教養日記5日目:グレート・ギャツビー
今日は志向を変えて教養をあげるための小説を紹介しようと思う。
その名も「グレート・ギャツビー」だ。
知っている人も多くいるだろうが、僕は全く知らなかった。
僕の同年代では知らない人が多いのではないだろうか。
グレート・ギャツビーとは
あらすじなんて調べればざっと出てくるだろうし、もう読んだことがある人にもプラスの教養になるために、他のことを話そうと思う。
「アメリカを代表する1冊を決めよう」としたときに、間違いなくその1冊の候補に上がるのがこの小説だ。
アメリカン・ドリームの本質を捉え、それを批判した、教養をつけるためにもぴったりな一冊になっている。
グレート・ギャツビーの文学的な素晴しさ
日本語訳の場合もう少しページ数が増えるが、原作はたった180ページで仕上げられている。
作者はこのわずかなページ数を細心の注意を払って巧みに活用し、無駄な言葉を可能な限り削ぎ落とした。
よって、作者の熱い想いだけが、濃い密度で保たれている恐ろしい作品だ。
しかも、その内容はスリラー小説と恋愛小説と推理小説の要素を兼ね備えている。それだけで読む価値のある本だということがわかるが、加えてこの教養日記にふさわしく。1920年代のアメリカの退廃ぶりを赤裸々に描き出している。まさに教養をつけるのに最適な一冊だ。
そして、余裕がある人はぜひ原作(英文)で読んでほしい。
原作は『英語で書かれた中でもっとも詩的な散文のひとつ』と言われている散文体で書かれている。
頑張れば中学生でも読めるかもしれない、原文を読むのはとてもいい経験になるだろうから、英語が苦手な人も、辞書を片手にぜひ挑戦してみてほしい。
日本語版のグレート・ギャツビーはどれを読めばいいか
最後に、日本語訳になっているグレート・ギャツビーの紹介をしようと思う。
現在、ある程度読まれているものでは2冊の日本語訳が出ている。
ひとつは村上春樹の訳。
もうひとつは野崎孝の訳だ。
こちらがオススメとは一概に言えないけれど、初心者向けとしては野崎訳がいいと思っている。
理由は、読みやすいから。
文学に親しみがある人や、村上調のファンならば村上訳の方でもいいと思う。まぁ、好きな方を選んでみてほしい。
もちろん、近くの図書館で借りてくるのもアリだ。買うか買わないかで迷うくらいなら、すぐに図書館に行って借りてしまった方がいい。そんな迷う時間が無駄だ。
まずは読め
さて、「教養日記」は読めば教養がつくものとして書いているが、今日の僕の仕事は「あなたにグレート・ギャツビーを読んでもらうこと」だ。
今回ばかりは読んでくれなければ始まらない。
最終的にあなたの中に教養がつけばいいのだからね。
あとはあなたの行動力を信じて丸投げしようと思う。
まとめ
ちなみに、今でこそアメリカを代表する一冊といわれるこの本だけど、初版の売上は2万部程度であり、商業的に成功した作品とは言えなかった。
本作品がアメリカ文学のみならず、世界の近代文学における古典として評価されたのは、作者の死後から数十年を経た後であり、再評価にいたるまで絶版になっていた時期もある。
ゴッホのようだね、全ての作品が作者の存命中に評価されるわけではないというこの世界の悲しい現実がよくわかる。
現代でこの名作が読める偶然に感謝して、ぜひ読んでほしい。