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暮らしの薬学【局方品・消毒編】~①消毒剤について

ミズホ「コロナ禍の時は、消毒剤を手に入れるのに大変苦労したなぁ~。感染対策することが大事だってこと学んだ時期でもあったな。大事なことだからこれからもあの時のこと忘れないようにしないとね~。当時はあらゆるところで販売されていたけど、消毒剤って今はどこに存在しているのかなぁ~。」
薬剤師ナナコ「消毒剤は、前回の【局方品①掃除編】で学んだ「局方品」でもあるんですよ。コロナが流行する前から、薬局・ドラッグストアで販売されていました。暮らしの薬学【家庭用洗剤・除菌/漂白編】で、家庭用洗剤から除菌・消毒について学んだことをおさらいしながら、医薬品の消毒剤について勉強しましょう。」

“局方品”には消毒剤もあります。

局方品とは、“日本薬局方”に収載されている医薬品を指します(暮らしの薬学【局方品①掃除編】~①局方品について 参照)。
この局方品には消毒薬も含まれています。薬機法上の区分では医薬品ですが、一般家庭で使用する漂白剤やカビ取り剤、洗浄剤に含まれている成分(例えば、次亜塩素酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウムなど)と同じものがあります。
消毒剤は、漢字が示すように、「毒を消す作用のある“化学物質”」であるので、用法用量や使用対象を誤ると人体に悪影響を及ぼします。使用上の注意を必ず確認しなければなりません。(詳しくは次の暮らしの薬学【局方品②消毒編】~②消毒薬のあれこれを参照)

Q.消毒用エタノールと、消毒用エタノールIP(ケンエー)はどう違うのですか?

消毒用エタノール液IP(ケンエー)は、エタノール76.9 ~ 81.4vol%を含有し、添加物としてイソプロパノール3.7vol%を含有した無色澄明の液です。少量のイソプロパノールを添加することにより免税される(酒税がかからない)ため、消毒用エタノールに比べ安価です。しかしながら消毒用エタノールと同濃度のエタノールを含有しているので、広い抗微生物スペクトルを有し、迅速な殺菌効果を示します。 また、各種ウイルスにも不活性化効果を持ちますが飲用不可です。消毒用エタノール液IPの誤飲、誤使用を防ぐため、ブルーに着色した“消毒用エタノールB液IP(ケンエー)”があります。

もっと勉強したい人に ~ 参考リンク・参考図書

●「日本薬局方」ホームページ(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000066530.html

●消毒薬の選び方(健栄製薬)

<参考図書>
消毒用エタノール各種添付文書

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<この記事を書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。