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二等辺三角関係(3人用コメディ台本男1女2)

二等辺三角関係
A→ユキト(男)ハイスペ男子
B→ハル(女)Mっ気がある
C→ヒサメ(女)ツッコミ気質

B「好きです!私と…付き合ってください!」

A「ごめん、今はそういうの考えられない」

【間】

B「はぁーーーーー……」

C「だから言ってるじゃん、あれはやめた方がいって」

B「そうだよねぇ…私なんかが……身の程知らずだよね…」

C「ちがうって!!あんな冷徹男、ハルにはもったいないよ!」

B「冷徹って…ちょっと言葉がキツい時もあるけど、優しい人だよ?」

C「どこが!?顔を合わせる度に悪態付いてくるんだよ!!?」

B「それはヒサメが従兄弟だからだよ〜、それにあの顔で悪態つかれると…なんかこう、クるものがあるよね」

C「ハル…あんた……将来モラハラ男とかに捕まんないでね」

B「そりゃその辺の男子に言われたら迷いなく正拳をおみまいするけど…ユキト君なら許しちゃう」

C「まぁ、顔がいいのは認めるけどさぁ……。でもダメだよ!あんな血まで凍りついてる男」

A「悪かったな、血まで凍りついてて」

C「ひっ!?」

B「ユキト君!」

C「私の背後に立つなぁ!!」

A「武士かよ」

B「ねえ、ユキト君!」

A「ん?なに?」

B「私と付き合ってください!」

A「お断りします」

B「くぅ〜〜〜効くぅ…!!」

C「ハル!騙されないで!!顔面だけだよこいつ!!能力を全部顔面に振ってるだけ!!」

A「テストはいつでも学年10位以内だけど?」

B「しかもサッカー部のエースストライカーだよ!」

C「四面楚歌!!くそっ!!!」

A「天は人に二物を与えるんだよ、悪いな」

C「ムカつく!!どのジャンルでも勝てない自分がもどかしい!!」

B「ユキト君、今のもう一回お願いしていいかな?」

A「天は人に二物を与えるんだよ、悪いな」

B「効くぅ〜〜〜〜〜!!」

C「ハルごめん!そろそろ言う!キモい!!!」

A「はいはい、そこまで。どうせやってないんだろ?ほらこれ」

B「こ、これは……今日提出の課題…!?」

C「ぐっ!こいつ…!!これをダシに私に一体どんな事をさせる気なの!?」

A「何もさせねぇよ…強いて言うなら何もすんな、うるさいから」

B「身体で払う準備、できてるよ!!」

A「そうか、じゃあ今すぐ黙ってくれ」

B「んん〜〜!!(口をとじて「効くぅ〜〜!」)」

C「不甲斐ない…敵から情けをかけられるなんて…!!」

A「じゃあ見せない」

C「すんまっせんっしたぁ!!」

B「もー、そもそも課題くらい言ってくれれば私も見せてあげるのにぃ〜」

C「ハルのやつ写して補習になったこと、私忘れてないからね」

A「そもそも自分でやれよ、やんない奴よりやってくるハルの方が偉い」

B「あっあっ好きっ、付き合ってください」

A「お断りします」

B「くぅっ…!クセになりそう…!!」

C「私の友達を惑わせるなぁ!!」

A「友達なら正しい道に戻してやれよ」

C「それは荷が重いかも!!」

A「んじゃ、三限終わるまでには返せよー、じゃあなー」

C「はーい」

B「はぁ……かっこいい……神の造形美…」

C「そんなにかなぁ?もう見慣れちゃってわかんないや」

B「ヒサメが羨ましいなぁ〜、前世でどんな徳を積んだらユキト君と親戚になれるの〜?」

C「え〜いい事ないよ?あんなのと親戚でも」

B「今世では何もしてないのに…」

C「おい」
(これは、なんの変哲もない私達の日常に、事件が起きたり起きなかったりする、そんな話だ)

A「ヒサメー、昼食おうぜ」

C「ちょ、はぁ!?何考えてんの?」

A「はぁ……昼食を、一緒に、食べませんか、?」

C「言葉の意味がわかんない訳じゃないっての!!」

A「じゃあなんだよ?」

C「あんたには分かんないでしょうね!
この女特有の殺気は!!!」

B「もぉ〜羨ましいぞ〜ヒサメ〜、死んで。」

C「情緒!!」

A「なんだよ、昼飯くらいで大袈裟だな」

C「自己分析下手くそ野郎!!」

B「そうだよ〜、ユキト君はもう少し自分が女の子からどう見られてるのか自覚しないと」

C「うんうん」

B「死人が出るよ」

C「こいつ、目が本気だ…!」

A「そもそも俺、ハルも入れて3人のつもりだったんだけど…」

B「みんな〜〜!見ってるぅ〜??私、ユキト君と一緒に昼ごはん食べてきま〜〜〜す!」

C「迷いがないな、この女」

B「私は殺られる前に殺るタイプだから平気」

C「目が完全に座ってやがる…!!」

A「それじゃあ屋上行こうぜ。先生から鍵もらってるから」

C「まーた女教師たぶらかしたんだ」

A「ちょっとお願いしただけだって」

B「どんな感じ?どんな感じでお願いしたの?」

A「すいません、ちょっと貸して欲しいものがあるんですけど…」

B「何でも貸すよぉ!とりあえず私の貞操でいいかな!?」

C「返って来ないだろそれ!!」

A「ほら、行くぞー」

C「ちょ、待ってよぉ〜〜!」

【間】

B「へぇ〜〜ユキト君って結構たくさん食べるんだね〜」

A「そうか?男子ならこんなもんだろ」

C「いやいや多いよ、大きいサイズのお弁当箱におにぎり別添えだし…」

B「細いのにねぇ〜、意外」

A「そうでもないよ、着痩せするタイプってだけだから……ほら」(シャツめくる)

