会社員とフリーって、どうよ

ごましおの半世紀のホンネ・第二弾
今回のお題は「会社員とフリーって、どうよ。」です。
(自分で自分の首を絞めるまたまた深いお題設定)
学校を卒業したら、どこかの会社に所属(入社等)をすることがデフォルトだった時代から、
派遣という働き方、起業をする働き方、そしてワークシェアリングやレンタル移籍・フリーランス等、働き方を自分で選択出来る時代になっています。
ごまは新卒から現在まで同じ会社に所属する会社員として働き、
しおは会社員の時期・フリーランスの時期と両方の働き方を経験しています。
働き方が違うだけで、働くということは同じ。
長く働いてきた今だからこそ、少しだけ会社員とフリーランスについて
お互いの経験を踏まえ、考えてみます。
「会社員とフリーって、どうよ。」


ごま的「会社員とフリーって、どうよ。」


「会社員とフリーって、どうよ。」と問われたら、
私が思うフリーランスは「需要があるスキルを持つ人の働き方」だ。
だからこそ、フリーランスで働ける人に対しては尊敬しかない。と即答する。

フリーで働いた経験は、ない。
新卒から現在までずっと会社員という働き方で働いている。
会社員という働き方が好きだから、ではない。学校を卒業したら会社員になることが「当たり前」の選択であり、その選択しかないに等しい時代だったから会社員になったとしか言えない。
そしてフリー、という働き方でやっていける自信もスキルも個性もない、だから会社員でいるのかもしれない。
働くために楽な選択をした、とも言える。ただ、世の中やっぱり楽あれば苦あり。
この年齢になって自分の働き方に疑問を感じている。

私が所属している会社には30歳・40歳・50歳時にライフマネジメント研修が用意されている。年代に応じたマネープランやマインドセット等を学ぶ研修だ。
全国の支社・支店の同い年の社員が本社に集合する社員交流の場でもある。
30歳時の研修は「婚活的要素を含めた出会いがあるやもしれぬ、ぐふふ。」と邪な期待もあり、割と気合十分に参加した記憶がある(私の参加会は全員女子、という結末)
40歳の時はさぼって欠席(あの頃は若干やさぐれていた)
そして、ついに先日、別名「黄昏研修」と呼ばれる50歳研修に参加をした。
職場や職種は違えど、同じ会社で一緒に働いてきた同い年の集まりだ。休み時間は様々な話で盛り上がるかな。最終日には飲み会とかあるかな、と若干の期待をしつつ研修室のドアを開けた。
瞬時に「しまった・・・来るんじゃなかった・・・・。」と思った。
悲しいかな、こういう時の直感ははずれない。
参加者は15人くらい。男性が若干多かった。
研修室内にはどんよりとした空気が流れていた。
黄昏時をとっくに通り越した感があった。
その場の空気になじめない自分ほ自覚しつつ、空いている席に着席をし、ゆっくりと参加者全員を見回してみた。
全員、どこかが似ている気がした。

研修の最後に参加者一人一人が今後の会社生活についての自分の想いを発言する、という時間があった。
使う言葉は違えど、全員が同じ内容を口にした。
「今までと同じように会社に貢献をして、定年まで勤めあげ、できれば雇用延長をして会社にいます。」
正直、私はこの人達と同じ職場にいるのはキツイなぁと思ってしまった。

会社員でいれば、正社員でいれば安心・安定。長いものには巻かれて、しがみついていれば安泰という時は平成で完全に終わっているのだ。そのことに気づかないフリをして、変わることをせず、死んだふりをして会社に居続けるのは、たぶん本人も周りも辛い。

会社員とフリーランス。
働き方は違えど、働くということは同じ。
私は会社員としての働き方しか知らないけれど、
長く働いてきた今だからこそ、これからは自分が納得した働き方や働く場所を選んでいきたいと思う。

しお的「会社員とフリーって、どうよ。」

前回、20代は何度か転職をしフリーのライターだった時期もあると書いた。
所属している組織からフリー(独立)になる場合、さまざまな理由があるだろうが大半は労働環境やお給料、そして人間関係によるトラブルが多いのではないだろうか。
私の場合も然り。
仕事は楽しいが上司との折り合いが悪く、朝仕事に行くのが憂鬱で「熱が出ないかな」、
「インフルエンザにかからないかな」などと本気で思い始めた頃に独立を決めた。

晴れてフリーの身となった当初は「これで好きな時に旅行に行ける」とか「自分のペースで仕事ができる」と喜んだ。
だが、結論から言うと、かと言って長期の旅行に出掛けたわけでもなく、ほぼ毎日、会社員時代と同じペースで仕事をしていた。当たり前だがフリーは働いた分しか収入がない。
けがや病気で引き受けた仕事をキャンセルするような事になれば、収入がなくなるのはもちろん、今後の仕事にも支障をきたすことにもなる。保障は何もない。
本業以外にも備品の買い出しからPCのメンテナンス、保険や年金の切り替え、税金の支払い、確定申告などすべて自分でやらなければならず、なかなか面倒だったな。(今は庶務課や総務課のありがたみを痛感している)
雑誌の仕事が多かったので昼間は取材に出掛け、夜に原稿を書く。そんな生活が何年か続き、今後もずっとこのペースで仕事をしていくのだろうかと多少の不安を覚えた頃に、今の会社へお誘いをいただいた。
30歳を目前に正規で雇用してもらえるのは、これが最後のチャンスかもという焦りもあった。

配属先は社長秘書。
慣れないハイヒールを履いて出勤し、まずやることは役員のジュース作り。
リンゴと人参をジューサーに入れフレッシュなジュースを絞る。飲み終わったグラスを洗ってしまえば、もう一日の半分以上の仕事は終了だ。
「私はジュースを作ってお給料をもらっている・・・」。
今までとのあまりのギャップに愕然とし、複雑な気持ちになったことを思い出す。
(もちろん今は違う)
あくまでも私の意見にすぎないが、フリーで仕事をしている方たちを見回すと、親が経営者、あるいは事業主という環境で育った人が多いように思う。
何か特別な教育でも受けているのだろうか。
そういう点から言うと、公務員家庭で育った私は会社員でいる方が性に合っているのだろう。
毎日が規則正しいベルサッサ生活(仕事終わりのベルが鳴ったらさっさと帰るの意味)。
多少の嫌な事はアフター5のビールと一緒に飲み込んで、翌日には持ち越さない健全ライフだ。
私の属する会社は、まわりからかなり遅れて今年からフレックス勤務が導入された。
あぁ、これで乗車率ほぼ200%の電車に乗らなくて済むと喜んだのも束の間。
「明日は少し朝寝坊しよう」とベッドに入っても、決まった時間にパチリと目が覚めるし、いつも家を出ていた時間になるとなんだかソワソワして落ち着かない。
結局今まで通りの時間に出勤し、通勤ラッシュの一端を担ってしまっている。
長い時間の中で飼い馴らされてしまった習慣は、そう簡単には変えられないものらしい。
“会社員の悲しい性(さが)”を痛感する今日この頃だ。


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