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海の成立過程が地球と同じならば、ミマスにもやがて生命が誕生する可能性があるってことなのでしょうか?

 2月10日の朝日新聞デジタルに、「「氷の星」に謎の海が存在か 土星に最も近い衛星ミマスを観測」という記事が出ています。元ネタは、Nature626, pages280–282 (2024)掲載の”A recently formed ocean inside Saturn’s moon Mimas”というタイトルの論文です(ただ、こちらは有料で概要部分しか読めませんので、Nature Briefing newsletterのこちらか、Nature Japanのこのページの方がより詳しくわかります)。

 土星に最も近い軌道を公転しているミマスは、直径400キロの小さな衛星で、クレーターのある氷の地表を持つ地下には、海洋が隠れている可能性があるということが、カッシーニ探査機によるミマスの観測データから判明したそうです。
 その内容は、「ミマスの回転運動と軌道の変化が、この小衛星の内部の影響を受けていることが明らかになった。ミマスを固体とするモデルを採用するには、岩石コアが引き伸ばされ、ほぼパンケーキのような形状になっている必要があるが、これは観測結果と一致しない。ミマスの位置を測定した結果からは、ミマスの軌道進化が内部の海洋の影響を受けたものとする方がよりよく説明できると示唆される。Laineyらの計算によると、ミマスの地下海洋は、深さ約20~30キロメートルの氷の殻の下に存在している。また、シミュレーションから、この海洋が2500万~200万年前に出現したことが示唆されている。そのため、このような地下海洋の徴候が地表に痕跡を残す時間がなかったと考えられている」ということなのだそうです。

 表面には無数のクレーターがあるという標準的な外観のミマスに海があるという事実は、「ほぼどこでも液体の水を持つことができることを意味」し、「埋もれた海が月の岩のコアに出会う場所で発生する海水と岩の間の相互作用は、生物を維持するのに十分な化学エネルギーを生成する可能性があ」り、「ミマスに似たステルスオーシャンワールドが他にもある場合、地球外生命の可能性は高くな」るわけです。
 つまりこれって、条件さえ整えば、どんな星にでも海ができて、生命が誕生する可能性があるってことなのでしょうか?もしそうだとすると、広い宇宙のどこかには地球外生命体が存在する可能性がかなり高いということですよね。こりゃ、大発見だ!

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