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消化管系② (胃・十二指腸潰瘍治療薬)


攻撃因子抑制薬

«抗コリン»

ピレンゼピン


【作用機序】
副交感神経、ヒスタミン産生細胞(ECL細胞)にあるムスカリンM₁受容体を選択的に遮断し、Achの遊離を抑制することで胃壁細胞から胃酸分泌を抑制する。
【特徴】
M₂,M₃受容体への選択性は少ないため、唾液腺(M₃)、排尿筋(M₃)、心臓(M₂)などへの副作用は少ない


プロパンテイン、ブチルスコポラミン
【作用機序】
抗コリン(M₁ ,M₂,M₃)により胃酸分泌を抑制する。
受容体選択性がないため、口渇感(M₃)排尿障害(M₃)、頻脈(M₂)などの副作用を生じる。

«H₂受容体遮断薬»

シメチジン、ラニチジン、ファモチジンなど


【作用機序】
壁細胞のH₂受容体を競合的に遮断し、胃酸分泌を抑制
さらに、胃酸分泌抑制作用により、胃内pHが上昇しトロンビンなどによる血液凝固能が改善することで消化管出血を防止する作用も持つ。


«プロトンポンプインヒビター(PPI)»

オメプラオール、ランソプラゾール、ラベプラゾール
強酸性下では不安定であるため、腸管から吸収された後、壁細胞の酸性領域で活性体となり、H⁺/K⁺-ATPaseのシステインの-SH基と非可逆的に阻害(共有結合)することで持続的に胃酸分泌を抑制する。
胃酸分泌抑制作用はH₂受容体遮断薬よりも強い
(PPI>H₂ブロッカー)

【カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)】

ボノプラザン
酸による活性化を必要とせず、可逆的にカリウムイオンと競合することで
プロトンポンプを阻害し、胃酸分泌を抑制する。

«ガストリン関連薬»

プログルミド
胃壁細胞やECL細胞のガストリン(コレシストキニン(CCK)-2)受容体を競合的に阻害し
ガストリンの作用を抑制することで胃酸分泌を抑制する。

オキセサゼイン
胃幽門腺に存在するガストリン(G)細胞からのガストリンの遊離を抑制することで、胃酸分泌を抑制する。


«制酸薬(吸収性・非吸収性)»

クラルファート(ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩)
潰瘍部のタンパク質成分と強力に結合し、保護層を形成することで胃酸やペプシンなどから、潰瘍部を保護し治癒を促進。
さらにペプシン結合作用もあり、ペプシンの活性を抑制。
アルジオキサ
アルミニウム含有胃炎・消化性潰瘍治療薬
肉芽形成・粘膜上皮再生促進作用や粘液合成分泌促進作用などを示す。
ポラプレジング(亜鉛含有製剤)
亜鉛とL-カルノシンとの錯体
胃粘膜損傷部位に親和性が高く、抗酸化作用、膜安定化作用により直接的な細胞保護作用を示す。

防御因子増強薬

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