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日本のワクチン接種は1日120万回に到達か アメリカに迫る接種ペース

日本の接種回数は既に1日100万回を突破

 日本国内のワクチン接種回数について、河野ワクチン相は現在1日120万回程度の接種を実施できているとの見方を示した(URL)。ゴールドマンサックスのレポートの6月9日付のリポートでは8月に120万回に達するとしていた(URL)ほか、朝日新聞も5月29日に「100万回達成は実現しない」という趣旨の記事を配信していた(URL)が、こういった想定を大きく上回るペースで進んでいるようだ。

 例えば、6月16日の接種数は6月28日時点で約109万回と計上されている(首相官邸)。接種が進んだ現在はこれ以上の接種数を記録していると考えられる。6月28日に公表された6月28日分の接種回数は約80万回だが、これまでの数字を見るに、後から40万回分ほど追加されると思われ、120万回ほどに到達している可能性が高い。(例えば、6月17日の一般人接種数について、6月17日時点では約56万回だったが、6月28日時点では約97万回まで積みあがっている)

 120万回というのは、1万人あたり約95回のペースで接種を実施している計算になる。これが続けば半年ほどで希望者全員への接種を完了させられる可能性があり、11月接種完了の政府目標(URL)が現実味を帯びてきた。

 なお、首相官邸が公表している1日あたりの接種報告数は、前日からの増加分で165万回を超えている(首相官邸、6/28)が、これは遅れて報告される過去分も含めた数字だ。河野大臣によると、供給量に応じた接種可能最大数は1日あたり150万回だという。これは1万人あたり約119回の接種を1日で行う計算になり、アメリカのピーク時のペースに迫る。

米国は接種者が5割にとどまるが効果あり

 アメリカ(人口3億3100万人)では、4月8日に1日の接種回数で436万回を記録した。1万人あたり約132回の接種を1日で行った計算になる(CDC)(米国でも曜日ごとの波が1週間おきに存在し、この週は週平均では340万回のピークを記録している)。これ以降は、接種が進んだこともありペースが鈍化し、現在は1日あたり60万回程度の接種を行っている。

 ただし、累積の接種回数は3億2440万回ほどで、1回以上の接種を実施した人は約1億7962万人(人口の約54%)、そのうち接種を完了させた人数は約1億5378万人(人口の約46%)にとどまっている。ワクチンを全国民が接種しなくても、一定数の人が免疫を持てば感染拡大を防げるという「集団免疫」を実現するには、感染を防ぐ免疫を人口の7割くらい、あるいはそれ以上が持つ必要があるとされる(参考URL参考URL)。ワクチンの感染予防効果が8割だと仮定すると(参考URL)、接種者が人口の5割にとどまれば、感染予防効果を発揮する人は人口の4割にとどまる。

 だが、米国で報告される新規感染者数は、1日平均1万人程度にとどまっている。ピーク時は30万人近い報告数があったのと比べると驚くべき効果だ。ロックダウン政策も緩和されており、人口の半数ほどへの接種であってもワクチンの効果が十分あると分かる。

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