踵がぱっくり裂けた夢
見た夢をそのまま書く。
※事前情報:
足の裏にタコ(胼胝)ができやすい僕は、スピール膏(貼って柔らかくするパッチタイプの薬剤)を貼った後に、柔らかくふやけた部分を鋭利なもの(だいたいボールペンとか)でほじくって、タコの芯を取るようにしている。
ん?
おかしいな。
幽体離脱したように、僕は自分を天井くらいの高さから俯瞰で見ている。
おかしいな。
僕のタコは踵にはできない。
僕のタコはだいたい足指の付け根の、しかも小指側にできる。
スピール膏でほじくって取れても、何度も再発する。体重のかかる部分がもう決まっているから。いたちごっこ。
小指側にタコはできるはずなのに、僕は踵の裏をボールペンの先で何やらつついている。
おかしい。
踵にもタコができたのか?
踵にできるはずはないのにな。
天井から僕は僕を見ている。
どのタイミングなのか、僕は僕の目線に戻っている。
僕は夜中のベッドで片あぐらをかき、ボールペンの先で踵をほじくっている。
いやいや、踵にスピール膏はつけてないよ。
スピール膏をつけてたらふやけて柔らかくなったところをほじくれるけど、つけてないんだから。普通のとこをほじくったら痛いから。
いやなんかほじくれるし!
ボールペンの先が踵の皮膚にめり込み
ぶりんっ
しっかりボールペン先端から掻き出されてぱっくり裂けた。
5cmの裂け目
何センチかの深さ
スピール膏してないのに痛くない!
スピール膏してたらそこの神経はある意味死んで、ほじくるときは痛くないんだけど、スピール膏してないのに痛くない!
戦争映画みたいな裂け方をしたのに、僕は片あぐらをやめてベッドに横になって布団を被った。
(どうやら血は出てない)
僕は布団を被り寝入る前の微睡みを感じながら、ついおでこのニキビを気にして触る癖のような手つきで、ぱっくり裂けた踵を、布団の中で体をよじりながらさわさわした。
(あぁ、これは治るのに時間かかるぞー)
外科医でもないのに外科医が傷の予後予測をするような感覚で思った。血が出てない異常。
(あぁ、これで歩いたら痛いだろうな…)
当たり前の感性は持ち合わせているようだ、どうやら。