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登録有形文化財のタイガービルに事務所を構えた不思議なきっかけ / 秋は風邪を引く季節でもある / Uターン静岡ガールだって人生は楽しいはずだ~「ローカル女子の遠吠え」を読む~

【週刊ヤマサキシュンスケもくじ】


【ロシュツ】今週のメディア掲載情報

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「家計簿アプリを使いこなして家計を見直す方法」講演とパネルトーク
9/14 講演 JJK 30代からのマネープランセミナ
30歳代からスタート! 初めての資産運用~どう使う?iDeCoとNISA

【オシゴト】登録有形文化財のタイガービルに事務所を構えた不思議なきっかけ

私の個人オフィスは蔵前にある。蔵前と言えば、最近では「東京のブルックリン」という謎の愛称までつくようになり、オシャレなお店が増え始めているエリアだ。

実は蔵前、スタバもタリーズも一軒もないし、マクドナルドもモスバーガーも一軒もないエリアだったりする。ダイソーなど大手の100均もない。浅草橋駅と浅草にはさまれたエリアなので、とにかく大型チェーン店がないのだ(細い路地裏に24時間営業のヤマザキストアがひとつあるくらい)。

おかげで、個人がやっているオシャレなカフェやハンバーガーショップなどにとってはチャンスとなっているらしい。

そんな蔵前にひときわ古めかしいビルが建っている。名前をタイガービルという。なんと建築が1926年というクラシックビルである。台東区ではもっとも古いコンクリートビルらしい。築50年以上経たないと要件を満たさない登録有形文化財にもなっている。

そこに我がオフィスが「事務所兼倉庫」というよりは「倉庫兼事務所」という感じで入っている。ここを見つけたきっかけがちょっとおもしろいので今回はそんな話をしてみたい。

文化遺産オンラインより
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/197799
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails.asp

話の始まりは、トランクルームがもう収納の限界を超えたことだった。1畳ちょっとのスペースをそれぞれ1万円くらいで2部屋借りていたのだが、これが仕事の道具、個人の道具など納まりきらないほどになっていた。しかし3部屋借りるのはちょっとバカらしい。なぜなら3部屋目を借りた瞬間、最初の2部屋はもう死蔵されたトランクルームとして部屋代だけを払うことになること確実だからだ。

そこで、ちょっと広い部屋をひとつ借りて荷物をまとめることを考えついた。仕事的にもひとりで原稿に集中できる場所があるとありがたい時期にさしかかっていたので、予算さえ高くなければ「書庫」と「執筆場所」として一部屋を借りるのは悪くないアイデアだ。

最初に探していたときは、国分寺市あたりで古いアパートなども検討していた。部屋の近くを湧水が流れていたりしたら散歩も気持ちいいし駅から離れていれば家賃も安いだろうと踏んだのだけれど、どうにもいい条件がなくて煮詰まっていた。そのとき気まぐれで古いオフィスを紹介するサイトで見つけたのがこの物件だった。

実はタイガービルというクラシックビルであることは現場に行くまで知らなかった。間取り図をみて「へー、水回りとトイレが共同だから、借りた部屋いっぱいに本棚が置けるな」くらいの気持ちだった。そう、戦前の建物だから、個室に水回りがまったくない仕様だったのだ。

内見で空いていた2部屋を見てみたが、面積はほぼ同じ、正方形の部屋と長方形の部屋があった。窓の眺めが3階の正方形の部屋のほうがよくてこちらを選ぶことにした。

契約の段階で分かったのだがここはなんと20アンペアしか使えない。あまりにも古すぎて電源も細いのだ。とはいってもこちらはノートパソコンとエアコンが動けばいいのであまり気にしないことにした。

最初の頃はここでミニセミナーを開いたり、取材対応をしていた。トイレが古すぎてあまりきれいではないのを除けばおおむね古い建物を喜んでもらえる(何せ3階のトイレは男女共通という名の実質男性専用トイレである)。

一階には「電話交換室」という部屋が今でも残っているし、階段にあるフロア番号は筆文字の漢数字で「四」とか書かれているのもなかなか趣深い。

オーナーがうるさい人らしく、館内の写真を撮るなと張り紙をしているので、公開できないのが残念だが、時々ここにきて原稿を書いたり、書架からお気に入りのマンガを取り出し読むのは悪くない時間だ。

萩原健一が「傷だらけの天使」で屋上に住んでいた設定となっている代々木会館という古いビルがあるが、ここは取り壊されることになった。最近の「天気の子」にも登場してきたので新しい聖地になったところで取り壊しとは残念なところだ。

タイガービルもいずれはなくなるときが来るのだろうけれど、そのときまではここに居をかまえてみたいなと思っている。

もし解体されたらそのときは、古い写真も開放する機会があるかもしれない。


【オススメ】Uターン静岡ガールだって人生は楽しいはずだ~「ローカル女子の遠吠え」を読む~

静岡で講演をしたことが何回かあるが、肝を冷やしたことがある。冒頭の講師紹介で「講師の山崎先生は、熱心な浦和レッズのファンでもあるそうです」とアナウンスされたときだ。会場の空気が数度くらい冷え込んだ……気がした。

事前に講師紹介のための補助資料が欲しいと言われて、としてプロフィール用のテキスト(複数の紹介パターンを載せてある)を送ってあったのが、それが間違いだった。「まちあるき好き」「マンガが大好き」のように趣味についていくつか書いてあった中にサッカーについても触れていたのだが、わざわざサッカー大国の静岡で「レッズサポ」なんて言わなくてもいいだろうに!

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