせるのはギリギリでした。好きなJPOPでより上手にアイソレーションを組み込むことを目的としていましたが、どちらかというとサークルの皆さんに見てもらいながらバタフライやマルチの動きを矯正してもらう機会になりました。曲が良かったのと、サマーカップより圧倒的にメロディがゆっくりで当時の僕の良さが出やすかったため、良ルーチンになる予感はしているという声をよくいただきました。ただ問題は自分でその良さがまだまだ分かっていなかったことでした。でも、5分前後という長いルーチンですが、最初から飽きることなく見てもらえたのは良かったです。
曲は「あの日観た花の名前を僕たちはまだ知らない」通称「あの花」です。いぬぼくを超える大名作です。展開がわかってても感動できるから、たまに見てすごく安直かつ上質な感動に浸りたくなる作品です。
めんまァ!みぃつけた!!

○コンセプト・詳細
ある程度コンタクトジャグリングに慣れてきたのと、これが動画をしっかりサークル員と観て動きを手直しする初めての機会だったので、これを機にアイソレーションのスピードが目に見えて落ちてきました。「自信のある」技がそんなに多くなくて全体の出来として全然自信なかったし、何か動きがこっぱずかしくて、最初の動画上映会はすごく死にたくなったのを覚えています。完成版でもまだまだ足の形などに粗があります。⑥魂コン!ルーチンですら納得のいく立ち姿にはなっていないので、仕方ないといえば仕方ないのですが。
すぐに思い出せる印象として、典型的な「歌詞から作ったルーチン」でした。過去2回ルーチンを作った経験(?)から、少しテンポを落としたルーチンを作ろうと思いつつ、やはりどうしても好きなJPOPで作りたいという感じはありました。そう思って曲を探すうち、歌詞を観たり曲をしっかり聞いたりするとわかりますが、楽曲のコンセプトが少年の日の思い出とか記憶の彼方のナントカ、みたいなもので、身近な動作の言葉が含まれていたり「青い空」「愛」みたいな比較的表現されやすいワードがあったりして、動きのアイデアが安直にわいてきたので、採用しました。すぐ見つかるだけでも4か所くらい歌詞ハメが確認できます。最初の「積み上げては崩した」は、図書館前の階段のおかげでしたね。
その結果、このルーチンで「歌詞ハメ」のコツみたいなものをサークル員から教わりました。例えば「唇で結んだミサンガ」「雨降れば電話もできるよ」で唇触ったり電話したりしてみたりもしたのですが、ジャグリングに関係ない・接続しない所作をわざわざやるのは違うなぁという意見が多かったりしました。もちろんそういうジャグリングもありますが、これは違った。ていうか僕は違った。
あと、サビでバタフライやるならサビに入る前にバタフライしないほうがいいとか、②サマーカップルーチンでの学びをより深く学び取る機会になりました。ドーナツルーチンらしさはここからどんどん強まっていきます。まぁ、慣れてきて普通のジャグリングでルーチン出来るようになっただけとも言えますが。
しかしまぁ、本当にチェストロールができん。3回演技を披露しましたが3回とも失敗しました。あと2個でピョンピョン飛ばすバタフライ。今でこそよく使う技ですが、これも3回ともグチャになった覚えがあります。だるま落としも難しかったから切りましたね。逆に、手を内側から回すスパイラルロールとか3パームロールとかは思ったよりできるなぁ、と言う感じでした。難易度とか人によるんでしょうね。
○余談
京ジャグを主催したりしているシガーだかハチリンだかのAKIさんがすごい気に入ってくださったようで(1回生のTEATIMEのころからの推しらしいけど)、しもん氏に紹介したりしていました。知らないところでファンができていたようです。しもん氏かほかの方か忘れましたが、「坂を駆け上って」の歌詞ハメで76mmクリスタルを腕に上らせる妙に難しい謎技が特に印象に残ったらしく、ライブで「坂駆け上る人ですよね!」とあいさつされました。どういう人?それ。

④ ライブルーチン
曲:CHICO with HoneyWorks「アイのシナリオ」
尺:4:20
BPM:179
○動機・概要
曲は「まじっく快斗」のアニメのオープニングです。再生回数的にはこれまで作ったルーチンの中で一番有名な曲ですね。

