好意の錯覚

私を好きになるような人間なんて大っ嫌い。

と、あえて言い切っておきましょう。
likeであれloveであれ私なんかを好きになるだなんて、節穴にも程がありますよね。見る目がない。

これはずっと私の奥底でいつからか根を張り続けている「好意の錯覚」というお話。

私を嫌えない全ての人へ

あなたは私の何を良いと思っているのでしょうか。


私はこれまでの人生。「好き」と言っていただけることが幾度とありました。likeも然り、loveも然り。ありがたいことに。ここだけの話ファンだと言われたことも何度かあります。
けどそれを私は「私自身」に向けられた言葉なのでしょうか。


きっと良いと思ったのはその「行動」や「状況」だっただけで「私自身」じゃない。その状況や行動がたまたま私だっただけで、「私自身」への好意ではない。
そして「行動」なんて損得勘定での行動かもしれない。ただの気まぐれかもしれないし「状況」が良かったなら私である必要もない。


じゃあ「私自身」への好意って何なんだってなるんですけど。

例えば嫌いな人って「人」が嫌いなわけなんじゃなくて「行為」が嫌なんじゃないかなって思うんです。自分の中で嫌いな行為があってそれをする人が「嫌いな人」になる。
それと同じで好きな人って「人」が好きなんじゃなくて「行為」が好きなだけなんじゃないかなって思うんです。
自分がその人を好きになった理由が無くなった時、それでも「好き」と言えるものなのでしょうか。


誰かと対面していてもそれは私のほんの一面で、そんな私のわずかな一面だけで私の全てを見た気になって好きと言われてもね。こっちはあなたが思っているような人間じゃないんですよ。ひどく弱く無知で愚かで浅はかで自分勝手で最低な人間です。

私のことを嫌いと言う人も変わりませんけどね。そんな私のほんの一面で嫌いだなんて。私のことは私が1番分かってますから、あなたよりも私の方が断然自分のことが嫌いです。私は私を全部知っているからこそ、自分を好きになれません。

昔のアカウントで、空想のキャラクターが愛されているなら中身は絶対に見せてはいけない。求められてるのは私ではないから。好きと言われてもそれは私自身が受け入れられているわけではない。
なんて話をある方にした時、言われたことがあります。

「人間なんて実際に会ってる人含めみんなそうなんです。親ですら知らないことがあって、自分ですら自分がわからなくなることがあるんですよ。思ってるような人間じゃないことはみんな知った上で交流してるんです。あなたの全部を受け入れて愛されたいのであればそれができるのは自分しかいません。」

あのアカウントをしてた中で忘れられない言葉の一つですね。聞いた時すごいなって思った記憶があります。こういった方が絡まった糸を解くんだろうなって。

けど残念ながら私はどうしても自分を受け入れることはできません。私は私を好きになれない。だからこそ好きになられる資格も、愛される資格もないのです。

人間ですから、「寂しい」や「愛し愛されたい」って気持ちが全くないわけではありません。私は寂しがり屋で人とくっつくのが好きなので、むしろ他の人よりもそういった思いが強いかもしれません。
けどそれを誰かに言いたくても、それは私が感じていい感情ではない。誰かに向けても、誰かに向けられていいものじゃない。
それで私が誰かを求めても、結局それは私の「寂しい」という欲を満たしたいだけなんです。
誰かを好きになっても、私の寂しさを埋め合わせてくれるから好きなだけで、結局誰でもいいんじゃないかって。きっと「その人自身」への純粋な好きにならない気がして誰かを求めることに躊躇いが出てしまいます。

人間は「愛する」よりも「愛されたい」生き物ですから、「好き」も「愛してる」も、自分も好かれ愛されたいから伝えるようなものなんじゃないかって。捻くれすぎですかね。そんなに的外れでもない気もしますが。

「好き」は必ず変化します。絶対に続かない。恋人が長く一緒に居続けられるのは「愛」に変わるか「情」に変わるかです。

私が人一倍寂しがりでも、それを満たすために人を求めてはいけない。求められない。結局それは誰かを「好き」なのではなく自分が満たされたいだけだから。
これが私の根底にある。人からの好意を受け入れることのできない原因ともなる、本来の意味でいう性癖の一つなのかもしれません。

さて、まとめきれていませんがここらで。
最後まで読んでしまいましたね。
こんな長くめんどくさい文章を最後まで読んでしまうような人は、なんだかんだ私を嫌えない人なのでしょう。お気の毒様。としか言えません。厄介な生き物に知り合いましたね全く。
これを読んでいるあなたもきっと私に散々振り回されてきたのでしょう。私の何が良くてかは知りませんがまだ私と関わる気があるようで。物好きですね。

けどなんだかんだ私と関わってくれるあなたが、私は大好きです。

それでは。ばいばい。