Entrance.


ちょうど一年前、2019年6月27日。



私の推しである
にじさんじ所属バーチャルライバー
闇夜乃モルルさんが、

最後の配信を終えました。


コーラで乾杯して、
セブンでとみ田のまぜそばを買って、
画面越しに一緒に食べた。




去年の私はちょうど体調を崩しまくっていて、

日々死にそうになりながら、
辛うじて推しと単位のために生きてました。


どれだけ寝ても寝足りず、

朝起きたらお布団から起き上がれず、

体調を崩すせいでろくに料理もできず、

料理が出来ないから栄養もちゃんと摂れず、

負のループって感じの中にいました。

引きこもってカップ麺ばっか食べてた。

友達も全然いないから、だいぶ孤独だった。

辛かった。


そんな中、突然告知されたモルドラ、モルひま、いずもるる、そしてちみどろコラボ。


マジびびったよね。


まず率直に、嬉しかった。

なかなかコラボすることが多くなかったから、
人との絡みが見られるのが単純に嬉しかった。


そういえば一周年(7月上旬)も間近だし、
記念としてやるのかな、楽しみだな、
と思ったりもしたんですけど、


こんだけコラボが続きに続いちゃうと、

内心やっぱりどこか覚悟してしまって。



でもそんなこと考えなくないから、
その日生きることだけ考えるようにしてた。


でもやっぱ、その日は来てしまうんですよね。


いくら箱推しで誰が卒業しても悲しいとは言えど、無印とゲマズを割と頻繁に見てた自分からしたらそりゃもう。そりゃもうね。ダンチ。


普段生きてる時は考えないようにしてたから、
ずっと頭の中にモヤモヤした黒いものが存在してて、でも触れちゃいけないって自制して。


それもそれでだいぶしんどかったな。

て感じ。


で、彼女の話をしますね。


彼女は本当にすごい悪魔なんです。


多少コミュ障な所はあれど、ちゃんと他の人のことを思いやれて、ゲームを心から楽しんで、ファンを大切にしてくれて、それでいて可愛くて、ゲームが上手くて、ピアノも弾けて、一時はバズったりもして。

彼女だけではないし、私だけでもないけれど、

彼女を見ているだけで本当に楽しかったし、

ずっとこんな日が続いていくんだって、
そういう気持ちだった。


『最後のボイス』と言って出した限定ボイスはなんやかんやあって最後にはならなかったし、

喉のことでの引退の危機も一度は免れたし。

ただ、彼女がそこに、
画面越しに居てくれるだけで良かった。

彼女が発する音や色、
その一つ一つが自分にとっての幸せだった。


彼女が、彼女らが紡いだ音が虹色になって、
私の世界を塗りつぶしてくれた。


その別れから一年経った。


幸い私は界隈内での友人(と私が思っているだけかもだけど)も沢山増え、
お陰様で楽しい毎日を送ってはいる。

その他のこと全部でストレスは溜まりっぱなしだけどね。

そんな中、今日を迎えた。




世界に還った彼女は、今も元気だろうか。


闇夜乃モルルは、今何をしているだろうか。


彼女ならきっと元気なはずだ。

観ている訳では無いけれど、きっと元気だ。


彼女はドアを開けた。

虹色のドアを開けて、真黒の世界に還った。


それが彼女の世界なのだ。






ここに、開きっぱなしのドアがある。



私が自分を守るために閉めて、
そして彼らが、彼女らがこじ開けたドアは、

いつか私が出ていくのを待っているだろうか。


もし外に出ていくのなら、

いつか私が帰ってくるのを、待っていてくれるだろうか。


ドアの先の世界は、

私が他の音楽を愛したように、

誰かが私の音楽を愛してくれるだろうか。


真偽は分からないけれど、

ただ、今は出発する時なのかもしれない。



あなたが闇夜に飛び立ったように、

私も一歩踏み出す時なのかもしれない。



きっと忘れることはない。


あなたのことも、

あなたのことを忘れない私のことも。



私がこのドアをくぐったら、

私はまた生まれ変わる。



拝啓


月のない世界は、退屈ではありませんか。

きっと何もかもが新しくて、

それでいて、どこか懐かしいのでしょう。



あなたの毎日がそれでいいなら、

私もそれでいい。それがいい。



さようなら、もるるん。

また来年ね。




ドアを開けます。



その先に、私の世界があることを信じて。





敬具







2020/6/28

やまは/PΛWLO



にじそうさく03頒布
サークル:125cv³
GRADUS! より
Tr.3 Entrance(for 闇夜乃モルル)


Entrance

眩しい世界にサヨナラをして
灯り消した午前二時
汚れた抱き枕をまた濡らして
昇る朝日に怯えていた

『また明日ね、おやすみ』だなんて
僕を苦しめる天使は
こんな退屈な世界には要らないでしょう

気怠げに紡がれたその音色は
何故か僕の心を埋めた気がした
真紅のその瞳に手を伸ばした
闇夜の世界の入口はその《画面》の向こう

薄暗い世界にサヨナラをして
灯りを付けた午後八時
汚れた抱き枕は洗濯して
昇る月を眺めていた

『無理な物は無理なんだよ』って
無二を宣った悪魔が
退屈な舞台を真っ黒に染めてくれたんだ

気怠げに紡がれた音色が
七色になって虹をかけるんだ
2^8の矩形波と時を超えて
逆様に描かれた1と5は
真紅のペケで全部隠すんだ
闇夜の世界の入口はもう見つけられたかな

抜けきった炭酸、伸びきった乾麺
全てはもう戻って来ないのだと知った
君と出会った夏、君と別れた夏
全てはもう戻って来ないのだと知った
もう一度歌ってよ もう一度遊んでよ
もう一度叫んでよ もう一度笑ってよ
黒い尻尾揺らして 二色の髪揺らして
『みんなのこと、よろしくね』
そう微笑んで君は 消えた

七色の鳥の歌で
腫らした瞼と目をさます
僕の世界の入口は
きっとこのドアの向こう

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