現状これが人生最大のルーチンです。前置きの通り、まぎれもなくライブのために頑張ってきた1年でしたので。
②サマーカップルーチンと同じ時期に曲の目星をつけていたため、同様に「コンタクトらしからぬ曲」です。そのころから悩んでいた個性は、もうこの曲だけで十二分に立ちすぎていました。しかもニルヴァーナのように半分で拍を取れる雰囲気の曲ではありません。このスピードをどう制御するか、本当に困らされました。立っていた個性は曲の個性であり「俺の個性」ではなかったというか、より平たく言えば曲に負けているというか。
○コンセプト・詳細
間違いなく僕のジャグリングを確立してくれたルーチンです。技の見せ方に始まり、自分の長所、ルーチンの隙間の埋め方、そして世界観の何たるか、すべての基礎がこのルーチンによって完成されたといって過ではありません。よほど新しい挑戦をしない限りこんなにルーチンづくりそのものに根本的に苦労することは今後もうないでしょう。
技の見せ方はまぁいいとして、自分の長所は、「動きのキレ」「立ち姿」あたりのようですが、これになかなか自覚的になれず、走り抜けるような雰囲気の曲に水晶玉を合わせるにはどうしたらいいのかずっと悩まされました。これに気づけたのは「これがいい」という意見をもらえたからですね。「ここ直したほうがいいと思う」という意見も当然必要ですが、この時僕に効いたのはむしろ長所を教えてくれる意見でした。その後「軸」を持ってルーチンを組み立てることができたのが大きいです。

ルーチンの隙間の埋め方については、この当時、技をしない時間が落ち着かなかったというか、技をしていない動きに意味を見出せなかったという側面がありました。①のころ思っていたことが③で矯正されて逆方向に振り切ってしまっていますね。昔から「ちょうどいい」がわからない僕の性格がモロに出ていたのかなぁ。あと、それ以上に「難しい技を決めれば決めただけエライ」という謎の思い込みもありました。舞台ジャグリングをあんまり見ていなかったか、舞台でも普通にスバラシイ技を決めていく人ばっかり見ていたかで、「簡単だけど魅力的な演技」のことが全く分かっていなかったな、という反省です。何か昔そういうのを紹介された覚えもあるのにな。

そういう意味で、「世界観」という概念も少しずつですがキーワードになってきました。技以外の、所作を含めた「だれがどんなルーチンをしているか」という総合的な雰囲気。あるいは「私はこんなルーチンをしているのだとわかってもらいたいのです」という客との高度なコミュニケーション。まだまだ実践できているとは言い難いですが、そういう概念が自分の中に意識的に生まれたのもこの時期です。哲さん(てけてけ坊主さん)の何かの文章やOBでJSP主宰の吉永さんとお話したのがきっかけだった気がします。
これらを一気に学び取ったものですから、演技を完成させる努力よりそういうのを取り込む努力のほうが勝ってしまった側面が結構あります。それで肝心の演技本体の練度がなかなか上がらなくて、とにかく苦しかったです。同期がまた上手いんだ。toyも巾もわきしろうも。むっちゃんさんも動きのクオリティとても高いですからね。それに食らいつくのが精一杯でした。人と比べてどうってものではないのかもしれませんが、実はこの時僕がトリだったのです。そりゃ負けていられないってなります。結果的にその意識がなかったらここまで頑張れなかったので、一長一短(?)ではありますが。

全体難易度としては、下手したら今作るルーチンより難しいです。最近マルチをあまりやれていないっていうのもありますが、2サビがとにかく難しい。ロールもですが、ストールよくやり切ったなと自分でも思います。あと、デュアルのロールをとにかくやりたくなくて、バタフライの案を出しまくった覚えがあります。アイソレーションももっとしたかったのですが、動き回るアイソレーションの練習法がわからなくて頓挫しました。思い出したらやってみたくなってきたな、今度やりなおしてみます。閑話休題、ロールの練度ではこの時代誰にもかなわないので、だったら強引にでも珍しさで勝負しよう、と思っていました。難しすぎるんですよデュアル。何なんだ。
結果としてできた作品は、勢いと照明でそれなりの圧を手に入れたものの、どうしても細部はところどころ甘く、所作とかが安定したルーチンも見てみたい、という意見も出ました。それで⑦NF2019ルーチンはできるだけ安定させましたが、いやぁ、案外難しくなってしまいますね。


