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残業代を払うようになっても、教員の働き方改革には結びつかない!

 2月11日の朝日新聞デジタルに、「教員の勤務改善「給特法は手段にならない」 専門家が語る新たな対策」という記事が出ています。

 「教員給与特措法(給特法)」を廃止して、残業代を出すようにする方向に話が向かう部分があるという話題がありますが、「使用者側がその支払いをなるべく減らそうとして残業を減らさざるを得なくなるという期待」は、その通りにはおそらくならないでしょう。
 現在、学校現場で残業代が出ないから働かせ放題だという認識から、給特法の廃止という話題が出るのでしょうが、そもそもやらなければならないことが多くて、結果的に時間外が多くなるということで、業務量を削減しなければ、残業代が出るようになっても、長時間労働を改善にはつながりません。

 この記事は、残業代の出どころの話で、市町村や都道府県は自分のふところが痛まないので、改善が進まないという話になっていますが、特に義務教育現場では、小学校は子どもたちがいる間は、先生方は常に子どもたちと一緒にいるわけですから、別に作業などできるわけがありません。中学校でも、小学校とは違い教科担任制だからと言っても、空き時間はほぼなく、わずかな空き時間で生活ノートのようなものをチェックしたりするだけで終わってしまうので、結局他の業務は放課後になるわけで、そこに部活動が入れば、やはり時間外にならざるを得ないわけです。
 つまり、残業代の問題ではないのですが、どうもこの辺りが理解できていない話題が多いように思います。

 とにかく、学校現場では業務量が多いわけです。そもそも学習指導要領が変わったことで、子どもたちが中心となるような学習指導が進んでますが、どのような形になっても子どもたちに学習指導をするだけでも、指導する側には相当な事前準備が必要です。本来学校は学ぶ場所なのですから、この学習指導が教員の本務なのですが、今の学校は、むしろこれ以外の業務が多くなってしまっているので、本務であるべき学習指導が割を食う形になってしまっています。
 おそらくそのために、不登校の子どもが多くなっていたりするのであり、学校が本来の機能を達せられなくなっているのです。

 そもそも文科省からのいろいろな要請が多すぎます。なんで現場がそんなことを報告する必要があるのか、なんで現場でこんなことをする必要があるのか、疑問に思いようなことが多々あります。
 子どもたちが自分の頭で考えて、それぞれの持つ能力をできるだけ活かして、社会で活動できるようになるための準備ができれば、学校はその役割を十分担えると思っているのですが、現在の学校の役割は、もちろんその部分も認識されていますが、それ以外のさまざまなものが学校に持ち込まれて、それを解決する場としての役割を担わされてしまっています。

 本当に、ちゃんと考えて欲しいのですが、学校って何をする場所ですか?教員の本当の仕事ってなんですか?学校は子どもを取り巻くすべてを抱え込み、それを何とかする場所ですか?教員はそれを解決させる人なんですか?

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