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書いて見てもらうことを同人誌で「学んだ」話 / JR飯田橋駅は牛込駅にすべきか / 世界の終わりがくるなら彼女はぼくと過ごしたかった~「羊角のマジョロミ」を読む

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(無料)【ノウハウ】書いて見てもらうことを同人誌で「学んだ」話


今でこそ、毎週3~4本はコラムを書き上げ、毎月200~250枚くらいは原稿用紙を埋め続けて、「仕事」として文章を書いているわけだが、学生時代と社会人になって数年くらいは、アマチュアとして文章を書き「同人誌」を作っていた。

それは振り返ってみると原始的な学習プロセスそのものだったなあと思う。そして誰でも学ぶことはできるのだ。今日はちょっとそんな話をしてみよう。

私が最初に作った同人誌は、中央大学SF研究会の会報だった。1991年かな。当時、何年かぶりの副会誌を作ろうということになり、1年生にいろいろ雑用が回ってきたのだ。その後、プロの小説家になる賀東招二やぼくや何人かで見よう見まねで文字を埋めたりページをそろえていった。

文章はワープロで書き、感熱紙にプリントした。当時はインクがとても高かったので、感熱紙で試し印刷するのが普通だった。その頃のワープロは簡易的なレイアウトもできるようになっており、二段組みで印刷できたので、これでそのまま入稿できるだろうと考え、感熱紙のままページを一式そろえて、大学生協に入稿した。それでも、作業はなかなか大変だった。

仕上がってきた本をみて感動したのはもちろんだが、生協のスタッフさんが全ページをコピーし直して、レイアウト紙に張り直してくださったことのほうに衝撃を受けた。そう、ただの感熱紙プリントは印刷に回す体裁ではなかったのだ。

そうやって、基本的なことから手探りしながら、ステップアップをしていった。表紙をカラーにしたり、タイトルページのデザインに凝ってみたり、ページの上にフッター(小説のタイトルをいれるとか)を入れてみたり、フォントを工夫してみたり。

国内最大の同人誌即売会であるコミックマーケット(コミケ)にも参加した。最初は大学のサークルとして参加し、途中からは個人的に参加した。今でこそとんでもない規模で開催されているコミケだが、晴海会場の大学サークル出店エリアはのんびりとした雰囲気だったものだ(ただしエアコンもなく暑かった!)。

編集のスキルだけではなく、文章を書くスキルも少しずつステップアップしていった。少しずつ長い文章も書くようになった。制作するジャンルも試行錯誤してみたりした。

例えば、純粋にオリジナルファンタジーを販売するセクションに置いても一日数十部しか売れないが、自分が好きな作品の二次創作物だと小説でも数百部出る。

このあたりは「オリジナルというこだわりを取るか」「たくさん見てもらうほうを取るか」のような葛藤でもある。そういうことを考えるのも原始的なマーケティングを学んだといえるかもしれない。

一番最後、確か500部の小説本を売り切ってサークルは解消になった。それぞれ会社員としての仕事も忙しくなっていたし、プロになっちゃった友人にいつまでも割安仕事を頼み続けるわけにもいかなかったからだ。

10年にも満たなかった期間だったが、それはとても有意義だったと思う。

学習とは実際にやってみることと試行錯誤のプロセスに詰まっている。どんなに幼稚なものであっても、頭で思いついた話よりは、原稿用紙50枚でもいいので書き終えた作品のほうが価値があるのだ。

そして恥ずかしいクオリティのものを乗り越えて、次の作品を書き続けられた人が高いクオリティを得る技術を手にしていく。たくさんインプットし、たくさんアウトプットする人が最後は先んじるのだ。

自分の当時の文章を読み返す勇気はないが(いくつかは、若気の至りなりにおもしろく書けていたとは思うが残念ながら手元に1冊もない)、あの積み重ねは確かに今につながっているのだと思う。

そしてもちろん、お金をもらって書くようになってからも、この20年の積み重ねが今につながっている。それもまた学習と成長のプロセスが続いているということなのだ。


【コミック】世界の終わりがくるなら彼女はぼくと過ごしたかった~「羊角のマジョロミ」を読む

ある日、ぼくが起きると全人類は眠りについていて、起きていたのは、なぜか羊角をもつ彼女だけだった。

そんなベタな設定話もマンガ家は自分の個性で独自の話を描けるのだからすごい。そして作者はその個性で私たちを惹き付ける。

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