○余談・影響を受けたもの
基本的にかとりょさんと、OBのアポ~さんにお世話になりまくりました。デュアルはアポ~さんのアイデアが多分に入っていますし、全体的な演技の収まりやリスク管理なんかはかとりょさんの賜物です。あと、涅槃ストール周辺はたろりんさんのピルエット拳ストールから着想を得た気がします。本当にいろんな人に支えられたルーチンですね。
ライブでは探偵の役だったので、これ以降たまに「JDLの探偵の人ですよね!」と言われるようになりました。ここに至って初めてライブの重みを感じましたね。知らない人にも認知されていることが増えて、あぁこうやって評判って広まっていくんだなと。パフォーマーってのはすごいもんですね。
ところで何の曲か書いてて気づいたけど、ここまで①お披露目会ルーチン以外全部アニソンです。ていうか、これ以降も⑤のしもん氏との交流ルーチン以外全部アニソンじゃない?ひどいもんだな。

これで僕は、大学のジャグリング生活の最大の目標を達成してしまいました。
しかし、それはゴールなどではなく、上述の通りむしろ僕のジャグリングというものはここにきてようやく確立されたのです。確立されてしまったのです。
なまじ満足に技やルーチンが組めるようになってしまったところで、楽しくなってしまいました。
もっと先が見たい。もっと違う表現がしたい。もっといろんな自分を見つけたい。
演劇で気づいた「新しい自分が見つかり評価される快感」に、再び気づいてしまいました。そう思ったらもう止まりません。すでに9000字を突破し、長々とお付き合いいただいておりますが、ここから僕のジャグリング人生の第2部が始まります。

2、魂コン!まで
歴も1年を突破し、現実的にいろいろな技ができるようになってきたところで、それらをどう魅せるかという次のステージに踏み込んでいきます。JDLルーチンの時点でルーチンづくりに根本的に悩むことはもうないでしょうと言いましたが、本当はそれには語弊があって、新しい表現がしたいと思ったら必ず同レベルで悩むときが来ます。それを求道できる?ほど現状時間的・精神的余裕がないだけです。だから、次に悩むまで僕のジャグリングの本質は変わらないのですが、もともと音楽を生かしたルーチンを「作ること」そのものは好きなのと、なまじそれなりのものが生み出せてしまうという状況になっているため、「取りあえずルーチン作ろう」と常に考えているルーチンバカが出来上がっていきます。

⑤ しもん氏との交流ルーチン
曲:「枯れない花」(魔王魂のほう)
尺:3:55
BPM:135
○概要・動機
次にルーチン作る機会はいつ来るかなぁと思っていた矢先、JDLで知り合ったしもん氏が1か月後くらいにサブフロアに遊びに来るというのを知り、コンタクトジャグラーとちゃんと交流する機会が初めてだった僕はそのチャンスを最大限生かそうと、「ルーチン作るから見てください!」的なことを口走りました。するとしもん氏は「やりたいルーチン曲リスト」みたいなものを結構持っていたため、せっかくなのでその中から選んでみよう、という風にして曲を決めました。


ここで事件が起きます。「枯れない花」という曲って2種類あるんですが、大勘違いにより曲を間違えてルーチン作って、それが当日発表直前に発覚しました。両方聞いて両方同じくらいアリだなと思ってしまって、脳内で化学反応が起きて曲が入れ代わったようです。
近畿大学の子もいっぱいいたのでメチャメチャ恥ずかしかった。

