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CX-8を衝動買いしてテンションが上がっただけの話

車購入の記事は思ったよりもあった。
それだけ、書かずにはいられない体験なのだ。
私も心理学とか何も考えず、ただただ車を買った話をしたい。

「年末年始どうやって帰省する?」

え。新幹線以外なんかあんの。

夫が車を提案してきたが、我が家の車はこんなやつだ。
設備屋の夫が社用で使っている。

作業車だし、後部座席ないし、暴れん坊2人を連れて関西→関東なんて身体中が痛くなる。

時は12月。

「じゃ、車買いに行くか」
と近所のMazdaに行った。

私は免許を取るのに2年を要し、高速実習で自分の運転でゲロを吐いた。
もちろんその後、ほとんど運転もしていない。
車の買い方なんて、全く知らなかった。

売っている店に行って、「あ、これ、いい~」
「買い~」で乗って帰れると思っていた。

靴だって新しいの履いて帰れるっしょ?
え、同じっしょ?

初日軽作業車で、家族4人で突然来て、
「車、年内に欲しいんすよねー」
と言った我が家に、ディーラーは新人をつけてきた。

新人が自己紹介の用紙を持って吹奏楽の話を始めた。
え?なに?
なんで?
あなたのことを深く知らなければらなければならないほど、長い付き合いになるわけ?
今日すぐ乗って帰れないの?

MAZDAの初日は5時間かかった。
なのに、車に乗って帰るどころか、決まらなかった・・・

新車はすぐに手に入らない。
12月に買って、納車は3月だそうだ。

年末年始車で帰省できないじゃん?
「じゃあ、中古車でもいいです。すぐ手に入るものください」
頭金は?

ん?
なに?そんな信用ない?
ないよね。
いくら払うのか分からなかったから適当に言った。
「百万で」

新人から及川光博みたいなマネージャー(以下ミッチー)に代わった。
中古車を一生懸命調べてくれた。
でも決まらなかった。

仕方ないから、もう一度行った。
休みの取れた平日に私がひとりで。
ママチャリでMAZDAに乗りつけた。

初日5時間かけて絞り込んだ候補は2台。
最終決定者は私。
早く決めないと年末年始の移動に間に合わないのだ。

で、買った。
12月に手に入る中古車を。

CX-8はもともと欲しかったけど、それは色とバックのライトがかわいいからだった。
なのに、色も選べなかった。
ただこんなに長い時間いっぱいの人を煩わせて、検討するのもだるかった。

「帰りに写真撮ってもいいですか?」
私が尋ねるとミッチーが新人に叫んだ。
「鍵を!!」

「さ、どうぞ中まで思う存分お撮りください!」
ミッチーがドアを開けてくれる。
携帯の写真を撮る私をミッチーと店長と新人が寒空の下スーツ姿で手を前に組んで見守る。

あ…もう大丈夫です。
そ、そんなつもりじゃなかったんです。

帰り際ママチャリに乗った私を、
ミッチーと店長と新人が深々とお辞儀して送り出した。

車はまだ手に入らなかった。
クリスマスになるそうだ。

でもテンションは上がった。
BTSを聴きながらママチャリで爆走してシャンパンを買った。
帰宅して家族に鼻息荒く報告した。

へぇ〜
やったね〜

みんなそんなに興味がなかった。
目の前に車がないのだ。

運転する夫ですらイマイチだった。
仕方ないから一人でシャンパンを空けた。

7人乗りだ!!
かっこよかった!!
でかい!!

写真をサカナにして、
シャンパン片手に夫に言った。
完全にエンジンがかかっていた。

「私、座右の銘をMay the force be with youからBe a driverにする」
夫は言った。

へぇぇ〜。

こんなテンションの上がり方は車衝動買い以外で感じられない。
強いストレス解消方法だ!

と同時に気づいた。
あれ。わたしずっとテンション上がってる。
交感神経しか使ってない。
ギンギンで爛々。

最高のストレス解消と思った手段は強いストレッサーでもあった。

ADHD傾向の人が車を衝動買いするとこうなった。
残ったのは、ローンと来年度の仕事を増やすための転職活動。
二日酔いの私。

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