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とにかくバスがイヤな人のためのカシマスタジアムアクセスガイド

県立カシマサッカースタジアム。言わずと知れた鹿島アントラーズのホームスタジアムである。Jリーグ開幕の1993年に誕生した日本初の本格的なサッカー専用スタジアムで、スタンドのどの位置からも迫力あるサッカーを間近に楽しむことができる。

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サッカー観戦環境においては国内トップクラスだが、アクセスとなると話は別で、「陸の孤島」だの「鹿国」だの言われたりもすることがあるほど、アクセスの評判は今一つだ。

ホームタウン周辺以外から、特に東京からカシマスタジアムに向かう場合、車以外の手段といったら、東京駅から出ている高速バスか電車かの2つになる(ヘリもあるが!)。東京周辺に住む鹿島アントラーズのファン・サポーターも、多くが東京駅からの高速バスを利用してスタジアムに向かう。東京駅から、事故や渋滞がなければ、2時間くらいで到着する。しかもバスを降りて一番近いゲートまでは歩いて5分もかからない場所に停まるほどに利便性が良い。

では、バス以外ではどうか。「電車でカシマはありえない!」という声もよく聞くが、バスが好きではないという人もいるだろう。このコロナ禍でバスは密になるかもしれないと敬遠したい人もいるだろう。もしかしたら、高速道路が事故等で封鎖されて、バスでは行けないことだってある。電車でカシマスタジアムに向かう場合、どのようなルートがあるのか、考えてみた。

起点は品川駅とした。

※電車の本数は多くないので、時間によってはこの通りでないかもしれません。実際に利用する場合は、出発時間にあわせてご自身でご確認ください。
※鹿島サッカースタジアム駅は試合日のみの臨時営業駅。
※運行に関する表記は、すべて2021年6月現在。

とにかく早く"行けそう"なルート

【JR品川駅】成田空港行(横須賀線/総武線快速)→【JR成田駅】銚子行(成田線)→【JR佐原駅】鹿島神宮行(鹿島線)→【JR鹿島神宮駅】水戸行(鹿島線/鹿島臨海鉄道大洗鹿島線)→【JR鹿島サッカースタジアム駅】

うまくいけば、2時間半くらいでカシマスタジアムに。ポイントは品川駅で1時間に1~2本ある成田空港行きに乗ること。そうすれば、成田駅まで乗り換えなしで行くことができる。
ただし、成田駅から先の乗り継ぎがうまくいかないと、香取駅でびっくりするくらいの待ち時間になることがある。その時は(諦めて)一駅手前の佐原駅でいったん降りて、観光することもいいだろう。江戸時代に栄えた町並みが楽しめる(古い町並みまでは歩いて15分くらい)。

とにかく安く"行けそう"なルート

【JR品川駅】東京方面行(山手線、京浜東北線)→【JR日暮里駅/京成日暮里駅】成田空港行(京成本線特急)→【京成成田駅/JR成田駅】銚子行(成田線)→【JR佐原駅】鹿島神宮行→【JR鹿島神宮駅】水戸行(鹿島線/鹿島臨海鉄道大洗鹿島線)→【JR鹿島サッカースタジアム駅】

上野〜成田はJRと京成線が走っている。途中のルートで、JRでなく京成線を利用すると、100円近く安く行ける。乗換回数は増えても1円でも安く行きたい場合は検討の余地はあるだろう。日暮里駅は駅構内で乗換ができるが、成田駅は駅間が200mくらい離れている。駅周辺にコンビニやドラッグストアなどがあるので、買い忘れをしてしまったときはとてもありがたい。
※JR/京成の乗り換えは上野でもできるが、駅間が離れていること、お得感が少ないことより、日暮里乗り換えとした。

とにかく乗換を少なく行くルート

【JR品川駅】勝田行・水戸行・高萩行など(特急ときわ、上野東京ライン・常磐線)→【JR水戸駅】鹿島神宮行(鹿島臨海鉄道大洗鹿島線)→【JR鹿島サッカースタジアム駅】

水戸回りで行けば、たった1回の乗り換えでカシマスタジアムに。特急ときわは1時間に1~2本、上野東京ラインも1時間に1~2本が運行している。ほかのルートが東を目指すのに対し、一度、北東に進み、南下するのが特徴だ。その分時間はかかるが、試合日に乗換回数を1回で済ますにはこれ以外ない。