↓こっちが正しかった方

○コンセプト・詳細
コンセプトは「世界観づくり」でした。ライブを経て表現の幅を広げたくなっていたので、きめポーズや動きの所作に神経を注いだルーチンにするつもり、だったのですが、技難度を上げすぎて難易度ルーチンに成り下がりました。いや、というかこれは正直曲が悪い。聞けば大体イメージつくかと思いますが、デュアルに持ちかえるタイミングが大分後ろのほうの間奏の一択しかなく、そのくせそこから間奏明けにサビ2連発という、デュアルをするには結構ハードルが高い構成でした。それと、アイソレーションする雰囲気の曲パートがほとんどなかったのも大きいです。まぁ曲が悪いとか言ってますが、人からルーチン曲をもらってさらに勘違いして覚えたわけなので、悪いのは自分です。できると思ったんだよなぁ…。
花や守るというフレーズに「何かを守って凛と立つ女性」的な目線を持つ曲だったので、そういう所作を作るつもりで、座っているところから守るべきもの(クリスタル)を追って立ち上がる、みたいな動きを取り入れました。そのあとアイソレーション、簡単なロール、バタフライ、ストール、2サビなどでちょっと難易度の高いロール、と続く、やましールーチンのテンプレートができあがったルーチンです。そういう意味ではやってよかったですね。難易度が低いパートで足の形を女性的にしたり、間奏部分の所作を気を付けたりはしましたが、逆にそれが限界でした。
動画は近大の誰かが撮影していた気がしますが、持っていません。ていうか結構調子悪かったのでそれでいいや。見ないで。気が向いたら思い出して撮り直すかも。
○余談・影響を受けたもの
この頃はライブ期明けて間もなかったので、新たに取り入れたことはなかった気がします。強いて言えばSAOのMADに若干厨二感影響されてるかも。MADとかPVとか良質な作品は、メディアを越えて共通する何かしらの魅力がありますよね。
この時しもん氏に加えて近大のクリスタルの人が3人も来ていて、しかも全員女性で、まだ1回しか会ってないし顔がおぼろげな状態だったもので、しもん氏に会うものだとばかりにサブフロアに行ってみたらクリスタル触ってる女子が3人いて「えっどういうこと?しもん氏どれ??」とか思いました。挙句にちょうどお手洗いに行っていたらしくその中にしもん氏はいなかったと来たもんで、食事の場なんかで共通の知り合いがいなくなった時のあの言いようのない感情をフルマックスで味わったのを覚えています。面白すぎた。

5.5 お披露目会2019ルーチン
○概要
と言いたいところですが、実は完成しませんでした。
ほとんど完成までいっていたので一応数に入れてみたのですが、マルチのパートが想像以上の難易度になってしまったのと、演劇に時間を取られすぎてお披露目会本体に間に合いませんでした。骨組みは残っているし一応内緒ですがとても好きな曲なので、どこかで披露しようとは思います。
ライブルーチン以上に難易度重視のルーチンになります。⑤交流ルーチンを経てさらに表現を見せようと試みて気づいたことには、「取りあえず狂ってる感じは表現しやすい」ということですね。動きをぐちゃぐちゃにすればいいので、技さえついてこれば割とできるな、という感じでした。この感覚は多分ほかの今後のルーチンでもどこかで披露される気がします。


⑥魂コン!ルーチン
歴:1年半ちょい
曲:スキマスイッチ「雫」
尺:3:05
BPM:178
○概要・動機
NHKアニメ「獣の奏者エリン」のオープニングです。あんまり見たことはないですが絵柄と裏腹に鬱アニメらしいです


