『もうひとり』



ろくでもない人間がいる。お前である。



お前だよお前。
今、画面越しから
この文章を目で追っている『お前』のことだ。


『私』は誰かって?

『私』は『お前自身』だ。


人生の壁にぶつかりもせずただのうのうと生きて、なんとなく続く毎日の繰り返しをただただ過ごしているだけの『お前自身』だ。

嫌いな自分を見て見ぬ振りして、他人を羨み一丁前に劣等感を感じてる。時々過去を思い返しては「あの時こうしてたら」だの「もしもこうだったら」だの自分に都合のいいだけの妄想を繰り返してる。
意志が弱くて引っ込み事案で小心者で嘘つきで優柔不断で不器用な『お前自身』だ。

思い出したか?『私』の存在を。
いくら見て見ぬフリをしても、どこに逃げても
お前のいる場所には「私』がいるんだよ。

もちろんこの文章を読んでいる今この時もだ。
いつもお前のそばにいる。当然だろう?
『お前自身』なんだから。
あなたが起きてる時も寝てる時も。ずっとだ。
ずっとそこに。いつまでもそばにいる。

なのに見向きもしないだろお前。自分の嫌いなとこも嫌なとこも蓋をして見ないようにして。それいつまでやってんだ?
ガキじゃないんだからそろそろ向き合え。

自分の過去や嫌いな部分を否定して強くなるんじゃなくて、それらと向き合って初めて人として成長するんだ。それができないならお前はいつまでたっても子どものままだ。
18歳、20歳になったから大人になるんじゃない。それまでに大人になれるよう準備しとけってことだ。
大人にならざるを得なくて大人になるのと、自ら大人になるのとは違うんだ。お前はどうだ?
子どものままでい続けることと、子どもの心を持ったままでい続けるのは違うんだ。お前はどっちだ?

自覚がないなら教えてやる。お前は1秒ずつ『死』に近づいてるんだ。起きてる時だけじゃない。寝てる間も。どこで何をしていても。
いつかやろうと思っていることも結局できないまま死んでいく。まぁだから何とは言わんが、それを自覚して生きろってだけだ。そうすれば自ずと行動も変わるだろ。

どの道を選んでも後悔はする。選択しても後悔しないほどの選択肢なんて大した選択じゃない。本気で思い悩んで、それが人生にとって大きいほど同じだけ後悔する。どの道を選んでも後から「あの時」って思う。お前の見てきた人。知ってる人も知らない人も。それぞれ過去に選択と後悔がある。全員がそうだ。

選択は辛い。一歩前に踏み出すのは怖い。他人が簡単に踏み出せる一歩を踏み出せない時もある。だからといっていつまでもその場で立ち尽くしてるつもりだ?いくつだお前?何年そのままいで続けるつもりだ?ほら誰かも言ってたろ「卵を割らなければオムレツは作れない」って。おい、知らんわそんな言葉って顔するな。


ん。ともかくだ。いい加減『私』と向き合え。
そして決めろ。お前がどうあるべきか。
わかってるだろ。どれだけ避けて逃げても解決してくれるのは自分自身しかいない。
他人に選択され得た幸せなんて意味ないからな。それこそ自分で選ばなかったことに後悔する。
別にすぐとは言わん。いつでもいい。
私はいつでもお前のそばにいるからな。


けどこれをきっかけにしないとお前は二度と自分と向き合わなくなるぞ。ここまで言われてやる気にならないなら私もお手上げだ。一生そのまま、嫌なことを見て見ぬ振りしながらなんとなくの人生をのうのうと生きたらいい。今のお前にはお似合いだ。『私』のことも綺麗さっぱり忘れたらいい。

けどな。
お前が『私』を忘れても。
『私』はお前を忘れない。

これからの行動に期待してるよ。
またな。『お前』。

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