電車で行くからには駅ナカでそばでも食べてくか!な人向けルート

【JR品川駅】東京方面(山手線、京浜東北線、上野東京ライン)→【JR上野駅】取手行・成田行(常磐線快速)→【JR我孫子駅】成田行(成田線)→【JR成田駅】銚子行(成田線)→【JR佐原駅】鹿島神宮行(鹿島線)→【JR鹿島神宮駅】水戸行(鹿島線/鹿島臨海鉄道大洗鹿島線)→【JR鹿島サッカースタジアム駅】

ここから先はちょっと話の路線が変わるが、"直行しない"というのをメリットに捉えて、途中を楽しむこんなのもいかがだろう。

沿線で駅ナカで食べられる立ち食いそばが評判といったら、我孫子駅。大きな唐揚げが入った「唐揚げそば」で有名な弥生軒がある。
上野駅から運良く成田行の電車に乗った場合も、一度途中の我孫子駅で降りて、そばを食してから成田に向かってほしい。次の電車の時間を確認した上で…。

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ついでに観光もしていきたい!な人向けルート

【JR品川駅】成田空港行(横須賀線/総武線快速)→【JR成田駅】銚子行(成田線)~【JR銚子駅】成田行(成田線)→【JR香取駅】鹿島神宮行→【JR鹿島神宮駅】水戸行(鹿島線/鹿島臨海鉄道大洗鹿島線)→【JR鹿島サッカースタジアム駅】

カシマスタジアムに行く途中という条件の中で観光らしい観光を楽しむなら、銚子もお勧めだ。水揚げ量日本一を誇る銚子港があるだけあって、豊富な種類の新鮮な魚が楽しめる。銚子駅から出ている銚子電鉄は全長6.4km、約20分で楽しめるまさにローカル線の旅という体験ができるだろう。君ヶ浜や犬吠埼、ちょっと遠いが屏風ケ浦も行くことができる。完全に1日プランである。

観光という点では、カシマスタジアム周辺に鎮座する鹿島神宮、香取神宮、息栖神社に参拝する東国三社巡りもお勧めしたいところだが、試合と絡めて効率よくという条件がつくと、東京駅からとエリア内でバスを利用することになるので、ここでは声を小さめにして、でも一応挙げておく。19:00キックオフの試合なら、観戦に加えて東国三社巡りを楽しむことも可能だ。

番外編

【JR品川駅】鹿島神宮行(横須賀線/総武線快速)→【JR鹿島神宮駅】

実は、平日の1日1本だけ、横須賀線/総武線快速に鹿島神宮行がある。品川駅18:02発、鹿島神宮駅には20:29に着く。この時間からキックオフの試合はさすがにないので、このままカシマスタジアムに行くことはできないが、金曜日に鹿嶋市へ入り、土曜日は観光をしがてらスタジアムに向かうということもできるだろう。
(画像は東京駅。東京駅だと18:10発)

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【JR新宿駅】鹿島神宮行(総武線)→【JR鹿島神宮駅】

番外編としてもう一つ。5月下旬から6月中旬に、カシマスタジアムのある鹿嶋市のお隣、潮来市や香取市で開かれるあやめ祭りの開催に合わせて運転日限定で走る臨時列車がある。特急「あやめ祭り号」だ。出発駅は都内だと新宿、秋葉原、錦糸町になるが、鹿島神宮駅まで直通運転の上、停車駅も少ない特急は、ちょっとしたスペシャル感を味わうことができるだろう。

まとめ

カシマサッカースタジアムまで電車で向かう途中で出会う景色は、水田だったり一級河川だったり湖だったり生い茂った木々の間だったり、季節によってもその表情を変える自然だ。ぜひ楽しんでいただければ。
また、年に3回、電車派にはお得な時期がやってくる。「青春18きっぷ」の期間だ。東京方面からカシマスタジアムまでは、JRだけで行くことができるので、この期間は特に電車でぶらり途中下車の旅をお勧めしたい。成田、佐原、銚子もいい。18きっぷでは対象外だが、鹿島臨海鉄道を使って行く大洗だって見どころたっぷりである。

だが。普通に考えたら、やっぱりバスが便利なんだろう。
せめて試合日くらいは東京から鹿島サッカースタジアム駅、それが欲張り過ぎなら鹿島神宮駅まで直通運転してくれたらどんなにラクなことか・・・とぼやきつつ、やっぱりわたしは電車でスタジアムに向かうのである。