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【コソダテ】小1、時間の矢と宇宙の死を想う

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(無料)【コソダテ】小1、時間の矢と宇宙の死を想う

わが家の長男は小1である。二学期も始まり、漢字を覚え始めたばかりだし、くり上がりのある足し算はまだおぼつかない。学校では朝顔を育て、家ではメダカとカブトムシを育てた経験くらいしかない(しかも多くは親が餌やりをしている)。

でも、ドキュメンタリー番組は好きで「ダーウィンがきた!」(NHKの子ども向け動物番組)は、再放送を含めて毎週2本をチェックしている。NHKスペシャルの「ホットスポット」(福山雅治がナビゲーターとして最初の数分、世界各地で収録に参加しているドキュメンタリー番組)も好きだ。

そんな長男が先日、なんとなく宇宙に関するドキュメンタリー番組をつけっぱなしにしていたら、思いのほか食いついてきて、黙って見ていた。

時間は一方通行に流れて不可逆的である、なんて話をしていて「時間の矢」という言葉が出てきた。そしていつかやってくるであろう「宇宙の死」という話になった。今までの宇宙が過ごしてきた時間よりも、終わりを迎えるまでの時間のほうがずっと長いと考えられていることなど。

宇宙関係の番組はあまり見せていないので、これは小1にはハードルが高いかなあと思っていたら、手元で何かおもちゃをいじりつつ、画面を見ている。どうやら興味があるらしい。

時間について「矢」という言葉をつなげていることがまず、不思議に感じられるらしい。時間は「モノ」ではないのにたとえとして使っていることがどうも不思議に思ったようだ。

「逆回しのムービーのように、本物の時間は戻ったりしないよね」とフォローを入れてみたら、それはその通りだと感じたようだ。

今日という日が二度と戻ってはこない、というような番組での解説も、当たり前のことをあえて指摘されるとしみじみと聞いている様子がおもしろい。

宇宙の死については、これまた大きなテーマだなあと思ってみていたら、子どもなりに壮大なところを感じ取っているようだった。人間ひとりの人生とははるかに超えた遠い未来に起こる出来事など、どこまで分かるのだろうか、と親としては見ていて興味深い。

何せ、「万」のケタをようやく理解したような子どもが1000億年以上も先のことを想像できるのか。大人にだって正直分からないことだが、それを7歳の少年はどう考えているのだろうか。

というか、昨年初めて祖父の「死」を経験したばかりの子どもに、宇宙の死は想像できるものだろうか。

様子を見ていると「宇宙」と「死」がつながっていないようにも思える。でも彼の中では何かがつながっているのかもしれない。

番組はほどなく終わって、子どもはまた子どもの仕事(遊び)に戻っていった。

親として観察をしていた私も、自分の作業に戻る(子どもを寝付かせるべく、ベッドルームに追いやる作業)。そして、宇宙系のドキュメンタリーも子どもに見せても良さそうだなと、ぼんやりと考えてみた。

親が勝手に、「これは子どもには興味がなかろう」と決めつけることが、子どもの感受性を勝手に狭めているのかもしれないなと。


発行 2020/9/6
通巻 No.88.1
(c),2020,syunsuke yamasaki

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