人に何が残せるのか

社員に何を残してあげらるのかいつも考える。

どんな会社も潰れる可能性がある

私が新卒で入社した会社は、私が2年目の時にリーマンショックにより倒産した。新興の不動産デベロッパーで、リーマンショックの影響をもろに受けた。リーマンブラザーズの破綻のニュースを見て他人事に思っていたが、半年後、自分の身にも降りかかってきた。

倒産の日から、人事部と社員の間で面談が始まり、リストラの波が押し寄せた。600人いた社員は3ヶ月で半分にまで減少した。2年目の私は給与が相対的に安かったためにリストラから逃れたが、先輩や上司が次々に去っていく様子を目の当たりにし、その記憶は今でも忘れられない。

その中で、リストラされて転職活動に奔走する人たちがいる、一方で役員たちが責任を取るというテイで役員を辞任し、その後華麗に上場企業に転職していくのを見ていた。そして倒産後、会社の敗戦処理をしながら、経営者としての責任とは何かを真剣に考える機会があった。

企業が倒れる可能性は常に存在する。

それが事実だ。
私がいたのは上場企業だったし、倒産の前年には過去最高益を叩き出していた。そんな会社が潰れるので、何が起こるかなんて予測不能だ。

もちろん、自分が所属する会社が倒れないように全力で働くし、ビジョンの実現のためには倒産などという選択肢は考えられない。ただ、絶対の保証をすることはできない。それに、保守的に運営して何も挑戦しないなら、それこそが当社の存在意義に反する。

人に何を残せるのか

だからこそ、もしものときに困らないスキルや能力を社員に残すことが私の経営者としての責任と思っている。社員に経営能力があれば、会社が倒産したとしても自分でビジネスを始めることもできるし、他社に転職することも容易だろう。

自分が知る全てを社員に伝え、一緒に学びたい。そうすると、ライバルとなる起業家が増えるかもしれないという声もあるが、起業するよりも大きな挑戦できる機会を会社に創ることだと思っている。それでも起業し、挑戦する人が現れたら、起業してもらった上で一緒に働くことができればそれでいい。

これが、自分の経験から導き出した結論。

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