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専門家が専門外の専門的知見について語る危うさについて / 今年の春はどのアニメをみようか / モノクロの世界がふとしたきっかけでカラフルに変わる瞬間~「スーパーカブ」を読む


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【ロシュツ】今週のメディア掲載情報

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4/4 lifehacker[日本版]
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雑誌 日本畜産振興会 養鶏の友 4月号
畜産経営者のための資産運用ABC講座

(無料)【テツガク】専門家が専門外の専門的知見について語る危うさについて

Twitter、Facebook、Instagramについては一応使っている自分だが、こと新型コロナウイルスについてのコメントはしないことにしている(唯一、このnoteマガジンの有料部分だけだ)。それはある分野の専門家が、専門畑以外のテーマについて語る「危うさ」を考えると、軽々しくコメントできないからだ。

まず、「受け手」の立場で考えてみる。あるテーマについての専門家がいて、その人に信を置いているとする。その専門家が、本来畑違いであるテーマについて、実は不確かなことをコメントしたとしても、受け手はその真偽を判断することは難しい。むしろ、かねてより信を置いていた方のコメントだから、ついつい信じてしまうことはやむをえまい。

専門家と言われる人は、活字化されることとログが残ることには慎重になるべきだ。普通の人なら、新橋駅の居酒屋で愚痴をこぼすのと、SNSで愚痴をこぼすのは同じかもしれない。しかし、専門家はちょっと違う。そのログは残り、拡散され、思いも寄らない影響力を行使することもある。

もともと、専門家は自分の門外漢のテーマについての発言には慎重になるべきだと考えていて、個人的にはこの点かなり慎重にしている。例えば私についていえば、政治や政策については基本的に発言を控えている。思うところはいくらでもあるが「思うところと、発言するところは一緒ではない」と考えているからだ。

また「専門家の専門外の発言」の多くは、善意に彩られていることも悩ましい。本人は悪気がなくフェイクニュースを拡散してしまったりことがある。後から指摘を受けて気がついても後の祭りだ。本人も誤っているものを拡散しただけでなく、そのフォロワーが再拡散をするが検証することなく善意でミスリードを広めてしまうことになる。

今回の新型コロナウイルスの騒動についても、いわゆるコメンテーター的有識者は何でもかんでも「コメント」として発言しているようだが、正直感情に流されすぎているもの、不正確な煽りをしてしまったものが多いように思う。そしてそれが拡散されているのも目にする。

友人あるいはちょっと遠い顔見知りの専門家にも、あやふやな知識を示してしまったり、不確かな情報に賛意(RTなどを通じて)を示してしまい、自らの専門性さえの信頼さえ失いかねないような人もいる。

「裏垢」ないし「サブアカ」を使いこなして、そうした専門外のことも好きに発言している人もいる。サブアカウントは居酒屋モード、メインアカウントはお仕事モードということだ。これはこれでひとつの方法だと思う。が、どうも「表と裏の顔を持つ」みたいになるのが自分は居心地が悪くて手を出せないでいる。

私は医療や科学の専門家ではない。だからその分野についての情報をウォッチはするが、これからも自分が安易に発言する側には回らないようにしたい。

特に今回のように、新たな病原菌が世界に蔓延しているとき、かつ情報の伝達はかつてない速度とボリュームで駆け巡ることを留意しなければいけない。約20年前のSARSのとき、あるいは中曽根政権の末期に、はたまた学生運動が激化している頃に、もし今と同じようにSNSが発達していたらどうだっただろうか。おそらく玉石混淆の状態で情報が駆け巡っていたのだろうと思う。そして安心をもたらす正確な情報よりも、混乱をもたらす情報のほうが多かったのではないか。

だとすると、今はまさに情報の渦に溺れる環境にあることを踏まえた発信が求められる。そもそも専門外のテーマのニュースソースの検証くらい難しいことはない(専門内であっても、いい加減な論考を否定するのは一苦労なのだ)。だから、余計な情報発信は慎んだほうがいいと思うのだ。

……といっても、自分くらいのフォロワーを抱えた発信者などいくらでもいる中、私がひとりで「専門外のことを軽々しく発言するのは慎もう」と述べたところで、あまりその効果は生じないのだろうけれど、それでも、安易な発言が人を不本意に踊らせることのないようにしたいと思うのである。

とはいえ、気分が落ち込む世相には何か立ち向かっていきたいので、おもしろいマンガだったり、おもしろい風景だったりしたら、それをアップしている。趣味の世界なら、専門性とはちょっと外れてコメントがしやすい(といっても、来歴について検索をたどったり、曖昧な情報を発言しないようにはしている)。

できればにっこり笑って、ストレスをちょっとでも減らす手助けができれば、と思う。


【コミック】モノクロの世界がふとしたきっかけでカラフルに変わる瞬間~「スーパーカブ」を読む

スーパーカブ。世界での累計生産台数は1億台を超えている世界最多の輸送機器である。田舎では高校生の「最初の足」としても親しまれている。今回紹介するコミックはそんなスーパーカブと出会った、ある高校生のお話。

両親もいない。友人もいない。趣味もない。そんな女子高生がいた。彼女が高校の登校のためにスーパーカブを手に入れるところからストーリーは始まる。

カブを手に入れたことで、彼女の世界は淡々とした繰り返しから変わり始める。あっさりとした絵柄がそれを丁寧になぞっていく。

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