3拍子というルーチン曲として使うには珍しい特性を持つ曲ですが、BPMの割にかなり独特でゆったりとした、僕にあった雰囲気を持つ曲です。と言いつつ別にそういう動機で選んだわけではなく、魂コン!の制限が3分だったからです。間奏カットしてもギリギリちょっとオーバーする風になってしまいましたが、基本的に完成品の音楽に手を加える曲編集は嫌いなので、それ以上どこかを切るのは嫌で減点覚悟で押し切りました。
ちなみに、入賞は正直狙っていませんでした。ただ、自分の演技が今までよりもっと広い人々の目に触れた時どういう評価をされるのかにはとても興味があり、難易度をできるだけ上げつつ「自分らしい」演技を目指しました。それと、今のコンタクトジャグリング界隈の様子を見たかったというのもあります。面白い人がいっぱいいますね。コンタクトジャグリングはやはり奥が深い。
○コンセプト
僕の代名詞(自分で言っていくスタイル)たる歌詞ハメ音ハメを存分に入れ込みました。どちらかというと抽象的な歌詞で、やりにくい部分が多かったですが、自分らしい演技をするにあたって音楽を活かさないわけにはいかなかったので、できる限り入れました。「最後の雫が落ちていく」はもうマスト中のマストでした。反面音ハメは比較的やりやすかったですね。音の強弱が非常にはっきりしているのと、歌詞のテンポ感がちょうどよかったです。
難易度の高い技も、評価が気になったので入れられそうなところに入れていきましたが、なんと言うか…難しい技を難しく見せるというより、「いかにきれいに見せるか」に練度が反映される道具なんだから、一般に見慣れない技をやるとかよりもしっかり技をきれいに見せていくほうに力を注ぐべきでした。いや、一つの思想として当たり前と言えば当たり前なのですが、一般的にもそういう評価がなされることが分かったのは非常に大きかったです。そういう評価がなされる大会だったといえばそれまでですが、そのほうがありがたいので、一般的にそうなってほしい気はしますね。もちろん観客のリアルな反応が見れたので、どの技が有効かも少しわかっていきました。
審査員のたろりんさんと初めてお話してルーチンへの評価をもらったのと、この動画を初めていろんな人に見せました。それらでもらった意見の中で、一番重要だったのが、「普通の技が普通にキレイ」という評価。特にアイソレーションの工夫について。これは、今までの僕の感覚をかなり大きく覆す評価です。これまで「普通の技では精度で勝てない」という気持ちが支配的だったところから、一気に自信をつけるきっかけになりました。技の工夫に重きを置いていた姿勢は間違いだったとは思わないのですが、正直ライブ期まで基礎練をおろそかにしていたところはどうしてもありました。ロールのエンデュランスとか、アイソレーション地獄(?)とか、クリスタルの基礎練って…割とつらいんですよね。非常に重要ではあるんですが、上達がわかりにくいので…。

(ちなみに一番よろしくない意味で気になったという意見を頂いたのは姿勢でした。確かにな。)

ともかく、大分基礎力が追い付いてきたことがわかってきたのがこの大会一番の収穫でした。基礎的な技でもしっかりしたものが作れる未来が見えるならそういう道もよかろう、というかもうそろそろ誰かと比べるとかないし。そんなふうに思える大会でした。
○余談・影響を受けたもの
ソロボールだけでルーチンしたのが地味に初めてで、新鮮でした。ていうか技数が足りなくてそういう関係で結局技開発にいそしんでいたなぁという思い出があります。
何の動画見たんだろう…この頃初めて見たのがかとりょさんのNF2016のLOSERルーチンですね。無茶苦茶好きなルーチンでしたが、この動き取り入れたっけかなぁ…どちらにせよ、徐々にかとりょさんの動きが増えてきています。⑦NF2019はもっとすごい。

(追記:LOSERルーチンの動きそんななかったかも。すみませんかとりょさん)

はい。ということで、第2部終了です。ヤバい。何で締め切りすぎてこんなに書いているんだ。
第2部で、最初のほうに習うべきだったことをまた取り込んでいった感覚があります。つじつまが合ってきました。思い返すとやはり僕は数奇な運命をたどっているんですね。
さぁ、基礎に立ち返ったところから、本格的に独り立ちを始めた僕のジャグリング第3部が始まります。と言ってもまだ3か月かそこらの話なので、この第3部の話はまた別で語ることになるでしょうけど。

3、魂コン!以降

⑦NF2019ルーチン
曲:YURiKA「鏡面の波」
歴:1年9か月
尺:4:30
BPM:178
○概要・動機
アニメ「宝石の国」のOPです。性懲りもなくアニメ。

