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暮らしの薬学【医療機器・医療ガーゼ/医療脱脂綿編】~③清浄綿、消毒綿、ウエットティッシュの違い

清浄綿、消毒綿、ウエットティッシュは形状がよく似ていますよね。しみこませている液でいろいろなものがあり、誤った使い方をしないように確認しましょう。


清浄綿、消毒綿、ウエットティッシュの違い

消毒綿・洗浄綿・ウェットティッシュの違い

洗浄綿の薬液は、クロルヘキシジングルコン酸塩(グルコン酸クロルヘキシジン)0.02%又はベンザルコニウム塩化物(塩化ベンザルコニウム)0.01%の2つが認められていますが、消毒綿の薬液は、清浄綿よりも高濃度に含有でき、さらに消毒用エタノールなどアルコールの使用も認められています。ウエットティッシュは「創傷面、目の周り、粘膜」には使えませんが、清浄綿は、厚生労働省によりアルコールの使用が認められていないので、「目のまわり」の清拭に使うことができます。また殺菌消毒剤が含有されていますが、消毒綿よりも低濃度なので、「赤ちゃんの肌、口まわり」の清拭に利用できます。
赤ちゃんにつかわれるおしりふきは、安全性に配慮し、化粧品製造の許可を受けた工場でしか製造が認められていないため、化粧品に分類されていますが、同じおしりふきでも大人用(介護用)、その他は雑貨品扱となります。以上から、汎用性の高い洗浄綿について次に用途をまとめました。

(清浄綿の用途)
1)赤ちゃんの肌もしくは口のまわりをきれいに拭く。
2)授乳時にお母さんの乳首や乳房をきれいに拭く。
3)おむつを交換するときにおしりをきれいに拭く。
4)生理時や出産後、局部をきれいに拭く。
5)目のまわりをきれいに拭く。

Q. 赤ちゃんの「おしりふき」と「手・口用のウエットティッシュ」は使い分けたほうがいいですか?

赤ちゃんの「おしりふき」は、化粧品基準に基づいて設計・製造された基布含浸型化粧品で、主に赤ちゃんのおむつ取替え時のおしりふきを目的としたものです。おしりの他に手や身体ふきにも使え、新生児から使用できます。化粧品は薬機法上、すべての配合成分を表示する義務がありますが、「手・口用のウエットティッシュ」は雑貨品ですので、すべての成分が表示されていない場合があり、2歳以上から使用となります。以上の違いを参考にご使用ください。

もっと勉強したい人に ~ 参考リンク

●サニコットMEI添付文書

https://www.marusan-sangyo.co.jp/wp-content/uploads/2018/11/e2b46f1d3881bdf701bf9c1781d9c1be.pdf

●ウエットティッシュとは?(一般社団法人 日本衛生材料工業連合会)

●おしりふきは手口ふきの代わりになる?ウェットティッシュは?それぞれの違いを解説(興和株式会社)

●あかちゃんのおしりふきとは?(一般社団法人 日本衛生材料工業連合会)

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<この記事を書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。