《ナツメ》
ナツメは、干してある物やチップにしてお菓子として見る機会があるのではないでしょうか。
女性の味方、三大生薬の一つとされるほど、血を養うには良いとされます。
薬膳料理においても、スープに入れたりする事が多いですね。
乾燥ナツメは、オヤツとしてそのまま食べたりしても美味しい。多少の甘みがあるので罪悪感のないオヤツとしても利用できるかもしれません。
【学名】
ziziphus zizyphus
ziziphus jujuba(1882年より)
【 分類】
クロウドメモドキ科ナツメ属
【和名】
夏芽…夏に入って芽が出る事からの由来
【漢名】
大棗(たいそう)干した物
紅棗とも言う
【中国語】
大枣
Dà zǎo
红枣
Hóngzǎo
【原産】
南ヨーロッパから中国、西アジアへ伝わり、現在は中国産が多いそうです。
日本への渡来は、奈良時代以前とされます。
【使用部位】
果実
【五味】
甘
【五性】
温
【五臓】
脾、胃、心
【作用】
補脾和胃
養血安神
緩和薬性
【適応】
血虚
【注意点】
体内に湿気を生みやすいため、お腹が張りやすい方は、控えましょう。
【漢方薬】
葛根湯(かっこんとう)
桂枝加竜牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
【その他】
9月〜10月に果実が、黄褐色になった時に採取し、蒸した後に天日干しをして乾燥させます。
種子は、酸棗仁(さんそうにん)と言う生薬。
棗の葉を噛んだあと、砂糖などの甘みをあまり感じないのです。
それは、棗の葉に含まれるジジフィンという物質が味覚修飾物質(モディファイア)として作用しているからであると言われます。
これは、甘味受容体を阻害する働きがあるためとのこと。
生のナツメ。
味は、リンゴとナシのあいのこのよう。
こちらは、台湾産とのこと。
薬膳茶のブレンドにおいては、甘みが欲しい時などに使用したりします。
ただ、少々、個性的な風味があるため好き嫌いが分かれます。
薬膳茶に入れる際は、キッチンバサミなどで切っていれるようにすると、抽出も早くできます。
お湯でふやけたナツメは、柔らかく食べやすいので、お茶として飲んだあとには食べても良いかと思います。
その際、楕円形の種にはお気をつけて。
【小話】
ナツメとナツメヤシとナツメグの違いについて。
ナツメヤシはヤシ科常緑高木で、実をデーツと言います。
良く、食材などで使われたりする物ですね。
エデンの園に出てくる『りんごの樹』は、『知識(知恵)の樹』と言われ、ナツメヤシの実は『生命の樹』と表現されています。
ナツメグは、ミンクズク科の植物の種子を乾燥させたスパイス。
お肉料理などで良く使われます。
ハンバーグやステーキなどに加えると更に風味が増します。
ちょっとグロテスクだけど。
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