3回目のNF、2回目のルーチン披露です。コンタクトの後輩も入っていたので気合を入れて臨みましたが、無茶苦茶忙しくてあんまり練習できなかった…。
○コンセプト・詳細
ズバリ「安定した演技をすること」でした。自分の中では、明確に安定をとった演技は2年やってきてこれが初めてなんですよね。どうなんだそれも。
音がよく跳ねるので、そこをストールとアイソレーションで狙い撃ちです。1パート1パートの音の特徴みたいなものがはっきりしているので、それに合わせて動きを作っていきました。適当に聞いていると「変わった曲だなぁ」程度で済むんですが、よく聞くと「この曲のAメロって何だ?」ってなりませんか?Aメロとかサビとかっていう区切りで行くと、すごい構成しているんですよね、この曲。だから、パートごとの関係はあまり重視せず、そのパートごとの動きを独立で考えていきました。
ロールとかも難しいものは間奏の終わりくらいで、落とすリスクをにできるだけ減らせるよう気を付けました。ただ、だからと言って簡単な技ばかりにしていると練習しなくなってしまうので、デュアルのロールを初めて入れ込みました。3回中落とした2回ともデュアルの失敗です。入れなきゃよかった。しかし、ここでデュアルの基礎練ができたのはよかったですね。⑥魂コン!の影響を受けて、普通の技を普通に魅せる意識ができたため、この特にツライ基礎練にもしっかり取り組めました。ホントに、デュアルを練習する日は1日何回落とすか知れたもんじゃない。
また、曲の雰囲気が雰囲気なので、これまでのどのルーチンよりも「遅く」やることを意識しました。そのためにも基礎練がここにきて重要になりました。最新のルーチンが一番基礎に立ち返っているの面白いですね。魂コン!からパラダイムシフトしているので当たり前ではありますが、人間いくつになっても成長ですねぇ。
○余談・影響を受けたもの
今回のクリスタルの色はもう、宝石の国を知っていれば即決レベル。今回のルーチンは明らかにアニメの影響を受けていますね。
鏡面の波でルーチンをしてほしいと1,2年前から言い続けていた人が何人かいたそうで、その人たちにはめっちゃ褒められました。選曲は実は僕ではなく妹なのですが、グッジョブ妹。

⑧NF2019ライトアップルーチン
曲:supercell「星が瞬くこんな夜に」
尺:4:20
BPM:181
○概要・動機
スパセル。良さしかない。あ、そういえばアニソンじゃないかもこれ。

今年のNFでtoyに誘われて、土曜日夕方のライトアップチームに入りました。いろいろ光らせる手段は考えたのですが、指先を光らせるパターンだと思いのほか光が弱く、満足のいく出来にならないかもしれないと判断し、急遽その日のうちにシングルクリスタルのルーチンに組みなおしました。マルチのパート全部つぶしたんですよね…マルチ用のグリッターを無理してでも買っとくんでした、マジで後悔。当然ボロボロでしたが、思いのほか受けがよく、正式に作り直して動画で公開することにしました。乞うご期待。できちゃったからシングルで取りあえずやりますが、マルチのグリッターでもルーチン作りたいですね。グローポイとかで至近距離で光らせると無茶苦茶きれいなんですが…いいやり方ないかなぁ。
○コンセプト
そのうち公開するのであんまり話すことはないですが…取りあえず、僕がこれまでやった中ではぶっちぎりで明るい曲なので、しっかり光に合う表情になるよう注意しました。そういう意味で難しいルーチンにしちゃいけないので(安定した技で細かいところに気を使いながらルーチンしたい)そんなに大した技をやるつもりはないです。因みにグリッターはアイソレーションがアイソレーションに見えない技が多いので、そこだけ重要なところですね。
1日で一応ルーチン組みなおせはしたんですが、こう考えるとやっぱりドーナツのルーチンメソッドはすごいですね。2年目にしてそんな真似ができるのは、サークルで色々やらせてもらって自分のなかでルーチンのテンプレートがしっかりできている証拠だなぁと思いました。


さて。僕がこれまで作ったルーチンは以上です(1個作ってないけど)。正確にはNFらへんでもう1個超実験的なものを作りましたが諸事情で詳細は伏せます。簡単に言うと、うまくやればマルチで6分持ちそうだったから試しにルーチン作ってみたけど無理すぎたっていうことです。
2年って…長いですね。占めて17000字。軽い気持ちで整理し始めたのがこんなことになるとは。

