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【プロ志望届提出選手】澤井廉(中京大)インタビューを大公開!!

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2022年3月31日発売の『別冊野球太郎2022春』に掲載したインタビューです。

★Profile
澤井 廉(さわい・れん)
中京大(4年)
右翼手
左投左打
180cm100kg
愛知県知多市出身。新田小入学前から北巽ユニオンズで野球を始め、小学6年時にドラゴンズジュニアに選ばれる。知多東部中では知多東浦リトルシニアに所属し投手、外野手として活躍した。中京大中京高では2年夏に甲子園に出場するなど高校通算31本塁打をマーク。プロ志望届は出さず中京大に進み、過去5季で4度ベストナインを受賞。大型スラッガーとして期待されてお
り、昨秋は大学ジャパン代表候補にも名を連ねた。

火を噴くインパクト

ーー毎シーズン、見るたびに体格ががっちりしてきて、いつも驚かされています。

澤井 大学2年春のコロナ自粛期間ごろから、より徹底して体重を増やしてきました。目標のプロ入りを見据えた時、そのままの体では通用しないと考えたからです。筋力トレーニング、食事、サプリメント摂取などに励みました。高校時代は体重80キロほどでしたが、100キロに届きました。

ーー体重を増やすことで、スピードが落ちるなどの不安はありませんでしたか? 高校時代は走れる印象もありましたが。

澤井 いやいや、足は遅かったですよ(笑)。逆に、筋力トレーニングを通じて体の使い方を学んだり、下半身に筋力がついたことで、以前より脚力も若干上がっている感覚があります。

ーー『野球太郎』の読者アンケートでは、強打に関する主要部門で全国トップ3に入っています。

澤井 そうなんですね。期待に見合うように、今以上に、本当の力をつけていかないと……。

ーー自身の打撃で、一番の長所だといえる部分はどこですか。

澤井 インパクトの強さだと思います。自分よりもホームランを打ったり、高い弾道で伸びる打球を打つ選手は他にもいると思います。

ーー澤井選手のスイングにはかなりの強さを感じます。

澤井 体の使い方による部分が大きいと思います。"脱力"という言葉ともつながるところですが、力を入れなくても自然と力が入る位置を探して、そこにスイングをはめるイメージです。

ーー澤井選手は打った後、反動でバットがポーンと飛んでいく印象があります。

澤井 そうなんですよ(笑)。審判にも時々「危ない」って注意されちゃうんですけど。これについては元々のクセで、無意識にバットが飛んでしまっている感じです。

ーー高校通算31本を放つなど、ホームランも澤井選手の魅力です。

澤井 ホームランを打ちたいという意欲はずっと持っています。自分の中で手応えとして感じられるようになったのは昨年ぐらいから。自分が通っているトレーナーさんから「コアギア理論」を学び、呼吸や体幹の仕組みに基づいて打撃フォームを分析し、作り上げてきました。

ーー逆方向にも強い打球を飛ばせて、飛距離も出ますね。

澤井 押し込みが強くなったんじゃないかな、という感じです。あまり特別な意識はしていません。

ーー澤井選手のホームランでは、高校2年夏の愛知大会決勝で度肝を抜かれました。高校入学前から澤井選手の名は県内で知れ渡っていたとはいえ、まだ2年生ながらバックスクリーン左へ完璧に放り込んでいて、実力を確信しました。しかも決勝という大舞台での先制弾でした。

澤井 そうですね……たまたまじゃないですか(笑)。でも、自分としても思い出に残る一発でした。甲子園をかけた試合で打てたのはシンプルに嬉しかったです。

プロ入りした先輩たちに続く

ーー澤井選手のルーツや横顔についてもお聞きします。小学6年生の時は、根尾昂選手(中日)らとともに「ドラゴンズジュニア」にも選ばれていますね。

澤井 2歳上の兄がきっかけで、小学校入学前から野球を始めました。根尾君は当時から、やる時はとことんやる姿勢が印象的でした。

ーーでも澤井選手もその中に選ばれていたので、当時から実力はあったのですね。

澤井 どうなんですかね……僕は全然というか……わからないです(笑)。ただ、自分よりもうまい選手がたくさんいて、それを知れたのはいい経験になりました。

ーー中京大中京高へ進学したのはどんな理由からですか?

澤井 練習を見学する中で入部したいなと思いました。あと、寮生活はまだ当時の自分には向かないと思ったので、自宅から通学できる圏内で進学しました。

ーー中京大中京高の1年先輩の伊藤康祐選手(中日)が高卒でプロ入りし、同じく鵜飼航丞選手(同)は駒澤大を経てプロ入りを果たしました。また、高校、大学と一緒だった伊藤稜選手(阪神)も昨秋、ドラフト指名を受けました。

澤井 高校2年の秋、康祐さんのドラフト指名の記者会見を見て、自分の中でプロ志望の意志がはっきりしました。鵜飼さんからは内角のさばき方などを当時教わりました。稜さんの野球への取り組み方はすごくて、いろいろなトレーニングや治療に自分も連れて行ってくれました。

ーー澤井選手にとっても今年は勝負の年ですね。

澤井 これまでホームランを量産したシーズンがないので、今年はホームランを積み重ねることが目標です。リーグ戦で10本とか、突出した成績を残したい。打率もしっかり残しながら、チームとしても全国大会に出たいです。

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Player's Voice・後輩だと髙橋宏斗(中日)がすごかった
パッと思い浮かぶのは、高校の時に対戦して「厳しいな」と思った市岡奏馬さん(龍谷大平安高→明治大→日本製鉄鹿島)。あとは中京大中京高の2年後輩にあたる髙橋宏斗(中日)もすごかったです。打席に立ったことがありますが、ギューッというクセのあるいい球でした。

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ライター取材後記
中京大中京高時代、澤井の打席になると自陣スタンド席の応援部隊は一層ボルテージを上げていた。澤井の強打への期待はもちろん、応援歌も理由の1つ。Jリーグ・FC東京のチャント『負けるわけはないさ』(原曲は1960年代の洋楽)で盛り上がった。澤井は「特に僕から希望した曲ではないです」というが、「戦え~澤井廉」の歌い出しはよく耳になじんだ。

取材・文=尾関雄一朗