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「犬のアクセサリー」かなぁ?

 11月16日の朝日新聞デジタルに、「縄文犬のアクセサリー?加工した形跡ある貝殻2個発掘 愛知・田原」という記事が出ています。

 愛知県田原市の縄文時代後期末から晩期の伊川津貝塚で、縄文犬の墓とみられる穴の中の土から加工された2個の巻き貝が見つかり、「犬のアクセサリー」として、墓に供えられたものと判断したということです。

 伊川津貝塚と言えば、叉状研歯を伴う多数の抜歯風習を示す人骨や、石鏃で射られた痕のあるものや石斧で一撃されたと思われる頭蓋骨などの多くの人骨が発見されていたり、有髯土偶が見つかっていたり、いろいろな出土品がある遺跡ですが、今回の加工された巻き貝、本当に「犬のアクセサリー」かなぁ?

 貝の穴が加工されたものだとすれば、その穴にヒモを通してアクセサリーにすると考えると、首輪のようにするのだろうか。現在の貝の首飾りを考えると、1個や2個ではなく首飾り全部が貝という感じですが、それだと犬が嫌がるような気がしますが…。
 アクセサリーというと、装身具として犬が装着していたイメージになりますが、東京都立大の先生の指摘のように、副葬品であった可能性もあるわけで、混入ではなく埋葬されていたとするならば、個人的には副葬品だった可能性の方が高いような気がします。飼い主だった人物が、かわいがっていた犬を埋葬する際に、自分が身に着けていた貝のアクセサリーを一緒に埋める、なんていう状況がイメージされます。
 この後報告書ができるようですので、最終的にどう書かれるのか、報告書ができたら読んでみたいと思います。

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