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暮らしの薬学【歯磨き剤編】~④歯磨き剤の選び方、成分

歯磨き剤はたくさんあって選ぶのに迷いますね。
どんな成分が入っていてどんなタイプが自分にあっているか解説します。

歯磨き粉の成分

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ドラッグストアなどでおなじみの歯磨き粉、たくさん種類があって選ぶのに迷いませんか?どれも似たようなものだから“おすすめ品”とか“特売品”とかで選んでいる場合も多いでしょう。歯磨き粉にはいったいどんな成分が入っているのでしょう。
ペーストタイプ、つまりチューブに入ってるよく使われている歯磨き粉の基本成分として研磨剤(清掃剤)、発泡剤、保湿剤、結合剤があります。これに加えて薬効成分(下記参照)があるのですが、いくつかの成分の組み合わせできています。歯質強化成分、歯石形成抑制成分が入っていると「虫歯予防」、殺菌成分、消炎・止血成分が入っていると「歯周病予防」と表示されていますので、自分のお口と相談してあったものを選びましょう。特に中学生くらいまでは永久歯が未熟なので「虫歯予防」を、それ以降、さらに全身性の疾患を予防する(暮らしの薬学【歯磨き剤編】~③歯周病と全身疾患参照)ためにも「歯周病予防」を選ぶといいですね。

歯質強化成分:フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム
殺菌成分:クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、塩化セチルピリジウム(CPC)、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
消炎成分:グリチルリチン酸ジカリウム、βグリチルレチン酸、サリチル酸メチル
止血成分:トラネキサム酸、εアミノカプロン酸
収斂成分:塩化ナトリウム、アラントイン
血行促進成分:塩化ナトリウム、酢酸トコフェロール(ビタミンE)
細胞賦活成分:ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)
プラーク分解・歯石形成抑制成分:ポリリン酸ナトリウム、ゼオライト
清掃助剤(歯を白くする):DL-リンゴ酸
知覚過敏予防:乳酸アルミニウム、硝酸カリウム


Q. 洗口液と液体歯磨きはどう違うのですか?

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液体タイプのオーラルケア商品には「洗口液」と「液体歯磨き」があり、容器にその記載があります。洗口液はマウスウォッシュ、オーラルリンスとも呼ばれており。液体歯磨きはデンタルリンスと呼ばれています。両者は同じようみえますが別ものです。洗口剤は、粘液を溶解したり口臭を除去するなど口腔を清潔にして清涼感を持たせるために用いる外用薬です。商品の多くに抗炎症薬や殺菌消毒薬を含んでいますが、うがい(含そう)薬と同様に扱われ、歯磨き剤ではありません。別途、歯磨きをする必要があります。一方、液体歯磨きは、適量を口に含みブラッシングをする、または適量を口に含み吐き出した後にブラッシングをするので歯磨き剤の一種です。ペースト状の歯磨き剤と異なり研磨剤を含まず、発泡剤も入っていないか、あるいは少量ですので、寝たきりの方に使いやすい利点があります。洗口液、液体歯磨きともに、使用した後に特に水ですすぐ必要はありません

もっと勉強したい人に~参考リンク・参考図書


花王 | 製品Q&A |
JDMA日本歯磨工業会  

<参考図書>
人生が変わる歯の磨き方 p113~114
歯医者に聞きたいフッ素の上手な使い方

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ナナコ「歯磨き剤についてこれだけ知っていれば十分なお話をしたつもりだけど、どうだった?」

ミズホ「はい… きちんと知識をもって歯のケアをしていれば、虫歯も歯周病も予防できるということだね。ナナちゃんありがとう!」

ナナコ「次回、洗剤編でまたお会いしましょう!」

<この記事をまとめた人>
ミズホ
「薬局活用ガイド」編集部員。埼玉県在住。中2の長女、小4の長男の子育てをする二児の母。

<書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。