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「負けず嫌い」と発達障害

突然ですが、私には小1の息子(仮名ぶんた)がいます。

ぶんたは最近「負けず嫌い」と評されることが増えました。でも、ずっと一緒に見ている母親からすると「負けず嫌い?」違う違う!と思いました。

ぶんたの生育歴

0歳から保育園生活を送り、すべてのスケジュールに適応できませんでした。2歳で先生から「発達障害があると思うので、しかるべきところへ相談に言ってください」と言われました。当時は集団に入らない、園の時間に合わせられない、気持ちが切り替えられないの3点あたりを言われました。出生から2歳までの成長もいわゆる人並み、ずば抜けて遅れているものはありませんでした。ただ、夜泣きがひどかったです。6時間でも平気でギャン泣きしていました。いわゆる「育てにくい子」と言われてきました。

自治体の保健相談に行き、小児科医にもみてもらいました。健診でも聞いてみました。ですが、小児科医はみな「診断には当たらない」と言いました。児童精神科に行き、K-ABCと問診等の検査もしました。結果「定型(普通)の範囲内」でした。知的には高い方ですらありました。

診断のない発達「傾向」の子に何を提供するか考えた

私は心理士という立場を生かし、いろいろと支援策を考えました。結論として「療育」から「放課後等デイ」への道筋だけをつけることにしました。その理由をいくつか示します。

①発達障害はスペクトラム。

保育園で担任が変わっても毎年「発達障害だ」と言われるだけの問題行動を起こしてきました。自分からではないものの他児に暴力も振るっています。本人が集団への適応困難であることは分かっていました。小学校に上がればそれはもっと顕著になることは見えています。

②我が家は共働き。放課後の居場所は必須です。

学童に入れる?学校内にある預かり場にいてもらう?どちらも狭い空間にあふれるほどの子どもがいます。自分の空間に入られるとすぐにキレるぶんた。ものを取った取らないですぐにトラブルになるぶんた。やりたいものが視界に入ると人にぶつかっても平気で進むぶんた。自分の空間が確保された中で、自分のペースで過ごせる場が必要です。

③学童に入所拒否された。

学童保育は非常に低予算で、スタッフ1人で数十名の子どもをみていることもざらです。しかも狭い空間で子どもは年齢層幅広く在籍しています。そんな中、発達障害傾向の児童はトラブルを起こすリスクになるといわれました。こちらとしても、みることができる人がいないところに無理にお願いしてもどちらも不幸になると思いこちらからも辞退いたしました。

ようやく「負けず嫌い」の話

小学校に入り、なんとか登校しています。ですがあちこちでこんなことを言われるようになりました。

「一生懸命頑張るが、×や負けを認められない」

「完成度をこだわりすぎてみんなの時間に合わせられない」

うん。うん。納得です。母親も見てきました。ですが、一方でフォローとして言われるこの流れ。

「負けず嫌いはいいことだよね」

これはちょっと違うかなぁ・・・

たしかに人は負けず嫌いによってアスリートになったり、アーティストになったりします。それ自体は素晴らしい。結果が出ています。

彼らは勝つために、上に行くために努力します。

だから勝利が、MVPが、再生回数がついてくる。

でもぶんたのそれは違います。

「負け」や「失敗」を認めたくない。

その切り替えができない。

ただ単に、いやになった気分を自分ではどうにもできないから人に当たる。

勝ちへのこだわりというよりも、予測と異なることへのいら立ち。

悔し涙というよりも、整理できない情緒の垂れ流し。

美しいストーリーではなく、刺激への反応があるだけ。

どこで違いを判断するのか

ぶんたを見ていて、負けず嫌いと負けず嫌いのようなものの見分け方を見つけました。

それはただひとつ。

勝ちに向かって継続的な努力をするかどうか。

努力をする子は負けず嫌い。

その場で怒るだけの子は反応の範囲内。

その背景には発達的な偏り、知的水準、保護者の教育方針、周囲の環境、経済的状況・・・様々な要素が考えられます。

さあ、うちの子は何なんでしょう。

それと、本当にずっとこのままでしょうか。かかわりによって何が変わっていくのでしょう。

その実践報告はまた別の記事に書きたいと思います。

最後まで付き合ってくださってありがとうございます。

前回いいね!をいただいてとてもとてもじんわりしました。

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