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暮らしの薬学【医療機器・絆創膏編】ファーストエイドに欠かせない~②絆創膏について

ミズホ「子供たちはしょっちゅう、手を切ったり、転んで足に擦り傷つくったりするから、たくさん入ってお得な絆創膏を家に常備しているのだけど~。ドラッグストアにはいろいろ種類があるから使いわけたほうがいいのよね~」

絆創膏の種類について

絆創膏には、患部に塗ることで被膜をつくる液体絆創膏(液状絆創膏、水絆創膏、暮らしの薬学【医療機器①絆創膏編】~①医療機器とは?Q&A参照)やテープ絆創膏(サージカルテープ)など、さまざまな種類がありますが、家庭での傷ケア商品として汎用されているのが“救急絆創膏”です。その定義は「身体の部位に用いる、接着剤を付した布製又はプラスティック製等の各種形状の絆創膏材」というものです。中にはパッドを付する製品もあり、主に傷の被覆及び保護、傷口の皮膚接合、身体の創傷部位に用います。
救急絆創膏は医薬品医療機器等法によって「医薬品」「医薬部外品」「医療機器」の3つの種類に区分されています。「医薬品」「医薬部外品」は、一定濃度のアクリノールのほか、塩化ベンザルコニウムなどの殺菌消毒薬がパッド部分に含まれ殺菌消毒効果を持っています。多くの救急絆創膏はパッド部分に薬剤が含まれていないもので、「医療機器」に区分されており、患部の保護が主な目的となります。キズの消毒、保護、治癒それぞれの用途によって適した救急絆創膏がありますので、次の表を参考に選びましょう。


Q. 絆創膏を貼るとかぶれるのですが、かぶれにくい絆創膏はありませんか?

絆創膏の粘着部分に天然ゴムを使用しているものがありますが、このゴムの成分である「ラテックス」がアレルギーを起こす可能性があります。非天然ゴム系(アクリル系など)を使用している絆創膏を選ぶとよいでしょう。またテープをはがすときに強く引っ張ってしまうと、物理的な刺激が皮膚にダメージを与えることもありますので、ゆっくりはがすようにしましょう。

もっと勉強したい人に ~ 参考リンク

●絆創膏について(一般社団法人 日本衛生材料工業連合会)

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<この記事を書いた人・監修>
藤田知子
京都薬科⼤学卒業後、メーカー勤務を経て、ドラッグストアでOTC医薬品販売から処⽅箋調剤など薬剤師業務 に従事。“薬剤師は町の科学者”をテーマに薬系新聞に寄稿、「ドラッグストアQ&A」(薬事⽇報社)を編集。