暮らしの薬学【ヘアカラーリング剤】~③カラーリング剤の選び方と使い方
ミズホ「家で染められるカラーリング剤を使ってみようかなと思うけど、うまく染められるか心配。前は、思った色にならなかったのよね~」
自分にあったカラーリング剤を選んで正しく使おう!
ドラッグストアにはたくさんのカラーリング剤があって、どれがヘアカラーか、ヘアマニュキュアか区別がつきにくいですね。ミズホさんのように、染めたい色にきれいにそしてかぶれずにカラーリングしたいと思う人も多いでしょう。それぞれのカラーリング剤の特徴(暮らしの薬学【ヘアカラーリング剤】~②カラーリング剤の種類と染まるメカニズム参照)を確認して選んでみましょう。購入したら、使用する前に必ず商品箱に入っている説明書をよく読みましょう。
白髪をしっかりと黒く染めたいときは、<永久染毛料>「ヘアカラー」を選びます。ただし、永久染毛料でかぶれた経験がなく、パッチテスト(Q&A③)で問題がなかった場合に使用できます。
日本人のもともとの髪色は4~7レベルと言われていますが、黒髪にはレベルが1~15まであります。染めたいレベルを商品に書かれている番号や色見本で確認します。ヘアカラーは、1剤と2剤とを混ぜ合わせ髪の中で酸化重合という化学反応により染まっていくので、混ぜ合わせたらすぐに髪に塗るようにします。薬液が顔、首筋などにつかないようにしてください。薬液がついた時は、直ちに水で洗い落としてください。全体になじませたら説明書に書いている時間放置します。ヘアカラー中あるいはヘアカラー後に発疹、発赤、はれ、かゆみ、強い刺激などの皮膚の異常やじんましん、息苦しさ、めまいなどの症状が現れた場合には、直ちに薬液をよく洗い流し、すぐに医師の診療を受けてください。放置時間が過ぎたら、すすぎ湯にヘアカラーの色が出なくなるまで、ぬるま湯でよくすすぎましょう。洗い液が目に入らないようにご注意ください。髪の傷みが気になる人は、すすぎ後にヘアトリートメントをお使いください。
永久染毛料でかぶれた経験がある人は、<半永久染毛料>「ヘアマニュキュア」がおすすめです。永久染毛料が2~3か月程度持つのに対し、色落ちも早く2~3週間しか持ちませんが、アレルギーをおこしやすい酸化染毛剤が入っていないので使用が可能です。ただし、こちらも念のためパッチテストすることをお勧めします。ボトルに櫛が付いた泡タイプのヘアマニュキュアは、ワンプッシュで泡を出し、染めたいところに櫛を通して髪に塗ることができ便利です。頭皮についたら取れにくいので、塗ったあとに揉みこんだりしてはいけません。あとは永久染毛料と同様に定められた放置時間を経て洗い流します。
1日だけ生え際の白髪を染めたい場合は、<一時染毛料(毛髪着色料)>ヘアマスカラなどがお勧めです。まつ毛のマスカラのように、さっと塗るだけです。ただ、顔料を髪につけるだけなので汗や雨などにあたると流れる心配がありますので注意しましょう。
<半永久染毛料>「カラートリートメント」は、カラーリングで傷んだ髪をケアしながら着色でき、さらに黒色だけでなく、暖色から寒色までさまざまなカラーバリエーションがあるのでいろいろな髪色を楽しむことができます。使い方は、まずシャンプーをしますが、シャンプー後の髪はしっかりとタオルで水気をとります。そして、カラートリートメントも酸化染毛料で染めるように刷毛をつかったり、コームを使って髪の内側、根元まで塗ります。塗り終わったら使い捨てのシャワーキャップなどで髪を覆ってそれぞれのトリートメント商品の放置時間まで湯船に入って待つと髪が温められ染まりやすくなります。
Q.ヘアカラーで少し放置時間がながくなると明るい色になってしまうのはなぜ?
ヘアカラーによる染毛効果は、変わりませんが、放置することにより脱色効果が持続するため、明るくなってしまいます。
もっと勉強したい人に ~ 参考リンク
●ヘアカラーの準備や手順を確認しましょう(日本ヘアカラー工業会)
https://www.jhcia.org/haircoloring-home/5_preparation.html
*****
<この記事を書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。