4、現在の「やましー」

宴もたけなわではございますが(?)、軌跡を書く意味は「それで今どうなのか」でしょうから、仕上げに今の自分のジャグリングについても多少記述しておきましょう。

・僕のジャグリングの特徴
まずは音ハメと歌詞ハメです。結構思想的に、好きな音楽に依存というか依拠した演技がしたいと思っているため、音はできるだけ取りたいと思っています。あと、歌詞は単純に動きの起点になるんですよね。安直といえば安直ですが、③NF2018ルーチンとか歌詞のおかげでできたようなものでしたね。今でもその風潮というか感覚は根強く僕の中に存在しています。そういう意味で、僕はジャグリングが好き以上にルーチンが好きです。ルーチンバカです。
それともう一つ。僕のルーチンは、見返すと必ず「見たことのない動き」が入っています。既存かもしれないけど、少なくとも見たことはない、という動きをどのルーチンにも入れています。この源となっているのは、発想力よりむしろ「人と同じことしても勝てねぇ」という危機感に近い感情です。同期に1年近く遅れを取り、かつ1年以上自分より上のコンタクトジャグラーとしか触れ合わなかった僕の精神的な原点は、「俺が一番下だ」という意識でした。
この感情が、魂コン!である程度払拭された今、僕のルーチンは変革を遂げようとしています。同じアイソレーションやロールでも、僕には僕の魅せ方がある、という意識が芽生えてきているので、少しの間僕のルーチンは割とよく見る動きが主体になっていくと思います。その代わり、それでも僕にしかできない動きや雰囲気を、今度こそ作っていく次第です。

・クリスタルのどこが好き?
今の僕のジャグリングは、ぶっちゃけステージボールのほうが適しているようなものになってきていると思います。しかし、それでも僕はクリスタルを手放す気はありません。クリスタルでできないジャグリングはやらないまでです。
なぜそんなにこだわるのかと言えば、僕はとにかく「クリスタルそのもの」が好きなのです。まゆこ氏みたいに「きらきら」が好きとまで言うと少し広いのですが、ビー玉とか天然石とか大好きで。あと、手遊びが好きで、それでロールよりアイソレーションやバタフライが好きなところもあります。
それと、他のジャグリングに比べて、スピード感をはじめ演技の多くの要素が自分の体に依存するため、音楽に合わせやすいというのもとても好きです。ステージボールでも表現できる部分はあると思いますが、結構突き抜けた技術が必要になるので、現状そこまでは手を出せていません。
今思えばディアボロからクリスタルに転向したのは正直自分の性質的には正解でした。最近少しずつディアボロ熱も再燃していますが、少なくともこの選択が間違いではなかったのは幸運だったなと思います。

・僕にとってジャグリングとは?

俺の大学生活をブチ壊してくれやがったものです。
いやホントに!こんなにハマると思ってなかった!プログラミングとか英語とか塾講師とかもっとガチになる予定だった!!どうしてくれるんだ!!!

冗談はさておき(冗談でもないんだが)、僕にとってジャグリングとは。

初めは、手っ取り早く成長が感じられるいい趣味でした。
次は、自分を認めさせる手段でした。
それから、自分が見せたいものを表現する媒体でした。
そして今は、探求するに値する広大な世界です。

上から順に、自分の中にだんだんと積み重なっているのがわかります。今でも趣味は趣味だし承認欲求満たしたいし。何もそんな体系的に根を張らんでもいいのに。
ホント、なんでこんなに強固に染み付いちゃいましたかね、ジャグリング。困ったものです。

・最後に
いろんな観点から僕の遍歴を振り返りましたが、素朴な疑問として、何のために、何を思ってまだジャグリングを続けているのか、というところに触れて締めたいと思います。

僕は表現がしたいとか面白い作品が作りたいとか言ってるわりに、基本的に頭でものを考えることしかできない人間です。感性とかムリです。「面白いって何?」とか絶対考えちゃダメなことをどうしても考えてしまうような人です。
そんな奴が「面白さ」を追求するには、もう、実際に作品を作るしかないんです。
僕が今ルーチンバカになっている根底には、そういうところがあります。
幸い、2年やってきて、面白いかはともかくとして、どうやら僕には僕にしか作れないルーチンがあるらしいと気づき始めました。そんな作品をいくつかでいいからこの世に残せたら、僕がこんなにジャグリングにハマった意味もあるだろうといったところで、ていうかここまで来たら半端に終わるのもシャクなんで、満足するまで世界探求してやろうと思っています。具体的な感想をもらえればもらうほど喜ぶし、「これ好き」「これ微妙」だけでも全然参考になります。自分の感性で作れない人は他人の感性を存分に使わせていただくのです。

ということで、これからも当分はルーチンバカを続けて参ります。
どうぞよろしくお願いいたします。


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