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フィギュアを生き生きとさせるには?

Animistでの活動が、5ヶ月目になりました。

コマ撮りアニメーターの山中みさきです。


9月からほぼ毎日撮影をして作品を作り続けてきましたが、今週は珍しく撮影をお休みしております。

篠原さんにお願いをして勉強期間を設けていただいたのです。


撮影を繰り返す中で、

アニメーションについて勉強したい

という思いが出てきました。


感覚でフィギュアを動かしてうまくいかないことが多くあったので、

基礎的な知識や物理的な法則などの ”言葉で説明や理解ができるもの" を頼りたくなったのです。


本やネットで調べたり、作品を見返したりしていたところ、今後の撮影で役立たせたい情報があったので1つ紹介しようと思います。

(増補アニメーターズサバイバルキットを参考にしていますが、こちらの本は主に2Dアニメーションについて書かれているものなので、個人的にコマ撮り用に都合よく解釈している部分があります。ご了承ください。)



◯動き始めと動き終わりの中間について複数のルートを考えてみる。

これは、アニメーターズサバイバルキットの中で、「動きにメリハリをつけて生き生きとさせるための手法」の一つとして書かれているものです。


説明のために、過去作を用意しました。↓

作中8秒あたりの、”五条先生が振り向く動作”を例にします。


見ていただくと、振り向く時の頭の動きが、A→Bへ水平に回転しているだけであることがわかるかと思います。

五条0203

アニメーターズサバイバルキットでは、A→Bへ一直線へ向かうのではなく、

動きの最中に一工夫することを提案しています。

例えば、

・頭を傾ける

・少し視線を落として(顎を引きながら)振り向き始めてパッと顔を上げる

・頭が跳ねるように緩いアーチを描きながら振り向かせる

などでしょうか。


篠原さんの作品の中で参考になるカットがありました。

はじめの禰豆子が振り向くカットです。

素早い振り向きの中で、顔が下向きのアーチ状に動いていますよね。

水平に振り向くだけよりも、顔を上げるような動きがあることで禰豆子の顔が印象的に見えますし、瞬きも相まって、短いカットでありながら可愛さがよく伝わってきます。


このように、振り向くというシンプルな動作の過程に丁寧な工夫を付け加えることで、より生き生きとした動きになるみたいです。


しかし、注意すべき点もあります。

それは、キャラクターやストーリーによって加減をすることです。

大人しいキャラクターが大男のようにドスドス動くのは避けるべきでしょう。

使い所を見極め、状況に合わせたボリュームでアニメーションに取り入れること。それこそが重要だと書かれています。


この記事のテーマである ”動きの中間について複数のルートを考えてみる” というのは、魅力的な動きを作るために必要な作業であると気づきました。

今後は、

・単純な動作であっても一工夫を加えられるか吟味する。

・動きを設計する段階でイメージをいくつも膨らませる。

・イメージしたものをそれぞれ比較して、その中からより良いものを選択する。

そのことを頭に入れてアニメーション作業をしていきたいと思います。



山中みさき

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