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ヴァーチャルキャラクター「洛天依」の話をしよう! −その1−

中国でもっとも有名なヴァーチャルキャラクター

「洛天依」(ルオ・テンイ)は中国で最も有名なヴァーチャルキャラクターです。ちょうど日本でいう初音ミクのような存在です。

タイトルの写真は2020年8月に横浜アリーナで行われたライブのワンシーンです。

彼女との出会いは2012年、日本で当時「洛天依」のIPホルダーであった会社の社長さんと会ったのが最初でした。当時僕は日本とアジアの諸国を行き来しながら、ARやVRを活用したライブイベントや映像表現でビジネスをしたくてその可能性を求めてもがいていた時期です。そんな時に彼女と出会い、生活の場を上海中心にすることにしました。彼女は今僕が社長を務めているLATEGRAという会社の礎(いしずえ)になった存在とも言えます。それはそれは大切で実際本当に可愛いヴァーチャルキャラクターです。

彼女が「中国で最も有名なヴァーチャルキャラクターである」と言えるのは、中国のテレビ番組でももっとも視聴者の多い中国国営放送CCTV春節(正月)歌番組(視聴率70%以上)に今年2021年に出演した中国史上唯一のヴァーチャルキャラクターであることで証明できるでしょう。

中国の情報は日本では極端に少なかったり偏っていたりするので、少し説明をすると、CCTVの春節歌番組は日本のNHK紅白歌合戦のようなTV番組です。NHK紅白歌合戦の視聴率が50%以上あった70年80年代とちょうど同じような国民的歌番組が今のCCTVの春節歌番組にあたります。出演者はもちろん中国全民族を代表する超有名な歌手が総出演します。その規模は人口の多さ、国土の広さ、民族の多様さ、そして予算の莫大さから日本人にはとても想像できないくらい大きな規模のテレビ番組です。

CCTV春節番組にLATEGRAが制作で関わる

昨年から今年にかけてLATEGRAの社員数名も中国に出張し、長期間に渡って北京に滞在し、洛天依がこの番組に出演するための制作を行ってきました。何しろ年に一度の看板番組な上にCCTVは中国国営放送なので、日本人が制作に関わるのも前代未聞な上に、LATEGRA社員は多民族なので色んな国の社員がこの番組の制作スタッフとして関わっています。北京現地の制作現場に入れる人数も制限されている中、東京でテクニカルスタッフやクリエイティブスタッフがインタネットを通じて遠隔からつながって昼夜無くサポートするという文字通り日中合作の番組出演になりました。中国の制作陣との文化的な違いもあってか、特にクリエイティブや表現におけるこだわりどころのコミュニケーションが難しく、増して通信環境が充分ではない中で、関わったスタッフ皆が知恵を絞って、ようやく出演を果たすことができました。中国のTV番組も4K(画像解像度)が標準なので、日本と中国でやり取りするデータ量がとてつもなく大きく、少しの変更や追加だけでも大変な時間がかかる作業になりました。ただこの困難な経験で得た知恵や技術的なノウハウもたまり、課題も明らかになり、今後の制作に活かせる副産物も生まれたのも確かです。

そもそもLATEGRAの歴史は、誰もが「これ無理なんじゃない!」と思うことを超えた時に、何かが大きく変化しそれが成長につながる歴史だったと、振り返ればそんなことばかりだったようです。(他人事じゃないけどww)

2014年湖南TV番組出演 これがすべての始まりだった

今でこそXRという言葉がいろいろなメディアや日常的に使われ、これからのビジネスには不可欠なテクノロジー的な扱いを受けていますが、今から10年くらい前2011年、2012年当時の日本では、ARやVRは一部の開発者に知られているくらいで、いわゆるメジャーと呼ばれるTVメディアやプロモーション系のイベントを仕掛ける広告代理店のクリエイティブの先端にいる人たちでさえほとんど鼻にもかけないテクノロジーでした。

ヴァーチャルキャラクターはというと、ニコニコ動画を見ている一部の若者(いわゆるオタク)が熱狂していたボーカロイド初音ミクが支持されてはいましたが、いわゆるマイナーカルチャーで、一部の海外メジャーアーティスなど日本の特異(奇異とも言える)な文化に敏感な人が興味をいだいていたくらいの存在でした。

そんなAR&VRテクノロジーとヴァーチャルキャラクターが出会い、最初に花開いたのは日本ではなく中国でした。

書き始めたら長くなって、ZOOMのミーティングも始まりそうなので、この続きは、明日書きます。。。つづく

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