(療養日記2)病人のプライベートが筒抜けになった「あるルート」
(※写真は入院中読んでいた本の一部)
8月に1週間ほど入院をしていたのだが、病院というのはプライベートへの配慮がされている場所のひとつである。最近では、入り口に名前は表示しない。
4人部屋や6人部屋の入り口に名前が並んでいて、それをみつつお見舞いにいくようなことは今は難しく、本人のちゃんと部屋番号まで聞いてから出かけなければならない(しかも今はコロナで原則お見舞い禁止だ)。
一方で、本人確認はしっかりする。これは医療事故防止なので、とにかくあらゆるシーンで名前を復唱し、腕につけたバーコードをスキャンする。採血や投薬、食事の配膳など、看護師が本人だと分かっていてもそうする。これは大事なことだ。
さて、同室に誰がいるかもよく分からないまま入院生活を送るわけだし、私が入院していることは漏らされない。入院前に仕事上、伝える必要があったところに最低限度連絡をしたのは2社に限られていた。
入院後、思ったより回復が遅れて、説明を必要としたのが2~3社くらいなので、仕事上はほぼ、私の入院情報は伏せられていたといっていい。
原稿仕事は基本的に退院後までの分を2週分まとめて、入院前に書いた。ちょうどお盆休みの時期だったので、相手も特に不審がらず受けとってくれたのもよかった。
講演も影響がないようなタイミングで入院をしたので問題なしだった(土曜日に講演をして、月曜日に入院というタイミング)。退院後も1週間は空いたので、なんとか講演に穴を空けずにすんだ。
ところが、「私の入院情報、病状が筒抜けになっているルート」が退院後にひとつ発覚した。そこではなんと、私のメスをいれた箇所、病気の症状、回復状況まで明らかになっていたのだ。
そこはなんと、「保育園」。
入院中、6歳の娘とiPhoneのFaceTime機能を使ってお話をした。こちらも会えないのは寂しいものなので、病気の話なんかをしながら毎日ちょっとずつ会話をする。
朝、保育園前の数分だったり、夜、寝る前の数分だったりするが、やはり会話できるのは楽しいものだった。
ところがなんと、娘は聞いた話をそのまま保育園のお友達や先生に吹聴していたのだ。
「おとうさん、いま、にゅういんしているんだよー」とか「○○くんのおとうさんのつとめているびょういんに、いるよ」とか(実際、同じ病院にお世話になっていた)「みみのところをきったんだよ」とか、そんな感じ。
たぶん、得意げに話していたのではないかと思われる。
退院後、娘のお迎えに保育園に行った。退院翌日だからこちらはまだふらーっとしていて元気はないのだが、いきなり娘の友だちが集まってきて「びょうきはだいじょうぶなの?」「いたかった?」と質問攻めが始まってびっくりした。
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