1つの器に1つの機能ではない時代にどう生きるか / 「コンビニ新作スイーツ」を食べていればかなり人生は幸せかもしれない / 博物館のワクワクは子どもの知的好奇心の原点だ~「へんなものみっけ!」を読む
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(無料)【テツガク】1つの器に1つの機能ではない時代にどう生きるか
最近、ちょっと困っていることに「本を読む姿を子どもにどう見せるか」がある。
親が楽しんで(時には子どもの相手も放って)読書を楽しんでいたほうが、子どもが自然と読書するようになる、という意見がある。なるほどとは思う。しかし、今どきの時代に読書する姿を見せるのは簡単ではない。
私がiPadのKindleで本を読んでいたとする。しかし子どもの目にはそれが読書体験と見えるかは分からない。iPadは「1つの器が1つの機能」、つまり電子書籍を読むだけのツールではないからだ。
・ドラマかアニメを見ているかもしれない
・ゲームをしているかもしれない
・仕事をしているかもしれない(PDFの校正とか)
そしてそれは、子どもが私を見るだけでは分からない。画面をのぞき込んで初めてそれと分かる。
かつて、「1つの器が1つの機能を持つ時代」があった。本は本だし、ビデオテープは映像を見る唯一の方法だし、CDは音楽を聴く方法だった。音楽だけはカセットテープという方法もあったが、基本的には、1つの機能には1つのデバイスが割り当てられていた。
それはとてもシンプルなことだ。誰でもわかりやすいし、感覚的にも整理がしやすい。
しかし、時代は変わった。例えばうちの親はCDの多様性が出てきたとき、混乱していた。
「CDは音楽を聴くものである」
「CDにデータを保存できる(CD-R)」
「CDサイズのものがビデオテープの役割を果たす(DVDのこと)」
と3つの役割が誕生したからだ。「丸くて虹色の円盤=CD=音を聴くもの」の公式が崩れてしまった。
写真を撮るツールがカメラだけでなくスマホになったし、子どもによってはNintendoDSだったりするようになった。
音楽を聴くデバイスはクラウドのおかげでもっと多様性を持った。データ化するとパソコンに納めることができ、iPod以降は「テープやCDの入れ替え」もなくなった。そして今ではパッケージすらなくなってダウンロードできる。
映像もパソコンで見られるようになり、タブレットやスマホで見られるようになった。私の親はタブレットで動画を見ないが、今どきの若者で「タブレットで動画を見ない人」はひとりもいないだろう。
この話題、iPadやDVDの話にとどまるわけではない。私たちの生き方、あるいは世の中がマルチツール化しているともいえる。
1つの器に1つの役割や目的を求める時代ではなく、むしろ複雑になった。仕事もそうだし、趣味や日常生活もそうだ。むしろ複線を持っておくことが個人にとっても企業にとっても重要になっている。
宿泊業だけで稼いでいた会社は「事業の集中」をしていたが、それはもろくもある。ひとつのスキルしかない人の、そのスキルが役に立たなくなったときの辛さは大きい。
ベストセラー「LIFE SHIFT」は人生が長くなると、単一のスキルで50年を働き続けることはできず、ジョブチェンジを視野に入れておくことを説くがそのとおりだと思う。
話がそれた。この問題から私が考えるのは、子どもに「1つの器が1つの役割を持つ時代ではないのだ」ということと「それではどんな役割をマルチで持ちうるのか」を教えていかなければならない、ということだ。
そうしないと、デバイスやツールの可能性、あるいは自分の可能性を子どもは狭めてしまうことになるに違いない。
……なんて偉そうなことをいいつつ、実は子どもの前で仕事をするフリをしつつ、こっそりスマホゲームをやっていることだってあったりするのだ。
【コミック】博物館のワクワクは子どもの知的好奇心の原点だ~「へんなものみっけ!」を読む
子どもの頃、育った地元の町。そこにあった博物館のことをあなたは覚えているだろうか。そこに行ったとき、展示物をみてとてもワクワクしたことはもう、忘れてしまっただろうか。
これはとある市立博物館の学芸員と、市役所から出向してきた事務員のお話。
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