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種をつないで

にんじんの収穫がスタートしました。掘りたての時のオレンジ色は本当に綺麗です。
そして、良い香り。
久しぶりに農園の新鮮なにんじんを食べて、体にすっと染み渡るような元気を貰いました。

このにんじんが育つ列の下側には、この子たちのお兄さんたちが、今は花を綺麗に咲かせてその育ちを見守っています。同じ親を持ちますが種をまき、育ったタイミングが異なるので兄弟。兄は去年秋植え。弟は今春に種をまきました。

種採りはどのタイミングで植えて、どの季節、どのタイミングで種を採るかも良い種をつないでいくには重要になります。それは土地土地で異なりますから、私たちは長い時間をかけて自然と向き合って自然に教えてもらってきました。
さらに、それぞれの野菜の種類、品種における特性の理解を深め、各々の生理生態に合わせた播種、生育、採種に良い時期がありますので、その時系列を整理することはもちろんのこと、それらをどこに植えるかといった畑の空間利用も年を跨いで考えていかなければなりません(ある野菜によっては今年植えたものは翌年採種となる為に年を跨いで計画します)。

縦軸を時系列、横軸を空間利用だとすると、
両方向について考えなければならない為、
採種する野菜の種類が多くなれば多くなるほど、どんどん複雑化します。

何種類かの種とりだと簡単に取り組めるのですが、それが数多くなった時に、とたんに種とりが続かなくなってしまう野菜が出てくるのは、採種する野菜の種類が増えれば増えるほど、それを何年も続ける為には、畑の方方までしっかりと見つめながらも、俯瞰して見た大きな計画を立て、限りある畑の土地を最大限有効利用しながら、深い理解を元に自然のリズムに合わせて管理していく必要が重要になるからだと思います。
人それぞれなので、行き当たりばったりでも良いのかもしれませんが、たくさんの種類の良い種をつなぎ続けるにはそれなりの努力と考える力が重要になると思います。

長い時をかけて
種をあやし、種を植えること。
それを続けてきた、
全ての農家に
敬意と感謝を込めて、
この地で、その大地を体現したかのような野菜を育てたいと命をつないで野菜たちと向き合っています。

大地が宿る野菜は、そこに生きる私たちにすっと染み渡ります。

#八雲山水自然農園

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