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私が漢方薬局開業を目指そうと思うまでの話。


薬学部生の時に漢方に出会い、大学4年の頃、いつか漢方と喫茶店が一体となったお店を持ちたい、と思ったことは覚えています。 

しかしながら、大学卒業後(正確には修士課程修了後)、お店を持つためにコツコツ努力するわけではなく、でもいつか、と漠然と思いながら、30代前半まで、漢方を扱う診療所や病院で働いていました。


そんな中、漢方薬を長年服用されていても、良くならない方を多く見て、漢方薬よりももっと元から体を良くする、食事の勉強をしようと、マクロビオティックに傾倒し、大阪のスクールに通ったり、更に深くマクロビオティックを学ぶために、仕事を辞め(ちょうど人員整理の時期だった)、断捨離で身の回りのもの、そして漢方にまつわるものをほぼ捨てて、京都から山梨に引越しし、マクロビオティックの学校に行きました。
私は途中から、漢方というより本当の健康(というものがあると思っていた)を追い求めていたのだと思います。

でも、食事をいくら良くしても、健康になれない、という壁にぶつかります。
甘いものやパンなどをがまんし、また、何か症状が出れば、○○を食べたせいだと自分を責める…
食べ物のせいもあるのかもしれないけど、明らかにこの体調不良は食べ物のせいではない、と思うこともあり、だんだん病気の原因を食事にあるとするマクロビオティックに疑問を持つようになりました。

一方で雑誌などで見る、様々な食材を自由に彩り良くお料理されている料理家さんが、楽しく仲間たちと食事をしている風景が眩しく見え、その人たちの方が、その時の自分より健康そうに見えました。

(※マクロビオティックの考え方は否定していません。食べ物を気をつけることは今でも大切と思っています。今は、マクロビオティックの良いと思うところは取り入れつつ、柔軟に何でも食べていますし、アドバイスはいろんな視点からする様に心がけています。)


いつまでも働かないわけにはいかないので、ハローワークに行くと、調剤薬局の求人があり、そのまま漢方とは全く関係のない、調剤薬局で働きはじめました。
今までも西洋薬と漢方併用の病院にいたこともあり、仕事はすぐに慣れたのですが、咳が出ていたら咳止め、血圧が高かったら血圧を下げる薬、コレステロールが高ければコレステロールを下げる薬、症状を抑える、数値が良くなれば良い、という世界にやはり違和感を感じ、やっぱり私は体全体を見る、一人一人の体質に併せてお薬を選ぶ、東洋医学の世界が好きだなぁと改めて思いました。

そうしていたら運良く漢方薬を処方される医院の処方箋を受ける調剤薬局で働くことができ、漢方に再び携わることができました。


そして働いているうちに、自分で漢方薬を選んで出したい、漢方を知らない人に伝えたい、そのために、お店を持ちたい、と思うようになりました。
そこで以前から気になっていた国際中医師の資格を取るために、三年間中医学の専門学校の通信科で学び、国際中医師の試験に合格しました。


(※国際中医師の資格は、中国に本部がある世界中医学連合会が、中医学を国際的に正しく普及することを目的に、中国の漢方医師と同じレベルと認定する制度です。日本においては医師の資格ではなく、中医学に対する一定の知識があります、という指標と考えてます。)


その後、京都に戻ってきて、今は漢方相談薬局で働きながら、開業を目指しています。

どんな漢方薬局を開きたいか、については、また改めて書かせていただきます。



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