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椅子に座ってカネを稼ぐなら高い椅子を買え / 言葉は力だ。そして言葉で私たちはつながるのだ。「キャッチャー・イン・ザ・ライム」を読む / その後6.9男子の「あつまれどうぶつの森」はどうなったか

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(無料)【オシゴト】椅子に座ってカネを稼ぐなら高い椅子を買え


テレワークで自宅仕事が増えた人の悩みは腰痛かもしれない。自宅の椅子で8時間労働をしていると、会社ではなかった腰痛が生じている人は少なくないだろう。もう20年ばかり個人オフィスで仕事をしている物書きのひとりとしてアドバイスをするなら、高い椅子を買うことをオススメする。20年ほど前、私もそうアドバイスされたからだ。

大学のときからの友人に賀東招二という小説家がいる。「フルメタル・パニック!」というロボットもので大ヒットを飛ばしたので、知名度はそこそこあろうかと思う。最終的な数字は知らないが、累計で1100万部はいっているらしい。

私が独立してひとりオフィスになったのは2001年の夏だ。当時を公私ともにぐちゃぐちゃな状態で、一時期は本当に何もやる気がなかった(たぶん診断を受ければうつ病とされていたかもしれない)。

会社をいきなり辞めることになって、そのあとなんとか気を取り直して仕事を始めたとき、彼にアドバイスを求めに行った(といっても当時はよく相談相手になってもらっていたし、夜逃げ同然に会社を辞めるときには仕事場の私物を持ち出すために車を出してもらったりもしている仲である)。

彼のアドバイスはきわめてシンプルだった。つまり

「これからお前は椅子に座って原稿を書いてカネを稼いでいく。つまり椅子でカネを稼ぐのだ。だから高いカネを稼ぎたければ高い椅子を買え」

と。彼はアーロンチェアという10万円以上する椅子を買って原稿を書いていたが、確かに座らせてもらうと居心地がいい。

独立最初に受けた仕事をこなすため、ホームセンターで1000円のパイプ椅子とチェアを買ったのだが、毎日10時間くらい座り続けたら、腰と尻(本当に「尻」が痛くなる)に激痛を覚えて進行に支障を来したばかりだった。そのときはただベッドに横になり痛みが治まるのを待つしかなかった。

だから、彼の忠告には素直に従うことにした。まあ、すでに何百万部も売っていた男の活きた助言を聞かない理由はない。

とはいえアーロンチェアをまねするのはおもしろくない。いろいろ調べてスチールケース社のプリーズチェアという椅子をみつけた。デザインもなかなか格好いい。当時はECサイトがまだ主流でないなか、個人商店のネット通販サイトをみつけ、10万円くらいで手に入れた。

座っていた時間に比べれば腰痛は少なく、相当にラクをさせてもらったと思う。肘当ても使ってみると分かるが、あれは役員が偉そうにするためののもではなく、パソコンで大量に原稿を書く人が肘を固定してラクをするための道具で、必須なのだ。

また、私が選んだ椅子は首の後ろにもサポートがあってウトウトしてしまっても苦しくならないのがまたよかった。アーロンチェアにはないのでそこだけは賀東に勝ったと深夜にひとり悦に入ったものだ。

一見すると10万円は高いような気がするかもしれない。しかし、毎日6~8時間そこに座るとすれば人生の3~4分の1をそこで過ごすわけだし、かつ10年も使えば、そう高いものではない。

実際、この椅子で何千万円も稼いだのだから、高い椅子だって元が取れる数字だ。といっても、年収400万円だって10年以上座われば4000万円だ。これからテレワークの時間がどうなるか分からないけれど、それくらいのお金を使ったって悪い話ではないだろう。

ちなみにこの椅子、10年以上使ったらクロスが破れ、肘当ての樹脂も割れてしまった。今は2代目の椅子に代替わりをしている。今度はハーマンミラーのミラ2チェアというものを選んで、今もそこで原稿を書いている。

ここ数年は自室を出て原稿を書くことも増えていたが、そのとき役立つのは低反発クッションだ。椅子が固い場合で「さすがに10万円は出さねーよ」という人は数千円の低反発ジェルなどのクッションを引くだけでも効果的だと思う。私は東急ハンズで折りたたみ式のハンディタイプのものを買ってスタバやタリーズの木の椅子でも原稿を書いている。

自宅でなら腰回りをサポートする少し固めのサポートチェアをダイニングなどの椅子上に置くという方法もいい。うちの相方はBody Make Seat Styleというものを置いて仕事をしている。Amazonなら、「骨盤サポートチェア」というカテゴリーだ。 https://amzn.to/2S6lttc

オフィスにいると、椅子は与えられるものだから、自分で選択するというイメージはないだろう。しかし、個人で椅子を選ぶことができ、快適さは自分で決めることができる、ということはテレワークの愉しさでもある。

1カ月ほどテレワークをしてお悩みの方は、20年選手のアドバイス、ちょっと参考にしていただきたい。


【コミック】言葉は力だ。そして言葉で私たちはつながるのだ。「キャッチャー・イン・ザ・ライム」を読む

タイトルはずばり「キャッチャー・イン・ザ・ライ」からのもじりだ。しかしこれはうまい本歌取りだと思う。ライム、つまりラップバトルをテーマにした青春マンガということをタイトルが強力に示してくれている。ちょっと古いがこの作品を取り上げてみたい。

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