B「ゴッッッフッ!!!!!」

C「喀血(かっけつ)!?!?」

B「見えた…シックスパックのダイヤモンドが…!」

C「ハル!戻ってきてハルぅ〜〜!!!」

B「世界が……広がっていく」

C「機動戦士Z(ゼータ)ガンダムの名台詞まで!!」

A「ハルってガンダム見てるんだ、意外だわ」

C「ガンダムよりも人命に興味持てや!!」

A「てかヒサメは喋ってないで早く食えよ、昼休み終わっちゃうぞ?」

C「あんたらのせい…!ってもういいや…」

B「でも筋肉はついてたけど脂肪は全然だったね〜、一旦抱く?私の事」

A「抱かない。まぁ部活とかでエネルギー使うからなぁ」

C「ほんとに…あんなに食べてるのにどこに消えてるんだか…妬ましい」

A「ヒサメはそろそろ絞った方がいいんじゃないか?ほら、こことか」

C「ひゃん!?お、乙女の柔肌を急につまむな!!」

A「柔らかすぎるぞ〜、これは」

C「ちょ、やめてって、くすぐった…」

B「フシュー…フシュー……!!」

C「こわっ!!!顔怖っ!!!目血走り過ぎだよ!こっっわっ!!!」

B「ユキト君!私もつまんで!!柔らかさチェックして!あ、直にお願いします!!!」

C「脱ぐな!!」

A「…いや、ハルはつまめそうなとこないだろ」

B「はっっっっ!?」

C「ぐっ…こんな残念女のくせに顔とプロポーションはいいなんて…!!」

B「くっ…!!!悔しいっ…!!日頃努力している自分が憎いっ!!……私も、私もつまんで欲しかったのにっ…!!!」

C「本気過ぎるだろこいつ…」

A「さぁ〜て飯も食ったし、そろそろ行くかぁ〜」

B「食後のデザートに私の女体盛りはいかがですか??」

A「結構です、お持ち帰りください」

B「はぁっっっ!気持ちいい……!!!」

C「そろそろ心配になってきたな」

A「あ、ヒサメ。今日は叔母さんの帰り遅くなるらしいから、うちで飯食っとけよ」

C「りょーかい、買い出しいる?」

A「帰りに一緒に買ってこいってさ」

B「わかったよ〜、楽しみだね!」

C「ハルは自分の家に帰って」

【間】

C「うっ…重っ……買いすぎたかも…」

A「いいよ、俺が持つから」

C「あっ!……ありがと…」

A「おう」

C「あのさ…」

A「んー?」

C「ハルの事、どうなの…?」

A「どうって??」

C「いや、一応告白されてる訳じゃない?ほぼ毎日だけど…」

A「あー、まぁ今は特にどうこうする気はないかなー、楽しいから気に入ってるし、今の関係」

C「そ、そっか…」

A「そういうヒサメは?」

C「えっ?」

A「最近告白されたろ?サッカー部の中でも人気高いんだぞ、ヒサメって」

C「え、えぇ…?なんで私?ハルの方が……」

A「ハルは俺に対してあんな感じだからなぁ〜」

C「ま、まぁ…そうだね…」

A「断ったんだって?なんでだよ?結構良い奴だし、顔も悪くない方だと思うけど」

C「そ、それは…」

A「それは?」

C「………ユキトと同じだよ、今はそういうのはいいかなって」

A「ふーん…そっか。でもなんか安心したわ」

C「え?」

A「ヒサメに彼氏が出来たらどうしようって思ったけど、その感じならまだ大丈夫そうだな」

C「な、なんで…安心したの?」

A「それは…」

C「うん……」

A「俺は、ヒサメの事を…」

C「……!」

【少し間】

B「いっけなーーい!!指が滑ったぁ!!」

C「っっっぶなぁ!!?」

B「避けたか…いい反応してるね」

C「迷いなく目を狙ってきたぞ、こいつ!」

A「ハルはなんでここに?」

B「帰り道の途中で偶然2人のこと見つけちゃって!」

C「お前の家反対方向だろ!!」

B「ところでユキト君、さっきなんて言おうとしたの?」

A「聞いてたのか?」

B「うっ…重っ…、から聞いてたよ」

C「最初からじゃん…」

B「どうなの?はっきりさせておきたいと思って」

C「ハル…」

A「……俺はヒサメの事を」

C「…」

B「…」

A「格下だと思ってるから先を越されるのは嫌だな、って」

B「え?」

C「は?……はぁ!?!?」

A「ヒサメに先越されるくらいならいよいよ俺もハルと付き合うしかないかなぁ、とも」

B「ヒサメ彼氏作って、今すぐに」

C「欲望に忠実だなお前は!!」

B「ほら、同じクラスの山田山くんとかは?」

C「いねぇよ!そんなクラスメイト!」

B「ユキト君以外は有象無象だから名前なんて覚えてないの…」

C「確かに男子の名前呼んでるとこ見たことない!?」

A「とりあえず、ハルも一緒にうちで飯食うか?」

B「いきます!ちゃんと勝負下着履いてきてるよ!先に確認しとく!?」

C「脱ぐな!!公共の場だぞ!!」

A「……まぁ、今はこのままでいいか笑」(小声)

C「なに?何か言った?」

A「いや、何でもないよ」

C(こうして私達の日常は今日もドタバタしながらも、平穏に過ぎていくのであった…)

B「ユキト君!私今日安全日だからいつでも大丈夫だからね!」

C「最後までぶれないなお前は!!」

〜Fin〜

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