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暮らしの薬学【スキンケア・フェイシャル編】~①皮膚の構造と役割

ミズホ「高校生の男の子は、最近、顔のニキビがとても気になるらしくて・・・・しょっちゅう顔洗ってるわ・・・・。私はオイリー肌だったと思っていたのに肌ががさがさしてきて、年のせいかしら?」
薬剤師ナナコ「思春期になるとニキビが気になるのはよくあることよね。今は、男性化粧品が豊富に販売されてるし、スキンケアに興味ある男子が増えたと感じます。老若男女問わず、自分のお肌に関心を持つことは大事、正しいスキンケア(フェイシャル)について勉強しましょう。」

正しいスキンケアについて学びましょう~!

皮膚の役割って?ターンオーバーって何?

皮膚は、大きく分けると表皮、真皮、皮下組織という3つの層からできています。そして、それぞれの層がさらに細かい層に分かれています(下図「皮膚の構造」参照)。
表皮は約0.2㎜ととても薄く、保護壁のような役割があります。表皮の角質層は、外的な刺激から皮膚を守ったり、内側から水分を逃がさないようにする「バリア」の役目を果たしています。
表皮の最下層にある基底層の細胞は、だんだん上におしあげられつつ細胞分裂をすることで表皮細胞、角質細胞と形を変え、最終的に垢として剥がれていきます。このような皮膚の新陳代謝を「ターンオーバー」と言います。
個人差もありますが健康な皮膚では約6週間の周期でターンオーバーが繰り返され、つねに新たな細胞に入れ替わっています。
表皮の下には、真皮があります。真皮は約1.8㎜で、図にあるエラスチン繊維やコラーゲン繊維が不足すると皮膚のハリや弾力が低下します。 

健康で美しい肌状態を維持するには、皮膚の「バリア機能」と「ターンオーバー」が重要な要素となります。バリア機能が低下したり、皮膚のターンオーバーが乱れたりすると、外部からの刺激を受けやすくなり、乾燥しやすくなるなど、肌あれを起こす原因にもなり、健康な肌を維持できなくなります。

(図)皮膚の構造

角質層には、「バリア」機能を担う重要な成分である「皮脂」「細胞間脂質」「天然保湿因子」があります。
「皮脂」は、皮膚表面に存在する脂質のことで、皮脂腺から分泌されます。皮膚から水分が蒸散することを防いだり、外部から異物が浸入することを防いだりする役割を果たします。「細胞間脂質」は、表皮の最も外側にある角層の間を満たす脂質のことで、セラミド、脂肪酸、コレステロールを主な成分として含み、細胞と細胞を接着するセメントのような役目を果たします。肌内部の水分が蒸発するのを防ぐ役目があります。「天然保湿因子」は、皮膚に備わっている保湿成分の総称です。成分としてはアミノ酸が多くを占め、角層の中で水分を保つ役割を果たします。天然保湿因子が減少すると保湿機能が低下して、肌の乾燥を招きます。

Q.「美白化粧品」はどんな化粧品ですか?

美白化粧品とは、厚生労働省が指定した「美白」を表示することができる成分が配合されている医薬部外品の化粧品です。美白成分には、アルブチン、エラグ酸、トラネキサム酸、ビタミンC誘導体、プラセンタエキス、リノール酸、ルシノールなどがあり、メラニン色素の生成抑制、メラニン色素の還元、メラニン色素の排泄促進などの働きがあります。
 代表的な美白成分である「トラネキサム酸」はメラニン色素を抑制し、炎症を抑える働きがあり、化粧品だけでなく「肝斑を改善する効果」を効能として表示できる内服の医薬品(第一類医薬品)が販売されています。
「ビタミンC誘導体」は、ビタミンCを吸収しやすくしたもので、メラニン色素の排泄促進があり、しみ、そばかすの予防に効果があります。
 
美白化粧品には様々な成分が配合されているので、日焼け後、肌が軽いやけどのような状態に使用するとかえって刺激を与えることになるため、日焼け直後、肌が黒くならないようにと、「美白化粧品」を使用するのは控えたほうがよいとされています。

もっと勉強したい人に ~ 参考リンク・参考図書

トランシーノ薬用クレンジング(第一三共ヘルスケア)
【皮膚科医が教える美白の秘訣】美白ケアはコツコツと!美白には○○が有効的!?

<参考図書>
メンズスキンケアパーフェクトガイド
賢い化粧品の選び方 ―スキンケアの正解は成分で分かる―