富岡の砂を配達します

福島県の浜通り

なので富岡町には海がある

うん、それはみんな知っていると思う

だけどね、砂が ここはすごい

知ってた?

砂時計のあの砂 粒が細かくて手のひらからこぼれ落ちる感じ

それにね、どこまでも沈んでいっちゃうんじゃないかと思うほど抵抗感がまったくない

すごく身体に馴染む

だからあの砂になら沈んで行ってもいいと 身を委ねてしまう

常にポケットに入れておきたい

それでずっと手を入れて触っておきたい

甲子園の球児が砂を持ち帰る気持ちが少し違う意味で 
でも同じような熱量を持ってわかる


だけど生活の中で あの砂の感触を思い出す瞬間がない

ないというか 思い出させてくれない

震災後にできた 大きな堤防

その上に立って やっと

波の音 海から吹く風 舞いあがる砂

自分が脅かされることを 全力で楽しんだ

だけど 数年後には 防災林が生い茂る


隠されること それが 守られること

見えなくなること それが 守られること

忘れること それが 守られること

守 「られる」

意味 : 受け身 可能性 自然に



私が言いたいのは 富岡の砂が最高だってこと

遠くにいるあなたにも 届けたいってこと  

だから配達しますってこと


これは犯罪になるのか? 

でもさ、きっと段ボールに入れても 
あの砂は隙間からもれ出て 届くことはないかもしれない

だからそれなら 大丈夫でしょ?

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