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線香花火(声劇用台本→男1女1)

男→A    女→B

B『花火なんて久しぶりだな〜
子供の頃以来かも!』

A「楽しそうで何よりだよ。ほら、どれに火つける?」

B『んー、じゃあこの1番派手なやつで!』

A「はいはい、俺は線香花火にしようかな」

B『線香花火ってさぁ、なんか好きじゃないんだよね』

A「何で??儚い感じで綺麗じゃん」

B『え〜、なんて言うか…儚いものこそ美しい。
みたいな押し付けみたいじゃない?』

A「うーん、まぁそれは無くもないかもな。
日本人ってそういうの好きじゃん?」

B『そうだけど〜』

A「わび・さびってやつな。それに、最後があっけないからこそ、終わった後の余韻みたいなのがあるんじゃないか?」

B『それが嫌なの…。急に終わっちゃうクセにその人の気持ちをずっと捉え続けてるみたいで』

(間)

A「……仕方ないだろ」

B『仕方なくない』

A「お前に何がわかるんだよ」

B『何もわかんないよ』

A「だったら、踏み込んでくるな」

B『嫌。考え直すまでずっと言う』

A「迷惑なんだよ」

B『わかってるよ。』

A「わかってんなら放っておいてくれ!!」

(間)3秒くらい

B『線香花火』

A「え?」

B『私もやるから、火つけて』

A「お、おう…」

B『ふーん、綺麗じゃん』

A「だろ?」

B『たまには悪くないかもね』

A「はいはい、たまには、ね…」

B『地味!!飽きた!!』(線香花火を捨てる)

A「あぁっ!今1番綺麗なとこだったのに!!」

B『次!』

A「え?」

B『さっきのはもう終わったんだから
次の花火をちょうだいって言ってるの!』

A「お前…それが言いたいからわざわざ…」

B『落ちた線香花火をずっと見つめてるとこ
なんて、きっとあの子も見たくないよ』

A「……それは…。」

B『私はあの子の代わりにはなれないけど…
次に進めるよう助ける事はできるからさ』

A「……ありがとな。」

B『どういたしまして』

(間)

A「いいのかな…」

B『何が?』

A「俺みたいなのが派手な花火やっても」

B『知らない、勝手にやったら?』

A「冷た!助けてくれるんじゃなかったのかよ!?」

B『だって助けるだけだから。
      最後の判断は自分でしてよね』

A「厳しいなぁ、お前は。」

B『優しさですぅー』

A「この女、可愛くねぇ〜」

B『それよりさ!!』

A「なに??」

B『線香花火、綺麗だったからもっかいやろ!』

A「お前…あんだけ言ったくせに…」

B『ほらぁ!火ぃー!!』

A「はいはい」

Bナレ『私達が、これからどうなるかはわからない。何かあるかもしれないし、何もないかもしれない。』

Aナレ「それでも、止まっていた時間が少しずつ動き出したような、そんな気がした。」

〜END〜


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